# --- Kifu for Windows (Pro) V6.32 棋譜ファイル --- 開始日時:2010/10/11 15:08 終了日時:2010/10/11 16:12 棋戦:第39回ファンクラブカップ決勝 持ち時間:0時間15分 消費時間:107▲15△15 場所:新宿文化センター 手合割:平手   先手:石橋幸緒天河 後手:中井広恵六段 手数----指手-- *本局は第39回1dayトーナメントファンクラブカップ決勝石橋幸緒天河−中井広恵六段戦。持ち時間は各15分、使い切ると、1手40秒以内の秒読み。振り駒の結果、石橋天河の先手に決まった。両者、大橋流で並べていく。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) 1 7六歩(77) *対局が開始されて40秒ほどしてから角道を開けた。 2 8四歩(83) *中井六段も40秒ほど使ってから角道を開けた。 3 5六歩(57) *中飛車模様の出だし。中飛車は久保利明二冠や戸辺誠六段の得意戦法としてしられる。 4 5四歩(53) *中井広恵(なかい・ひろえ)六段は1969年6月24日生まれ。北海道稚内市出身。LPSA番号は7。 *81年4月、女流2級。当時11歳10ヶ月のデビューは、当時の史上最年少記録。86年、第12期女流名人位戦で初タイトル獲得。93年、第7期竜王戦で男性棋士から公式戦初勝利を挙げる。タイトル獲得は計19期。棋戦優勝は計9回。86年、稚内市民栄誉賞。2008年、第3回さいたま輝き荻野吟子賞(個人)。 *LPSA設立から09年まで日本女子プロ将棋協会代表理事を務める。現在はLPSAのエグゼクティブアドバイザーとして運営にも携わっている。 *居飛車党で攻守にバランスのとれた棋風、得意戦法は矢倉。 5 7七角(88) *石橋幸緒(いしばし・さちお)天河は1980年11月25日生まれ。東京都小金井市出身。LPSA番号は10。 *今年、5月にLPSA代表理事に就任、先頭に立って運営にあたる。93年10月、女流2級。19歳で初タイトルの女流王将を獲得。2004年9月、女流四段。 *養護学校に通っていた経験を活かし、教室や大会などでハンデを持つ方への普及を積極的につとめている。 *書道は師範格で「開雲」の号を持つ。座右の銘は「万物生きてこそ光り輝く」。 *オールラウンドプレーヤーで何でも指しこなす。 6 6二銀(71) *1dayトーナメントで、両者による決勝戦は6回目。これまでに第7回ファンクラブカップ、第11回柳月カップ、第24回ファンクラブカップ、第31回フランボワーズカップ、第32回Bin's Gate Cupの決勝で顔を合わせている。 *結果はすべて中井六段が勝っている。ここまで差が離れているのは意外だ。石橋天河は1つずつ巻き返していくしかない。 *なお、今年2月に行われた第2期天河戦では石橋天河が、9月に行われた第4回日レスインビテーションカップは中井六段が制した。 7 8八飛(28) *前手▲7七角で▲5八飛なら中飛車に進むところ。▲7七角は向かい飛車狙いだった。 8 3四歩(33) *大盤解説を蛸島彰子五段と島井咲緒里初段が務めている。 *「飯島流だと思いましたが、普通になりましたね」と蛸島五段。 *△3四歩で角道を開けずに△3二銀〜△3一角と美濃囲いに構えるのが「飯島流引き角戦法」と呼ばれる手法。飯島栄治六段が得意にしており、升田幸三賞を受賞している。 9 6八銀(79) *石橋天河は1dayトーナメントで6回優勝。中井六段に次いで、2位の記録だ。 10 4二玉(51) 11 4八玉(59) 12 3二玉(42) 13 3八玉(48) *角が向かい合ったまま駒組みが進む。 14 5三銀(62) 15 2八玉(38) 16 1四歩(13) 17 1六歩(17) 18 4二銀(31) *消費時間は石橋4分、中井7分。中井六段は慎重に指し手を考えている。 19 3八銀(39) *石橋天河は美濃囲い。 20 4四歩(43) *中井六段は左美濃や位取りが得意。△4二銀上〜△4四歩は中井六段らしい駒組み。 21 4六歩(47) *4筋の位は攻防に大きい。ここは譲れない。 22 3五歩(34) *次に▲3六歩とされては、後手作戦失敗。3筋の位を取る。 23 5七銀(68) *石橋天河は角道を止めていないことを生かして、積極的に指し進めたい。 24 4三銀(42) 25 5八金(69) 26 5二金(61) 27 4七金(58) 28 3四銀(43) *「最近、位取りは珍しくなりましたね」と蛸島五段。 *「後手は△3三角から深く囲うのでしょうかね」と島井初段。 *△3四銀は「位を取ったら、位の確保」に基づいた一着で、▲3六歩△同歩▲同金に△3五歩を用意している。 29 5五歩(56) *△3四銀で薄くなった瞬間を狙う。△同歩▲同角から▲5六銀が実現すれば先手十分だ。 *それは許さんと△5五同歩▲同角△5四銀▲7七角△6五銀なら戦いになる。 30 同 歩(54) 31 同 角(77) *本局は公開対局。多くの観戦者が静かに進行を見守っている。 32 5四銀(53) *強く踏み込む。 