# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2009/10/11 12:00 終了日時:2009/10/11 13:45 棋戦:第29回TefuCUP1回戦 持ち時間:0時間30分 消費時間:174▲30△30 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:渡部愛ツアー女子プロ 後手:鹿野圭生初段 手数----指手-- *第29回1dayトーナメント「Tefu CUP」1回戦鹿野圭生初段−渡部愛ツアー女子プロの一戦。持ち時間はチェスクロック使用で各30分、使い切ったら一手30秒の秒読み。対局開始は12時。振り駒はとが3枚で渡部の先手に決まった。渡部はいつものように高校の制服姿で対局にのぞんでいる。鹿野が駒箱を開いて王将を据え、駒が並べられた。歩が4枚も余ったことに両者驚き、笑いが起こった。 *(棋譜・コメント入力=桜木) 1 7六歩(77) *12時となり開始の宣言がされ「お願いします」と一礼。渡部の初手は▲7六歩だった。 2 3四歩(33) *鹿野もすぐに角道を開けた。 3 2六歩(27) *渡部愛(わたなべ・まな)ツアー女子プロは1993年6月26日生まれの16歳。北海道帯広市出身。ツアーライセンス取得試験に合格し、2009年4月からツアー女子プロの第1号となった。同年5月からLPSA棋戦に出場。8月に行われた第27回1dayトーナメント・シュヴァリエカップでは、決勝で中井広恵天河を相矢倉で破って初優勝を果たした。アマチュア時代に第40期女流アマ名人戦準優勝、第1回女子アマ王位戦3位などの活躍がある。 *北海道在住で高校に通いながら女流棋士を目指す。ブログ「mana-blog」は以下のアドレス。http://watamana.blog47.fc2.com/ 4 4四歩(43) *鹿野圭生(かの・たまお)初段は1961年11月1日、香川県高松市出身。LPSA番号8。松山商科大学(現松山大学)在学中に学生女流棋界で活躍した後、1984年に育成会入会。得意戦法は四間飛車。関西女流棋界の「姉御」的存在で親しまれている。夏休みに開催している将棋入門教室では、小学生の長男が「ちびっ子助手」として活躍している。座右の銘は「乾坤一擲(けんこんいってき)」。趣味は書道、テニス。 5 4八銀(39) *渡部は「得意戦法は振り飛車」とのことだが居飛車も指す。渡部の1dayトーナメント出場は3回目。 6 4二飛(82) *鹿野は愛用する四間飛車に。 7 6八玉(59) *本日の再生ソフトは、本棋戦のスポンサーでもある「有限会社テラスデザイン研究所」が開発した棋譜再現ソフト「Tefu(手譜)」。駒の利きが色で塗り分けられていること、研究モードで駒を動かせることなどが特長。手譜の仕様については以下のウェブサイトをご覧ください。http://www.terrasdesign.com/ 8 6二玉(51) *関西在住の鹿野は今朝の新幹線で東京入りした。1dayトーナメントでは準優勝が最高。優勝者に名前を連ねたい。 9 7八玉(68) *対局場は本局と、同じ1回戦の中井広恵天河−中倉彰子初段戦の2局が並んで行われている。スポンサーの「テラスデザイン」の取材カメラが入り、対局者の真剣な表情を撮っている。 10 7二銀(71) 11 5八金(49) 12 7一玉(62) 13 5六歩(57) 14 9四歩(93) 15 9六歩(97) 16 3二銀(31) 17 8六歩(87) *渡部は天守閣美濃を目指す。4八銀の態度を保留して▲3七銀の含みを残している。 18 4三銀(32) *渡部はハンカチを口もとにあて、鹿野は扇子を手にして考えている。 19 8七玉(78) *ここが定位置。 20 4五歩(44) *少考でドカンと△4五歩。早くも戦いを挑んだ。 *ここまでの消費時間は渡部3分、鹿野5分。 21 2二角成(88) 22 同 飛(42) 23 7八銀(79) 24 3三桂(21) *軽い陣立て。鹿野は指し慣れているのだろう。気合がよい。 25 6六歩(67) *角のラインを消し、渡部は慎重な駒組み。 26 3二金(41) *玉との逆サイドに上がる。場合によっては△2四歩〜△2五歩〜△同歩〜△同飛の決戦を含んでいる。その変化で△5二金左は飛車打ちのスキが多い。 