# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2011/12/25 14:45 終了日時:2011/12/25 16:05 棋戦:第46回1dayトーナメント・フランボワーズカップ準決勝 持ち時間:0時間15分 消費時間:208▲15△15 場所:文京シビックホール 手合割:平手   先手:石橋幸緒 後手:船戸陽子 手数----指手-- *第46回1dayトーナメント・フランボワーズカップ準決勝より、▲石橋幸緒四段−△船戸陽子二段戦をお送りする。 *12月25日(日)14時45分、文京シビックセンター26階スカイホールで対局開始。 *持ち時間は15分(チェスクロック使用)。使い切ると1手30秒の秒読みに入る。 *(棋譜・コメント入力=牛蒡) 1 7六歩(77) *本局のすぐ隣では大盤解説が行われている。 *解説は竹中健一さんと中井広恵女流六段。竹中さんは1988年のアマチュア名人戦で優勝経験もあるアマ強豪。 * *「両者とも居飛車も振り飛車も指しますから」(中井六段) *「力戦形になりそうですね。2手目に注目です」(竹中さん) 2 5四歩(53) *△3四歩に先んじて△5四歩。ゴキゲン中飛車を思わせるが。 *「まだどうなるか分かりません」(竹中さん) *「ゴキゲン中飛車系の出だしですが、相居飛車にする可能性も残っています」(中井六段) 3 9六歩(97) 4 1四歩(13) *意表の一手。様子見の意味もあるだろうか。 *この手を見て石橋は少し笑みを浮かべた。 5 2六歩(27) *石橋幸緒(いしばし・さちお)四段は1980年11月25日生まれ。東京都小金井市出身。 *LPSA番号は10。LPSA代表理事。1993年10月、女流2級。19歳で初タイトルの女流王将を獲得。2004年9月、女流四段。タイトル獲得は計3期(女流王位2、女流王将1)棋戦優勝。は計5回(レディースオープントーナメント3、鹿島杯2)。 *書道は師範格で「開雲」の号を持つ。座右の銘は「万物生きてこそ光り輝く」。 *オールラウンドプレーヤーで何でも指しこなす。 6 5二飛(82) *船戸陽子(ふなとようこ)二段は1974年4月23日生まれ。東京都渋谷区出身。 *LPSA番号は18。1988年3月、女流3級。2000年4月、女流二段。 *2008年7月にLPSAに入会。翌8月1dayトーナメント「マンデーカップ」で優勝するなど活躍を見せている。教室「マンデーレッスン」の講師を第1期から務める。 *ワインに精通しており日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を持つ。 *居飛車・振飛車何でも指しこなす早見えの攻め将棋。 7 2五歩(26) *「端に角を出ることもあるのでしょうか」(中井六段) *「いや、あるかもしれませんよ」(竹中さん) 8 1三角(22) *「互いに端歩が生きるようにしたいですね。船戸さんは△1三角で顔を立てました」(中井六段) 9 4八銀(39) *1dayトーナメントの優勝回数は石橋7回・船戸4回。2009年6月14日のとちのきカップでは決勝で対戦して石橋が勝っている。 * *【第25回1dayトーナメント・とちのきカップ】 *http://lpsa.sakura.ne.jp/kifu/0906_1day_3-1.html 10 5五歩(54) *石橋は1回戦で中井広恵天河と対戦。相矢倉の力戦形で石橋が攻め込まれる形になったが、強靱な受けで勝利を収めた。 * *【1回戦・中井広恵天河戦】 *http://lpsa.sakura.ne.jp/kifu/1112_1day_1-1.html 11 6八銀(79) *【開会式での石橋のあいさつ】 *「午後に体調を整えるようにしていたのですが、いきなりLPSAのブエナビスタ(今日競馬の有馬記念に出走する人気の高い牝馬)と当たることになりました。初戦勝負で全力投球します。他のところを見ても全体の当たりが面白いと思います。午前で頂点に達してしまわないように午後も盛り上げていきたいです」 12 5六歩(55) *すぐに突っかける。5七の地点は飛車を角が利いている。 * *【開会式での船戸のあいさつ】 *「島井さんはこの間のファンクラブカップで優勝しています。