# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2010/06/20 14:15 終了日時:2010/06/20 15:55 棋戦:第36回NIS×TefuCUP準決勝 持ち時間:0時間15分 消費時間:234▲15△15 場所:アーキテクトカフェ汐留 手合割:平手   先手:中倉宏美二段 後手:石橋幸緒四段 手数----指手-- *第36回1dayトーナメント「NIS×TefuCUP」準決勝第2局石橋幸緒天河−中倉宏美二段戦。持ち時間は各15分、使い切ると、1手30秒以内の秒読み。対局開始は14時15分の予定。振り駒で中倉の先手となった。解説は佐藤天彦五段。 * *(棋譜・コメント入力=桜木) 1 7六歩(77) *「お願いします」の後、中倉は静かに角道を開けた。 2 8四歩(83) *石橋は力強い駒音で飛車先を突く。 3 7八飛(28) *中倉はいつもどおりの三間飛車。 *「中倉さんは私の師匠(中田功七段)のコーヤン流三間飛車をよく使っているんですよね」と佐藤五段。 4 8五歩(84) *石橋は船戸陽子二段、中倉は渡部愛TJPをそれぞれ降しての進出。 5 7七角(88) *中倉宏美(なかくら・ひろみ)二段は1979年1月26日生まれ。東京都府中市出身。 LPSA番号12。4歳で姉の中倉彰子女流初段とともに将棋を覚える。居飛車の攻め将棋から転身、ここ数年は三間飛車が得意戦法。女流王位戦リーグ入り6回。鹿島杯女流将棋トーナメントで2度ベスト4。大型二輪免許を持ち、愛車「ハーレーダビットソン」で将棋普及するのが夢。 座右の銘は「青雲の志」。 *趣味はゴルフ、カクテル作り。LPSAでは企画営業を担当するアラサーポジティブガール。1dayトーナメントは優勝1回、準優勝1回。 6 6二銀(71) *石橋幸緒(いしばし・さちお)天河は1980年11月25日生まれ。東京都小金井市出身。 *5月にLPSA代表理事に就任、先頭に立って運営にあたることになった。93年10月、女流2級。19歳で初タイトルの女流王将を獲得。2004年9月、女流四段。10年3月、第2期天河戦で天河を奪取。 *養護学校に通っていた経験を活かし、教室や大会などでハンデを持つ方への普及を積極的につとめている。 *書道は師範格で「開雲」の号を持つ。座右の銘は「万物生きてこそ光り輝く」。趣味は野球観戦(ベースボールエキスパート1級)と競技麻雀。 7 6六歩(67) 8 5四歩(53) *「石橋さんは角道を開けない飯島流(栄治六段)の作戦ですね」と佐藤五段。 9 6八銀(79) 10 1四歩(13) 11 1六歩(17) 12 3二銀(31) 13 4八玉(59) 14 3一角(22) *振り飛車に対して角道を開けずに引き角。これが升田幸三賞を受賞した「飯島流引き角戦法」。以下は△5三角〜△4二玉〜△3一玉と囲っていく。 15 3八玉(48) *少考で▲3八玉。8筋は受ける必要がないという主張。 16 5三角(31) 17 6七銀(68) 18 4二玉(51) 19 6八角(77) *角を引いて△7五歩から石田流への組み替えを目指す。 *ここで△8六歩▲同歩△同角は(1)▲8八飛なら△6八角成▲8二飛成△6九馬で成功だが(2)▲8六同角△同飛▲7五角の王手飛車がある。 20 3一玉(42) 21 7五歩(76) 22 2二玉(31) 23 5六歩(57) 24 6四歩(63) 25 2八玉(38) 26 6三銀(62) *銀を上がって柔らかく7筋を受ける。 27 3八銀(39) *「まったりしたコクのある将棋になりそうですね」と佐藤五段。 28 5二金(61) 29 7六飛(78) 30 9四歩(93) 31 9六歩(97) *消費時間は中倉10分、石橋3分。 *大盤解説の聞き手は渡部愛TJPに交替。 32 7二飛(82) *7筋からの逆襲を見せる。 33 7八飛(76) 34 7四歩(73) *ノータイムでビシッと突き上げた。 35 7六銀(67) *銀を進出。 36 7五歩(74) 37 同 銀(76) 38 7四歩打 39 7三歩打 40 同 飛(72) 41 8四銀(75) 42 7一飛(73) *「銀がひとりぼっちですが」と佐藤五段。 