# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2009/07/20 10:00 終了日時:2009/07/20 11:40 棋戦:第26回マンデーカップ1回戦 持ち時間:0時間30分 消費時間:144▲30△30 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:蛸島彰子五段 後手:松尾香織初段 手数----指手-- *第26回1dayトーナメントMondayカップ、1回戦蛸島彰子五段−松尾香織初段。棋戦名のMondayは月曜開催されているLPSA主催の将棋教室「マンデーレッスン」から。本トーナメントは生徒有志が記録係や観戦記など運営も行う。 *事前に行われた振り駒は歩が3枚で蛸島の先手となった。記録係は生徒の藤田さん。持ち時間はチェスクロック使用で各30分、切れたら一手30秒の秒読み。対局開始は10時。対局場はLPSA駒込サロン。隣では同じく1回戦の藤森奈津子三段−中倉彰子初段戦が行われる。 *(棋譜・コメント入力=桜木) 1 7六歩(77) *開始の合図で「お願いします」と両者一礼。すぐに蛸島は▲7六歩と角道を開けた。 2 3四歩(33) *松尾も角道を開ける。 3 6六歩(67) *開始前に対局者がひとことずつ抱負を述べた。 *蛸島「素晴らしい舞台を整えてくださって、皆様ありがとうございます」 *松尾「隣に蛸島さんがいるので言いにくいのですが、優勝目指して頑張ります!」 4 3二飛(82) *松尾香織(まつおかおり)1974年7月30日生まれ。広島県下蒲刈島(呉市)出身。LPSA番号16。マンデーレッスンのレギュラー講師。埼玉大学将棋部時代に主将をつとめ、1994年春季関東学生女流戦優勝。愛用はゴキゲン中飛車。中盤での軽いさばきを得意としている。テレビ番組棋譜読み上げ、聞き手多数。趣味は絵画、華道、登山。夫は松尾歩七段。第6回1dayトーナメント「ファミリーカップ」で松尾歩七段とのペアで優勝している。 5 6八銀(79) *蛸島彰子(たこじま・あきこ)LPSA番号1、LPSA相談役。 *1946年3月19日生まれ、東京都杉並区出身。10歳ころから将棋を始め、1961年に日本将棋連盟新進棋士奨励会に入会。唯一の女性会員だった。特例の昇級規定ながら初段まで進み、1966年に退会。日本将棋連盟より初の女流プロ棋士として認定され、将棋教室や大盤解説会の聞き手として普及活動に取り組んだ。1974年に女流棋士制度が発足すると、女流三段として女流名人位戦に参加し、初代女流名人となる。奨励会時代から中飛車を愛用し、攻守にバランスのとれた粘り強い棋風。女性を対象にした *将棋教室や、書籍・観戦記執筆など幅広く普及につとめている。座右の銘は「続ければ人生」。趣味は「ガーデニング」。第21回1dayトーナメント「きさらぎカップ」で優勝している。 6 6二玉(51) *隣室ではプロジェクターと大盤を使っての解説会場が設けられている。追って解説の棋士が登場する予定。 7 6七銀(68) *優勝者予想の凝ったチラシも置かれている。蛸島の欄には「初代女流名人の意地見せるか」。松尾には「天神の称号は伊達じゃない」と書かれている。「天神」は学問の神からではなく、松尾が好きなラーメン屋さんから採られた愛称らしい。 8 7二銀(71) 9 7七角(88) *先に銀と角を動かして飛車の進路を作る。 10 5二金(41) 11 8六歩(87) 12 7一玉(62) 13 8八飛(28) *振り飛車党の両者の対戦は相振り飛車に。蛸島は向かい飛車、松尾は三間飛車。 *両者中飛車を得意としているが、相振り飛車では飛車は中央から遠い方がよい。 14 7四歩(73) *高美濃囲いではなく、矢倉囲いを目指した動き。 15 4八玉(59) *会場の優勝者予想では松尾が1番人気だという。マンデーレッスン講師という立場が大きいようだ。 16 4二銀(31) *本トーナメントは女流棋士7人に、マンデートーナメント優勝者の伊藤さんの計8人の参加。1回戦(1)が10時、1回戦(2)は12時、準決勝は14時、決勝は16時からの予定。 17 3八銀(39) *蛸島も美濃囲いの構えに。 18 3五歩(34) *飛車先を伸ばす。タイミングを見て△3六歩▲同歩△同飛▲3七歩△3四飛と歩を交換する狙い。 