私は最近優勝がないので頑張りたいです。応援よろしくお願いします」 13 5八金(49) *本局の読み上げは小林真理さんが担当する。小林さんは高校将棋新人大会優勝や高校選手権女子の部準優勝などの実績がある。現在はLPSAキッズスクールのアシスタントも務めている。 14 3二金(41) 15 1六歩(17) 16 4一玉(51) *左側へ。解説者の予想通り力戦形に進んでいる。 *「若々しい将棋ですね。面白いです」(中井六段) 17 5六歩(57) 18 同 飛(52) 19 6六歩(67) *石橋は金銀で自陣を盛り上げていく狙い。 20 5四飛(56) 21 5七銀(68) 22 6二銀(71) *「先手は▲5六歩から▲4六歩という感じでしょうか」(竹中さん) 23 5六歩打 *5六の地点を国境線に定めた。 24 4二銀(31) 25 4六歩(47) *「▲4六歩は1三角を相手にしない指し方です。角の利きが止まってしまいましたから」と竹中さん。 *「二人はごちゃごちゃした展開が強いですね(笑)」と中井六段 26 8四歩(83) 27 4七銀(48) 28 8五歩(84) *8筋をぐいぐいと伸ばしていく。 29 6七金(58) *金銀3枚で中央を押さえた。ここを後手が突破するのは苦労が多そうだ。 *「石橋さんは自由人ですからね。自由自在な指し回しですね」と中井六段。 30 9四歩(93) 31 6五歩(66) *「▲6六銀と出る雰囲気がありますね。それに先手だけたくさん指している感じがあります。後手は5筋の歩交換に手数がかかりましたから」と竹中さん。 *ここで船戸が長考している。 *「ここ数手が難しいところです」と中井六段。 32 5三銀(62) *ここまでの消費時間は▲石橋7分、△船戸12分。 33 5五歩(56) *「私との1回戦もじっくりした将棋で、ニュー石橋の将棋かもしれませんね」と中井六段。 *「後手の飛車は8四が定位置だと思います」と竹中さん。 34 3四飛(54) *△8四飛は▲6六角が気になったか。船戸は浮き飛車で頑張るつもりだ。しかし△4四歩から自陣を整備するのは飛車が狭くなって指しにくくなった。 35 5六銀(57) *ここで△6四歩は▲4五銀がある。 *「先手陣は飛車交換になるとバラバラでいけません」と中井六段。 *「これだと、戦わない石橋さんかもしれませんね」と竹中さん。 36 5一金(61) *後手は低い陣形で構えて堅い。問題は大駒がさばけるかどうか。 *「難しい将棋になりましたね」(中井六段) 37 4八玉(59) *「あっ、やっと玉が動きました。やはり『居玉は避けよ』の格言がありますからね」と中井六段。 38 2二角(13) 39 3六歩(37) 40 8四飛(34) 41 6六角(88) 42 8二飛(84) 43 7八金(69) *8筋の歩交換は許すが、石橋は中央の模様が大きいとみている。 44 8六歩(85) *船戸はここから30秒将棋に入った。 45 同 歩(87) 46 同 飛(82) 47 8七歩打 48 8二飛(86) 49 3七桂(29) 50 7四歩(73) 51 2四歩(25) *ノータイムで突き出した。いよいよ石橋が攻勢にでるか。 52 同 歩(23) 53 同 飛(28) 54 4四歩(43) *△2三歩は手順に▲2九飛と引かれて不満と見たか。 *「▲4五歩ですかね。でも…」と竹中さん。 *「玉が4八ですからねぇ」と中井六段。 55 5四歩(55) 56 2三歩打 57 2九飛(24) 58 5四銀(53) *「51手目▲2四歩以下の駆け引きは面白かったですね」(竹中さん) *「しかし駒がほぐれて、後手としてはありがたいと思っているかもしれませんね」(中井六段) 59 4四角(66) 60 7二飛(82) 61 5九飛(29) 62 5三歩打 *「一番嫌なところを止めてしまえば……ということですか。辛抱ですね」と竹中さん。 63 6六角(44) 64 3一玉(41) 65 5五歩打 66 4三銀(54) 67 4五歩(46) 68 3四歩(33) 69 7七桂(89) 70 5二飛(72) *「手の損得を見ると、先手がだいぶ手得しているでしょうね、。ただ、後手はさばけると陣形が生きてきそうです」と中井六段。 *「先手は流れ弾に当たりやすい陣形です」と竹中さん。 71 4六銀(47) 72 1三角(22) 73 4七玉(48) *「先手は流れ弾に当たりやすい陣形です」と竹中さん。 74 2四角(13) 75 5七金(67) *「玉形で堅さと広さのどちらを好むかで個性が出ますが、石橋さんは広さのタイプです。先手陣は天空城といった雰囲気ですね」と中井六段。 76 3三銀(42) 77 8四角(66) *ここから石橋は30秒将棋。 *「▲6九飛と回って攻める含みがありました」と竹中さん。 78 6二金(51) 79 6九飛(59) 80 5四歩(53) 81 同 歩(55) 82 同 銀(43) 83 5五歩打 84 4三銀(54) 85 6四歩(65) 86 同 歩(63) 87 同 飛(69) 88 6三歩打 *「打つしかないです」と竹中さん。 89 7四飛(64) *「引かずに横ですか。大丈夫ですか?」と中井六段。 90 7三歩打 *「△7三歩では△7三金▲同角成△同桂▲同飛成として、△6九角を狙う手もありましたか」と竹中さん。 91 7五角(84) *「これが王手で、次に▲8四飛と逃げられるようになりました」と竹中さん。 *「そうか、なるほどなるほど」と中井六段。 92 2二玉(31) 93 8四飛(74) *「先手が上手くやりましたね」と竹中さん。 94 7四歩(73) 95 6六角(75) *「石橋さんは技を狙う攻めが得意ですね」と中井六段。 96 7三桂(81) 97 8一飛成(84) *飛車を成り込んで先手優勢だろう。 98 4八歩打 *形を乱す手筋。 *「2枚落ちの手筋ですね」と中井六段。 99 同 玉(47) 100 6四歩(63) *後手は駒をぶつけていきたい。 101 2五桂(37) 102 6五桂(73) *「後手はこういうの(▲2五桂)は、ほっといた方がいいんですね」と竹中さん。 103 同 桂(77) 104 同 歩(64) 105 同 銀(56) 106 4四歩打 107 3五歩(36) *「少しずつほぐれてきた感はありますね」と中井六段。 108 4五歩(44) 109 同 銀(46) 110 3五角(24) *歩を払いつつ4四の地点に利かしている。 111 3六銀(45) 112 2六角(35) 113 4七玉(48) *石橋は金銀の周囲を泳いで後手の攻めをしのぐつもり。 *「やはりその位置が好きなんですね」と中井六段。 114 4四銀(33) *「後手が少し持ち直してきた感じがありますね」と中井六段と竹中さん。 115 6七金(78) *「怖いですけど、大丈夫ですか」と中井六段。 116 6一歩打 117 5六金(57) *「うーん」と小さく声を出しつつ金を押し上げた。 118 5九角成(26) 119 4五歩打 *手堅いが自玉が狭くなった感もある。 120 6九馬(59) *「▲5七玉から逃げられるといいのですが、3六銀を取られてしまいます」と竹中さん。 121 5八桂打 *「形勢がかなりいいと思うと、安全に指そうと思って」と中井六段。 *「駒が前に伸びてこなくなりますよね」と竹中さん。 122 3五銀(44) 123 5四歩(55) *角筋を通して王手。先手はこの角を攻めの中心にしたい。 124 3三桂打 *「もう相当大変になっていますよ」と中井六段。 125 3五銀(36) 126 同 歩(34) 127 3四歩打 *「後手は△同銀から△4五銀とする筋がありますよ」と竹中さん。 128 同 銀(43) 129 3三桂成(25) 130 同 金(32) *「後手陣はまだまだ持ちこたえられる形です」と竹中さん。 *後手は入玉も視野に入れているだろうか。 131 2六桂打 132 3六銀打 *「▲5七玉△4五銀上▲同金△同銀に▲3四歩でどうでしょう」と竹中さん。 133 4六玉(47) *高い駒音で指された。会場の観客がどよめく。 134 4四歩打 *「冷静な一手ですか。先手も忙しいですよ」と竹中さん。 135 3四桂(26) 136 1三玉(22) 137 5五玉(46) *着手後に石橋は首を振った。 *「んっんー、これはすごい将棋になってきましたね」と中井六段。 138 5八馬(69) *「次に△7三金と上がられると△4三桂と△6三桂が同時には受からないですね。 