43 8三銀成(84) 44 4四角(53) *石橋は8筋の成銀を相手にせず、中央から動きたい。 45 5七角(68) 46 6五歩(64) *後手が自然に戦機をつかんだ。 47 4六角(57) *中倉は15分の持ち時間を使い切り、30秒の秒読みに入った。 *石橋は9分を残している。 48 6六歩(65) 49 9一角成(46) 50 6七歩成(66) 51 9八飛(78) *先手の香得対後手のと金。 *「形勢はいい勝負で難しいと思います。しかし8三の成銀が使いにくいかな」と佐藤五段。 *石橋の手が止まっている。中倉が扇子を口もとに当てて考えている。姉の中倉彰子初段の扇子だった。 52 4二金(52) 53 8二馬(91) 54 5一飛(71) 55 6五香打 56 8六歩(85) *銀を受けずに歩。△8七歩成▲4八飛△5七とと進めば飛車の行き場がない。 *「ここで! 過激ですねえ」(佐藤天五段) 57 同 歩(87) 58 6四歩打 59 同 香(65) 60 同 銀(63) 61 同 馬(82) *銀香を換えて先手の銀得になった。 62 8八歩打 *少しずつ回収を図る。 *「先手も▲6三歩や▲7二成銀の楽しみがあります。いい勝負ですね」(佐藤天五段) 63 6三歩打 *「△8八歩に▲9七飛とやりたいが、△8九歩成▲6七飛△6六香があるんですよね」(佐藤天五段)。 64 8九歩成(88) 65 7二成銀(83) 66 5三角(44) *ぶつける。▲同馬△同飛は飛車が楽になる。 67 4六馬(64) *交換は大損。当然かわす。 68 4四香打 69 3六馬(46) 70 9九と(89) 71 9七飛(98) 72 3四香打 73 2五馬(36) *空中へ。▲2六馬は△4七香成の筋(馬取り)を警戒したか。 *▲6二歩成が残って石橋は忙しい。 74 5二飛(51) *一回成銀に当てる。重いが▲6一銀だろうか。 *「ちょっと苦しい手ですけど。▲6二歩成△同角に▲6七飛ですかね。△8四角と逃げられますけど▲6一飛成が大きい」(佐藤天五段)。 75 6二歩成(63) 76 同 角(53) 77 6七飛(97) 78 8四角(62) 79 6一飛成(67) 80 5七桂打 81 5九金(69) 82 4九桂成(57) 83 同 金(59) *一段落して駒割りを見ると、後手が香得になっている。 84 5一飛(52) *桂を取らせないぶつけ。 85 6四龍(61) *「もしかしたら、彼(金)を3五に打つのかな」(佐藤天五段)。 86 5七角成(84) *石橋も持ち時間を使い切り、両者30秒の秒読みとなった。 87 4八銀打 88 2四馬(57) *「やー」と声を発した後、石橋は馬をぶつける。 89 同 馬(25) 90 同 歩(23) *「後手は馬を先手の龍と交換して、先手の馬は△3五金と交換したいところでもありました」(佐藤天五段)。 91 6三歩打 *着実な攻めを目指す。 *「先手はかなり安全なので、急いでいく必要はないです」(佐藤天五段)。 92 6一歩打 93 6二歩成(63) 94 同 歩(61) 95 同 成銀(72) 96 5三飛(51) *「すぐ詰む将棋ではないですね」(佐藤天五段)。 97 6三成銀(62) 98 5一飛(53) *「先手は桂を盤上に打たないほうがいいですね」(佐藤天五段)。 99 6二成銀(63) 100 5三飛(51) 101 6三成銀(62) 102 5一飛(53) *千日手模様の繰り返し。 *「あれれ、まじですか?」(佐藤天五段)。 * *「大人は△5一飛に▲7三歩ですけどね」(佐藤天五段)。「子どもはどの手ですか?(笑)」(渡部TJP) 103 8四角打 *角打ちで打開。 * 「▲8四角も大人か。直接的な手は良くないのですが、このようにフワッとした手がいいです(笑)」(佐藤天五段)。 *「▲8四角で子どもの手は▲5三桂です。以下△同金▲同成銀に△9一角とされて△3六桂を狙われてしまいます」(佐藤天五段) * 104 9七角打 105 7四龍(64) 106 8六角成(97) *「△8六角成は、ええ手や、って感じですね」(佐藤天五段)。 