19 3九玉(48) 20 7三銀(72) *将来の先手の8筋交換を防いでいる。 21 5六銀(67) 22 7二金(61) *矢倉は美濃囲いに比べて上部が厚い。 23 5八金(69) 24 6二金(52) *金矢倉ではなくペッタリとした囲いに。 25 9六歩(97) 26 9四歩(93) *ここまで開始15分。消費時間は蛸島7分、松尾8分とほぼ同じペースで時間を使っている。 27 6五歩(66) *ドンと角道を開ける。△3六歩とは行きにくくなった。 *松尾の手が止まり、首筋に手を当てて考えている。 28 2四歩(23) *2筋を伸ばす。手損になるので後手も自分からは角交換したくない。 29 2八玉(39) *あわてずに玉を入城。これで強い戦いが可能となった。 30 2五歩(24) *2つ伸ばしたので、▲2二角成△同飛の形が絶好になる。どちらからも角交換したくない。 *まもなく開始30分になろうとしている。残り時間は蛸島16分、松尾14分。 31 8五歩(86) *飛車先を伸ばしてプレッシャーをかける。 32 8二玉(71) *松尾も玉を入城。お互いガッチリとした囲いが完成した。今後は攻撃陣をどう構築するか。 33 4六歩(47) *あわてず自然に駒を進める。これで銀の動きが楽になり、▲4七金という進展ものぞめる。 *松尾は考慮中に残り10分を切り、チェスクロックから「ピッ」と音がした。 34 1四歩(13) 35 1六歩(17) *ふところを広げる大きな一手。玉側の端歩は終盤で金銀3枚違うと言われる。逃げ道がないとすぐ詰まされてしまうという意味。 36 7七角成(22) *じっくりと時間を使って角を換えた。 37 同 桂(89) 38 2二飛(32) *手損の動きだが、後手の駒組みは飽和状態。2筋の歩交換を狙う。 *蛸島は残り12分、松尾は残り8分。 *蛸島も▲6五歩、▲8五歩と桂の道に歩がいることと、持ち歩がないことで自分から動くのは難しい。 39 6六角打 *じっくりと時間を使って角を置く。敵玉頭と飛車をにらむ。 *蛸島は残り4分。 40 3三角打 *当然の合わせ。先手は角が浮いているのでどう受けるか。 41 6七銀(56) *銀を引いて受けた。△6六角▲同銀なら銀を攻めに使う意図だろう。 42 2六歩(25) *静かな手つきで歩を突いた。 43 同 歩(27) 44 同 飛(22) 45 2七歩打 *数手パタパタと進んだが、ここで松尾の手が止まっている。 46 4六飛(26) *強く歩を取った。角取りになっている。 47 3三角成(66) *まずは狙われている角を交換。 48 同 桂(21) *後手の飛車が無事に生還してしまえば先手の歩損だけが残る。蛸島はうまく飛車をいじめられるか。 49 5五角打 *天王山に。△4五飛は▲5六銀で飛車の行き場がない。 *松尾は持ち時間が切れ、一手30秒の秒読みに入った。 50 4五飛(46) 51 5六銀(67) 52 4四角打 *切り返しの角。▲4五銀は△5五角が桂取りの先手になる。 *ここで蛸島も持ち時間を使い切り、両者一手30秒の秒読みとなった。 53 同 角(55) 54 同 飛(45) *飛車が生還。松尾がうまく立ち回ったか。 55 2二角打 *香を取りにいく。 56 3六歩(35) *コビンに味をつける。 57 同 歩(37) 58 2五桂(33) *△3七歩や△4六角を狙う。 59 4五歩打 60 3四飛(44) 61 1一角成(22) *先手の香得となったが、松尾に手番がわたった。 62 3七歩打 *玉の堅さを生かして松尾は攻め続けたい。 63 同 桂(29) 64 同 桂成(25) 65 同 銀(38) 66 2五桂打 *銀に当てる。松尾の攻め駒もさほど多くはない。 67 3五香打 *首をかしげながら香を打った。 68 同 飛(34) *ズバッと。 69 同 歩(36) *一瞬後手の飛車損。寄せきれるかどうか。 70 3六歩打 71 同 銀(37) *ギリギリまで時間を使って歩を取った。 72 4六角打 *狙いの王手。玉をかわす手には△3七桂成と迫る。 73 3九玉(28) *3九へ。おたがい前傾姿勢で盤を見つめている。 74 1九角成(46) *△3七桂成では薄いと見て、駒を取りながら馬を作る。 75 2五銀(36) *桂をはずして防戦する。ていねいに面倒を見る展開は蛸島の得意とするところ。松尾の攻め駒が少ないか? 