27 6七金(58) 28 2四歩(23) *じっと伸ばし、いつでも△2五歩が生じた。 29 5七銀(48) *離れ駒を消す。渡部は囲いの金銀の数を生かして玉頭に勢力を張る展開にしたい。 30 2一飛(22) *あわてて攻めず、タイミングをはかっている。 31 1六歩(17) 32 8二玉(71) *玉を入城して大きな一手。 33 1五歩(16) *端歩に2手。仕掛けを警戒し、形を崩さず待つということか。▲9八玉〜▲8七銀はその瞬間に仕掛けてくるだろうし、▲6八銀〜▲7七銀右は偏りすぎて、飛車や角の打ち込みが生じやすい。 *ここまでの消費時間は渡部13分、鹿野10分。 34 6四歩(63) *位負けしないように駒を進める。▲1六歩〜▲1五歩の2手よりも、△8二玉〜△6四歩の2手が働いている。 35 7七桂(89) 36 3五歩(34) *先手の駒の活用を押さえて大きく指す。△2五歩▲同歩△同桂▲2六歩△2四飛の展開の後、△3四飛と姿よく構える手も生じた。 37 4六歩(47) *渡部4筋から動いた。△4六同歩▲同銀なら直前の△3五歩を狙える。 38 3四銀(43) *やわらかく銀で受けた。 39 1四歩(15) *端歩を生かした攻めがあった。△1四同歩なら▲同香△同香に▲1二角の飛車銀両取りが狙いだろう。 40 同 歩(13) 41 同 香(19) *元気よく香を走った。戦いになれば玉形の差が出る。 42 2三銀(34) *鹿野はなんとかゆっくりとした流れに持ち込みたい。▲1一香成は△同飛が先手で後手よしだ。 43 1二歩打 *軽手で攻める。△1二同香▲同香成△同銀は後手の形が悪い。 44 1四銀(23) 45 1一歩成(12) 46 同 飛(21) *後手の1歩得。△2三銀〜△3四銀が回れば後手がよくなる。歩切れの渡部、どこに手を求めるか。 47 4五歩(46) *歩切れを補いつつ伸ばしていく。 *残り時間は渡部5分、鹿野18分。 48 2三銀(14) *離れていた銀を引きつけつつ飛車成りを見せる。 49 1七歩打 *取ったばかりの歩を謝る。1筋の攻防は後手不満がないところだろう。渡部は手にした香を好所に使いたい。 50 2五歩(24) *相手の飛車先を逆に突いていった。鹿野も強気。 51 同 歩(26) *歩切れでもあるし当然取る。 52 2七歩打 *ビシビシ攻める。▲2七同飛は△3八角▲2八飛△4九角成くらいだろうか。 *となりの中井−中倉彰戦は秒読みに入ったようだ。チェスクロックの音が響いている。 53 4八飛(28) 54 4七歩打 *2発目のたたき。▲同飛は△3八角が飛桂取り。 55 6八飛(48) *逃げるのは仕方がない。 56 3四銀(23) *玉から遠い駒を使って本筋の指し手。 57 4四歩(45) *取られそうな歩を伸ばす。△4一飛と使っていくところだろうか。 *渡部は30分の持ち時間を使い切り、1手30秒の秒読みに入った。鹿野は残り7分。 58 2五桂(33) *こちらへ跳ねた。しかし次に▲1七桂成は響きが薄い。 59 9八香打 *先手は駒が多い盤面左サイドで戦いにしたい。 60 1七桂(25) *不成で飛び込んだ。▲1八飛が気になるが。 61 同 桂(29) 62 同 飛成(11) *渡部はスッキリ清算した。取った桂は攻めに使う意図だろう。 *飛車は成らせたが、先手の桂香がきれいにさばけた。 63 9五歩(96) *端から手をつけた。 64 同 歩(94) 65 9三歩打 66 同 香(91) 67 8五桂(77) 68 9四香(93) 69 9五香(98) *9筋は先手の駒が多い。 70 同 香(94) 71 同 香(99) *やや首をかしげながらも香を走った。先手は厚みが生きる展開にしたい。 72 8四歩(83) *強気の受け。△8五歩が玉頭直撃で忙しい。 73 9四桂打 74 7一玉(82) 75 9三桂成(85) *取られそうな桂を活用した。△9三同桂なら▲8二角だが。 76 同 桂(81) 77 8二角打 78 6二玉(71) *手順に中央に逃げたのは大きい。金銀に近づいて数手前より広く堅くなったかもしれない。 79 9三角成(82) 80 8五歩(84) *急所。後手は食いつく形になれば持ち駒の桂香が生きる。 81 7七金(67) 82 8六歩(85) *鹿野も30分の持ち時間を使い切って両者30秒の秒読みとなった。 83 同 金(77) 84 7四桂打 *うるさい攻め。