33 7七角(55) 34 6五銀(54) 35 5六銀(57) *中井六段はテーブルに置いていた扇子を手に持って考えている。 *早くも読みがぶつかった勝負どころだ。 36 7六銀(65) *中井六段としては、あまり局面を激しくしすぎると、陣形差で不利となってしまう。 *距離をとって、少しずつポイントを稼ぎたい。 37 6六角(77) 38 4三金(52) *石橋天河は▲4五歩や▲5五銀を狙っていた。中井六段は先に△4三金と上がって陣形を整備する。 *大盤解説では▲4五歩△同歩▲2二角成△同玉▲4四歩△同金▲7一角の筋が示されている。 *石橋天河が前傾姿勢になった。5分以上考えている。先手陣はまとまっているが、後手陣はまだバラバラ。今がチャンスといえる。 *残り時間は石橋3分、中井1分。 39 7八飛(88) *△8七銀成に▲7五飛とさばくつもり。7五飛は▲4五歩△同歩▲同銀を狙ってまずまずの位置だ。 *ここで中井六段が秒読みに入った。 40 8七銀(76) *「銀は不成で使え」の格言通りの一着。 41 7九飛(78) *▲8八歩を狙う。 42 8五歩(84) 43 7四歩打 *大盤解説は松尾香織初段と多田佳子四段に変わった。 *「ビシッといい音がしましたね」と松尾初段。 * *※「▲7四歩が入って、王手飛車のラインができたのは大きかった」と石橋天河。 44 同 歩(73) 45 4五歩(46) 46 7二飛(82) *△同歩は▲2二角成△同玉▲5五角の王手飛車があった。 *ここで石橋天河も秒読みに入った。▲4四歩から攻めがつながるかどうか。 47 4四歩(45) 48 同 金(43) *中井六段は局面を落ち着かせたい。 *現状は8七銀の遊びがつらそう。 49 4五歩打 50 4三金(44) 51 2二角成(66) 52 同 玉(32) 53 5五角打 54 3三金(43) *石橋天河が何度もうなずく。 55 9一角成(55) *8七銀が3二にいれば、後手もまずまずだろうが…。 56 5二飛(72) 57 4六馬(91) *▲8一馬は△4六歩▲同金△5七角があった。「馬は自陣に引け」だ。 58 5五歩打 *※△7三角が有力だった。「これを逃してから一方的になった」と中井六段。「馬になった瞬間に合わせられるのはショックですよね」と石橋天河。 59 同 銀(56) 60 8八角打 *大盤解説は中倉宏美女流二段と渡部愛ツアー女子プロに変わった。「私、あまり師匠の将棋を解説しにくいんですよ(苦笑)」と渡部ツアー女子プロ。 61 5三歩打 62 同 飛(52) 63 5六香打 *▲4四銀を狙う。中井六段は座り直す。 *△4三飛には▲7四飛で先手がいい。 64 7九角成(88) 65 同 馬(46) 66 4三飛(53) 67 4四銀(55) *石橋天河の手がしなった。△同金▲同歩△同飛なら▲6六角が王手飛車になる。 68 4八歩打 *鋭い反撃。 69 4三銀成(44) *7九馬が強く、先手陣にスキがない。 70 同 銀(34) 71 4八金(47) *角香と銀の交換+陣形の堅さで先手優勢といえる。 72 1五歩(14) *先手陣の唯一の弱点。 73 8二飛打 74 3二金(41) 75 5三香成(56) *自然な攻めが続く。 76 1六歩(15) 77 1三歩打 *△同香なら▲3五馬が攻防になる。 78 5二歩打 79 4三成香(53) 80 同 金(33) 81 3五馬(79) *やはり、この手が攻防。 82 1三香(11) 83 8一飛成(82) *△1七銀は▲3九玉でなんでもない。△1七歩成も、先手の駒が多い。 84 1一香打 *戦力を1筋に集める。 85 1五歩打 *▲1八歩も考えられた。 86 同 香(13) 87 2六銀打 *「手堅いですね。絶対負けません、という」と中倉二段。 *中井六段が頭に手を当てた。 88 2四銀打 89 3四桂打 90 同 金(43) 91 同 馬(35) *「私的には石橋さんに調子を取り戻されると困るんですよね(苦笑)。マイナビで当たるんで」と中倉二段。会場は爆笑。 *しかし、両対局者はまったく気にせず、厳しい表情で考えている。 92 3三歩打 93 5二馬(34) *▲4二金や▲5三馬が厳しい。 94 3四桂打 95 1五銀(26) *3四桂からかわしながら香を取り外す。 96 同 銀(24) 97 4三馬(52) *決めに出た。△同金は▲3一角△1二玉▲1三歩△同桂▲2二金まで。 98 3一飛打 *必死の粘りだが。 99 3二馬(43) 100 同 飛(31) 101 4二金打 *「金なし将棋に受け手なし」。△3一銀は▲同金△同玉▲5四角が厳しい。 102 同 飛(32) 103 3一角打 104 3二玉(22) 105 4二角成(31) 106 同 玉(32) 107 4一飛打 *ここで中井六段の投了となった。以下は△5三玉▲4四飛成△6二玉▲7二金△5二玉▲5三香までの詰み。終局時刻は16時12分。消費時間はともに15分(チェスクロック使用)。石橋天河が機敏な動きからリードし、1dayトーナメント7回目の優勝を果たした。 108 投了 まで107手で先手の勝ち