76 4六香打 77 4七桂打 78 同 香成(46) 79 同 銀(56) 80 5五桂打 *桂で追撃。 81 5六銀(47) *冷静にかわす。松尾は歩切れも痛そうだ。 82 4六香打 *どんどん追撃する。 83 3八金(49) *金をかわして、蛸島はお茶を一口飲んだ。 84 5四歩(53) *浮いている桂にヒモをつけて手を渡す。 *隣の藤森−中倉彰戦が終了したようだ。両者は大盤に移動した。 85 1二飛打 86 5三銀(42) *辛抱してチャンスを待つ。 87 6六桂打 *桂を設置。▲7五歩△同歩▲7四歩の攻めをみている。 88 9二玉(82) *△8二銀の余地を作って耐える。端攻めも厳しそうだが…。 89 4八香打 *後手の攻め駒不足を見越して自玉を安全にする。 90 同 香成(46) 91 同 玉(39) 92 4六香打 93 5九玉(48) *一連の動きで玉が3九から5九へワープした。 94 2九馬(19) *うるさく追撃する。 95 3七金(38) *すべらすように金を上がった。香取りをみせて催促にもなっている。 96 2八馬(29) *迷ったような手つきで馬を引いた。 97 3六金(37) 98 2七馬(28) *歩切れを解消。▲4六金には△2六馬の王手銀取りを狙う。 99 4六金(36) 100 2六馬(27) *△3七馬の王手金取りは▲4八香と受けられ失敗する。 101 4八香打 102 2五馬(26) *銀を取り返したが、先手玉はずいぶん安全になった。 103 5五銀(56) *中央の桂をはずす。 104 同 歩(54) * 105 9五歩(96) *満を持しての攻め。「端玉には端歩」の格言通り厳しい。 106 8二玉(92) *チェスクロの電子音に追われるように玉をよろけた。 107 9四歩(95) *大きな取り込み。 108 9二歩打 *つらい。 109 5五馬(11) *▲7四桂を見せて絶好の馬引き。先手は全軍躍動。 110 6四歩(63) *馬の利きを止めて頑張る。 111 7五歩(76) *△7五同歩は▲7四歩や▲7四桂打。自然な攻めで厳しい。 112 7六銀打 113 7四桂(66) 114 同 銀(73) 115 同 歩(75) 116 6七銀打 *必死の食いつき。しかし先手陣はまだ余裕がありそうだ。 117 4七香打 *馬の利きを止める。 118 6三桂打 *松尾は口もとに手を当てながら桂を打った。 119 6六馬(55) 120 5八銀成(67) *△7五金や△6七金を見せてくいつく。 121 同 玉(59) *蛸島は迷いながらも玉で取った。 122 7五金打 *▲5六馬には△7七銀不成と取れる。後手玉も厚くなってうるさい攻め。 123 3三馬(66) *7七に利かせた逃げ場。 124 4四歩(43) 125 7八飛(88) *ギリギリまで秒を読まれての指し手。 126 6六金(75) *後手の攻め駒が使えてきた。 127 8四歩(85) *やや響きが弱そうだ。 128 7七銀成(76) 129 9八飛(78) 130 5四桂打 *松尾講師、猛然と追い込む。 131 8三歩成(84) 132 同 玉(82) *後手玉を捕まえることが出来るか。蛸島は盤に覆い被さるほど身を乗り出して考えている。 133 5六金(46) *金をよろけて駒を補充にいきつつ、後手陣の上部の厚みを削る。 134 同 金(66) 135 同 歩(57) 136 5七歩打 *ここに歩が利いた。▲5七同玉は△6七金まで。 137 4九玉(58) 138 1六馬(25) *ピッタリの王手。合駒するしかない。歩の補充も大きい。 139 2七歩打 *単に▲3八合駒は△3七歩。「近づけて受けよ」の手筋。 140 3七歩打 *先に歩を打って△2七馬からの詰めろ。 141 2二飛成(12) *蛸島必死の防戦。 142 1七馬(16) *△3九馬以下の詰めろ。 143 6九銀打 *秒に追われながら銀を受けたが…。 144 3九馬(17) *これで詰んでいる。▲3九同玉は△3八金、▲5九玉は△4九金まで。 *蛸島は「ああ、負けました」と投了を告げた。続けて「しっかり切らせてから攻めるべきでした」。 *松尾は「完全に切れていました。△1九角成では△3七桂成でしたか…」と恐縮していた。 *松尾マンデーレッスン講師が大逆転で2回戦進出を決めた。 145 投了 まで144手で後手の勝ち