139 5七金(56) *金2枚に殿(しんがり)を任せるが……。 *「△6三桂でこれは…あれれ、ん?」と中井六段と竹中さん。 140 4三桂打 141 6四玉(55) *後手は入玉さえ防げば勝ちになる。 142 6七馬(58) *▲同金は△6三金打の詰みがある。 143 7四銀(65) 144 6六馬(67) 145 同 金(57) *「後手玉は△2四玉から上が抜けているので攻めに専念できるんですよね」と竹中さん。 146 3七角打 147 7五玉(64) *「△6四金は▲8六玉なんでしょうね。玉を安全に」と竹中さん。 148 6四金打 149 8六玉(75) *29秒まで読まれて下がった。 150 7四金(64) *後手は先手の入玉を防いで十分。早い攻めは不要と見ている。 151 2五歩打 *「詰めろですが、取っておいて△2四玉から△3四玉のルートがあって大丈夫ですね」と竹中さん。 152 同 銀(36) 153 2二銀打 *下から追う攻めだが代わる手も難しかったか。 154 2四玉(13) 155 5三歩成(54) 156 6四角成(37) *王手でと金を抜く狙い。 157 7五銀打 158 5三馬(64) *「これは終わりませんねえ」と中井六段。 *「次に△8八銀があるので▲7七玉でしょうか」と竹中さん。 159 6四歩打 160 同 金(74) 161 8三龍(81) *「これは先手も頑張る気になります。石橋さんはもう1局分くらい頑張りますよ」と中井六段。 162 6三桂打 *「△7三桂もあったと思います。次に8五に駒を打てます」と竹中さん。 163 6五歩打 *「ごちゃごちゃしてきましたね」と竹中さん。 *「こういうの得意ですからね」と中井六段。 164 7五金(64) 165 同 歩(76) *「石橋さん、やる気まんまんです。表情も手つきも」と中井六段。 166 5七銀打 167 7六金(66) 168 6七銀打 *▲8五金は自玉の逃げ道がなくなってしまう。 169 6四金打 *「しかし、これはあやしいんじゃないですか」と中井六段。 170 7六銀成(67) 171 同 玉(86) 172 6四馬(53) 173 同 歩(65) 174 5六飛(52) 175 8五玉(76) *△9三金か△7三金打か。押さえの駒を置きたい。 176 7三金打 *こちらから。竜さえ消してしまえば後手良し。 177 8四銀打 *石橋、必死の粘り。 178 8三金(73) 179 同 銀成(84) 180 8四歩打 *船戸は前傾姿勢。石橋は背もたれに体を預けている。 *「▲同成銀に△7三金打のつもりですね」と竹中さん。 181 同 成銀(83) 182 7九飛打 *「なるほど、逃げ道をふさいでからですか」と中井六段。 183 8六金打 184 7六金打 185 6三歩成(64) *根元の桂を取って粘るが、これは先手玉に詰みがあってもおかしくない。 186 同 金(62) *ここは安全に。 *「下手に王手で追っていくと、捕まらなくなる可能性があるので、落ち着いて指すのが良いんですね」と竹中さん。 187 6五角打 188 8六金(76) 189 同 歩(87) *「いつ終わるんですかねぇ」と中井六段。 190 7六金打 191 9二角打 *▲9四玉を用意したド根性の一手だ。。 *「はぁー」と中井六段。 192 7五金(76) 193 9四玉(85) *「これは△6五金の姿勢ですね」と竹中さん。 194 5二飛(56) 195 3三銀(22) 196 同 桂(21) 197 4三角成(65) *「後手玉はまだ大丈夫です。一回は△9二飛ですね」と竹中さん。 198 9二飛(52) 199 9三桂打 200 7六角打 *「△同馬▲同飛成で自玉を安全にする狙いですね」と竹中さん。 201 同 馬(43) 202 同 飛成(79) 203 2六歩打 *「△8三銀で詰んでいそうですね」と竹中さん。 204 7二角打 *「これでも同じですね」と竹中さん。 205 8三金打 206 同 角(72) 207 同 成銀(84) 208 8五銀打 *ここで石橋は投了した。終局時刻は16時5分。 *終局直後、200手を超える大熱戦に観衆から拍手が起きた。 209 投了 まで208手で後手の勝ち