107 5一角成(84) 108 同 金(41) 109 7一龍(74) 110 6一歩打 111 8一龍(71) 112 9六馬(86) 113 7四歩打 *「▲7四歩△同馬に▲7二龍ですか。これは筋の良い指し方でしたね」(佐藤天五段)。 114 同 馬(96) 115 6四歩打 *「私の経験則では、相手陣に飛車が2枚ある状況は相当勝ちやすい。先手の勝率が上がりましたね」(佐藤天五段)。 116 4一金(51) *じっと離れ駒をなくす。石橋からの攻めが遠いのでしばらく辛抱が必要。 117 8二龍(81) 118 6二歩(61) *「△6二歩では△7五馬として、△9三角を見せるのかなと思いました」(佐藤天五段)。 119 7二飛打 120 8三金打 *自陣に金。高い駒音だった。 *「は〜。これは混乱しますね」(佐藤天五段) * 121 7一龍(82) *※▲7四飛成△8二金▲6二成銀だったか。その展開は8二金が働かない。 122 6三歩(62) 123 5三桂打 124 3一金(41) *「先手はモタモタしていると、△8四馬から△9三角をやられます。▲2三桂のつもりですかね」(佐藤天五段)。 125 2三桂打 *放り込んだ。△2三同玉は▲3一龍。△同銀は▲4一桂成がある。 126 同 銀(32) *「しかし▲4一桂成に△6四馬から△3六桂を狙う勝負手も見えますね」(佐藤天五段) 127 3一龍(71) *先に切った。 *「棋風が鋭いですね」(佐藤天五段) 128 同 玉(22) 129 4一金打 130 2二玉(31) 131 4二金(41) *次に▲7四飛成と取れば、▲3一角△1二玉▲2二金△1三玉▲2一金△1二玉▲2二角成で詰む。 *「▲4二金で▲4二龍は△1三玉で、▲2二金は詰めろにならないですね」(佐藤天五段)。 132 6四馬(74) *質駒の馬をかわしつつ、△3六桂の一撃を狙う。 133 4三金(42) 134 1三玉(22) *小部屋に逃げる。斜め駒を渡さない限り王手がない。 135 5五歩(56) 136 同 馬(64) 137 4六歩(47) 138 同 香(44) 139 2二金打 *馬筋が止まった瞬間に迫る。 *▲2三金△同玉▲3二龍以下の詰めろ。 140 3七香成(34) *上部への脱出路を開ける捨て駒。 141 同 銀(38) *「3四が空いたので、△4八香成とやるんでしょうね」(佐藤天五段)。 142 4八香成(46) *開き直った。▲4八同金は△3六桂で詰み形。 143 2三金(22) 144 同 玉(13) 145 3二飛成(72) *「△3四玉に▲3六香△4五玉▲4八金とするんでしょうね」(佐藤天五段)。 146 3四玉(23) 147 3六香打 *王手王手で△3六桂を消す。 148 4五玉(34) *5六へのルートが開けている。 *「後手は斜めのライン(4五〜5六)が空いています。▲4六銀打には△5六玉とかわします」(佐藤天五段)。 149 4八金(49) 150 5九飛打 *後手玉は安全と見て、着実に迫る。次に△3九角で詰む。 151 4九香打 *一発を狙う香。 *「▲4九香には△5六玉でしょう」(佐藤天五段)。 152 4七歩打 *※「△5六玉には▲6八銀が気になって」と石橋。そこで飛車を逃げておけば後手は広く、残していた。 153 同 金(48) *▲4六銀打からの詰めろ。△4九飛成は利かない。 154 5八飛成(59) 155 3八歩打 *歩を打った中倉の手が泳いだ。 *「△5八飛成に▲3八歩。これも結構大変ですよ」(佐藤天五段)。 156 3九銀打 *「はー」とため息をつきながら銀を放り込む。 157 同 玉(28) 158 6六馬(55) 159 5七銀打 *先手を取る。△5七同馬は▲同金が逆王手になる。 *「△5五玉とするのかな。でも逆転しましたね」(佐藤天五段)。 160 4九龍(58) 161 同 玉(39) *「詰みがないと後手負けでしょう」(佐藤天五段)。 162 5八銀打 *「△5八銀に▲同玉は△7六角▲4八玉△4九金でトン死です」(佐藤天五段)。 163 3九玉(49) 164 5七馬(66) 165 同 金(47) 166 4九金打 *「▲2八玉△3九角から5七金を取ることを考えているのでしょう。なかなか終わらないですね」(佐藤天五段)。 