守りの金銀をはがすのは攻めの基本。 85 9六金(86) 86 8六歩打 87 7七玉(87) *苦しげによろける。大きなくさびが入った。 88 1九龍(17) *じっと龍を入った。すぐに厳しい手はなさそうだが。 89 7五歩(76) *攻め駒を責める催促。渡部はなんとか上部を開拓していきたい。 90 9八角打 91 7四歩(75) 92 7六香打 *厳しい攻めが続く。 93 8六玉(77) 94 7八香成(76) 95 7三歩成(74) 96 同 銀(72) 97 7八飛(68) *角に当てつつ後手玉に狙いをつけて勝負! 98 6九龍(19) *当然の踏み込み。 99 7三飛成(78) *▲9八飛では勝ちめがない。ズバッといった。 100 同 玉(62) 101 8二馬(93) 102 6二玉(73) *広い後手玉を捕らえられるか。 103 8五玉(86) *早逃げしないと△8八飛で詰んでしまう。 104 7八龍(69) 105 6三香打 *首をかしげながら香を放り込む。 106 同 玉(62) *後手玉は龍角がよく利いて広い。 107 5五桂打 108 5四玉(63) *上に逃げる方が安全と見た。 109 8四玉(85) *△7四金の詰めろを防いだ再度の早逃げだが。 110 7四飛打 *逃がす感触があるので打ちにくいところ。 111 9三玉(84) 112 7二金打 *物量で押され先手苦しい。 113 6三銀打 *あきらめずトライを目指す。 114 同 金(72) 115 同 桂成(55) 116 同 玉(54) 117 8五金(96) *打った飛車が攻められる展開。 118 7七飛成(74) 119 7四歩打 *2枚の龍の利きを一気に止めた。 120 7二歩打 *流れがおかしい。後手玉も安全とはいえない。 121 5五金打 122 5二玉(63) 123 4六香打 *迷った手つきで香。4三は角も利いていて堅い。△5七龍で寄せきれるかどうか。 124 7六角成(98) 125 8四金(85) 126 8八龍(78) 127 8五歩打 128 7五馬(76) 129 9二玉(93) *△8五龍とされると金が助からない。深く潜ってかなり頑張れる形。 130 7一銀打 131 6四馬(82) *勝負!と馬を引いた。△8四馬▲同歩△同龍もあるので怖いところ。 132 同 馬(75) 133 同 金(55) 134 5七龍(77) *ここで銀を取った。少ない駒で食いつけるか。 135 4三歩成(44) 136 同 銀(34) 137 4四桂打 138 同 銀(43) 139 同 香(46) *4筋に歩が利かないのが先手の頼みの綱。4七と2七の2枚の歩は後手にとってマイナスになっている。 140 4三香打 *「はー」と渡部は小さくため息をついた。 141 6三角打 142 4二玉(52) 143 4三香成(44) 144 同 金(32) 145 4四歩打 *うるさい攻めが続く。 146 同 金(43) *時刻は13時半を過ぎた。 147 4五香打 148 6六龍(57) 149 4四香(45) 150 3三玉(42) 151 4五角成(63) *▲2三金の詰めろ。後手玉についに詰めろが掛かった。 152 3四銀打 *金銀2枚でうまい寄せがあるか。▲4三香成だろうか。 153 2二銀打 154 2四玉(33) 155 1三銀(22) *猛追。△1三同玉は▲3四馬で受けが難しい。 156 2五玉(24) 157 2七馬(45) 158 2一香打 *自玉の背後から際どく受ける。 159 2六歩打 160 1四玉(25) *▲1六馬と出てどうか。 161 1二銀成(13) 162 6四龍(66) 163 2一成銀(12) *後手玉は再びかなり広くなった。 164 4四龍(64) 165 2五香打 166 2四歩打 167 1五歩打 168 2三玉(14) *▲1四金から〜▲2四金と押していけば香は助かるが、先手の攻めは細い。 169 2四香(25) 170 同 玉(23) 171 4五歩打 172 4二龍(44) 173 3六歩(37) *渡部の弾薬が尽きてきた格好だ。 174 7三歩(72) *歩を突いて王手。ここで渡部が「負けました」と投了を告げた。金合い以外は詰みだが、それでは絶望。 *174手の大熱戦。鹿野がからくも逃げ切った。 175 投了 まで174手で後手の勝ち