167 2八玉(39) 168 3九角打 169 1八玉(28) * 「すごい熱戦ですね」(渡部TJP)。 170 1七香打 *香の犠打で、玉を狭くしておく。 171 同 桂(29) 172 5七角成(39) *金をはずしてもうひと頑張りできるか。 * 「△5七角成に▲7二龍が『約詰めろ』です」(佐藤天五段)。 173 4六銀打 174 同 馬(57) 175 4四飛打 *馬を抜きにきた。先手玉は詰めろでないので、△5六玉、△5五玉どちらもありそうだ。 176 5五玉(45) *「△5六玉は▲4六飛△6七玉▲7二龍で、後手は入玉はできますけど、大駒がありませんからね」(佐藤天五段)。 177 4六飛(44) * 「先手玉は△2九銀とされても詰まないです」(佐藤天五段)。 178 4七銀打 179 7七角打 180 6五玉(55) 181 7二龍(32) *▲6六飛△5五玉▲7五龍の詰めろ。先手玉はまだ詰まない。 *中倉が逆転したようだ。 182 7三金打 *執念の受け。「まちがえろ!」という声が聞こえてきそうだ。 183 8七角打 184 7六歩打 185 同 飛(46) 186 7五銀打 *大駒がたくさん当たっている。中倉、押し切れるか。 * * 187 4六飛(76) * 「▲6六飛かと思いました。相当辛い勝ち方です」(佐藤天五段)。 * *※▲6六飛△7四玉▲6五角、あるいは▲7五同飛△同玉▲7六銀で寄っていたようだ。 188 7六歩打 *「△7六歩は龍取りですし、相当焦りますよ」(佐藤天五段) 189 6二龍(72) 190 7四玉(65) *7筋に新しい城が構築できた。 *「ん? これは、まだまだ指す気ですよ。長い」(佐藤天五段)。 191 6八角(77) 192 3八銀成(47) 193 2八銀(37) 194 6七銀成(58) 195 7九角(68) 196 9五歩(94) 197 3九歩打 198 同 金(49) 199 同 銀(28) 200 同 成銀(38) *△2九銀▲2八玉△3八成銀までの詰めろ。 *手数は200手を超えた。 201 2八玉(18) *「これは怪しいですね。(立って解説しているので)ちょっと腰が痛くなってきました(笑)」(佐藤天五段)。 202 8九と(99) * 「ついに、このと金が。ひえー」(佐藤天五段)。 203 9七角(79) 204 8六歩打 205 4五飛(46) *「軽い棋風が出ましたね。△8七歩成は▲7五飛です」(佐藤天五段)。 206 5五桂打 207 9二龍(62) *「あ、お、はー。彼(8七角)はあきらめましたね」(佐藤天五段)。 208 8七歩成(86) * 209 7五角(97) *後手玉は6六〜7七のルートが抜けている。 210 同 玉(74) 211 9五龍(92) 212 8五歩打 213 5六銀打 *「▲5六銀は▲6五金までの詰めろですが、△7四角で大変です」(佐藤天五段)。 214 6六玉(75) *後手の成り駒が厚い。 215 6七銀(56) 216 同 玉(66) 217 8五龍(95) *「後手は詰ましに行くか、△7四角で保険をかけるか」(佐藤天五段)。 218 3八成銀(39) 219 同 玉(28) 220 5六角打 *王手飛車。 221 2八玉(38) 222 3九銀打 *王手で追撃。 223 同 玉(28) 224 3八銀打 225 2八玉(39) 226 3九角打 227 3七玉(28) 228 4七銀成(38) *▲2六玉なら詰まないので、そこで△4五角と取るのだろう。 229 同 飛(45) 230 同 角成(56) 231 2六玉(37) 232 4八角成(39) *これは詰み筋に入ったようだ。 233 3五玉(26) 234 3四飛打 *ここで中倉が小さく頭を下げ、投了を告げた。234手の大熱戦。投了以下は▲4五玉に△5六馬まで。 *「は〜」とため息をつく中倉に、石橋は負けの手順を2〜3示した。その後両者は大盤に移動した。 *「いろいろ申し訳ありません。将棋も悪かったですし、時間が押しているのも気になって」と石橋は会場を笑わせた。中倉は「流れが…。勝ったと思ったのがいけませんでした」としょんぼり。 235 投了 まで234手で後手の勝ち