# --- Kifu for Windows V6.44 棋譜ファイル --- 開始日時:2012/02/19 10:00 終了日時:2012/02/19 11:16 棋戦:第48回1dayトーナメント・TefuCup1回戦 持ち時間:0時間30分 消費時間:96▲30△30 場所:芝浦サロン 手合割:平手   先手:中倉宏美二段 後手:大庭美樹初段 手数----指手-- *本局は第48回1dayトーナメントTefuカップ1回戦の中倉宏美二段−大庭美樹初段戦。持ち時間は各30分。使い切ると1手30秒未満の秒読み。 *振り駒の結果、歩が4枚出て中倉二段の先手に決まった。 *ともに9時45分過ぎに着座。中倉二段は小振りの扇子を取り出す。大庭初段はテーブルの右側にピンクのハンカチ、腕時計、マスクを、左側にお茶のペットボトルを置く。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) 1 7六歩(77) *今回の1dayトーナメントは協賛企業である有限会社テラスデザイン研究所が開発した棋譜再現ソフト「Tefu(手譜)」を使用して中継している。 *☆手譜の仕様については、テラスデザインのサイトをご覧ください。 *http://www.terrasdesign.com/ 2 3四歩(33) *大庭美樹(おおば・みき)初段は1971年1月12日生まれ。静岡県沼津市出身。 *LPSA番号は7。8歳のとき姉である大庭美夏女流1級とともに将棋を始める。90年4月、女流2級。2005年6月、女流初段。対居飛車に雁木・右玉、対振飛車に相振り飛車が得意戦法。相性の良いレディースオープントーナメントでしばしば上位陣を破り、2002年にはベスト4に進出した。 *座右の銘は「玉子を割らなきゃオムレツは作れない」。趣味は野球観戦。 3 2六歩(27) *中倉宏美(なかくら・ひろみ)二段は1979年1月26日生まれ。東京都府中市出身。 LPSA番号12。4歳で姉の中倉彰子女流初段とともに将棋を覚える。居飛車の攻め将棋から転身し、三間飛車が主力戦法。女流王戦リーグ入り6回。鹿島杯女流将棋トーナメントでベスト4が2回。大型二輪免許を持ち、愛車「ハーレーダビットソン」で将棋普及するのが夢。 座右の銘は「青雲の志」。趣味はゴルフ、カクテル作り。1dayトーナメントは第17回Tefucupで優勝している。LPSAでは彰子初段とともに企画や営業を担当する。 4 4四歩(43) 5 4八銀(39) 6 9四歩(93) *四間飛車の藤井システムを思わせる出だし。 7 9六歩(97) 8 3二銀(31) 9 5六歩(57) 10 4三銀(32) *大庭初段は雁木や右玉など陽動作戦が得意。現局面も何を指すのかまだ分からない。 *相居飛車と思って▲6八銀とすると、△4二飛と四間飛車にされたときに玉の囲い方が難しくなる。 11 2五歩(26) 12 3三角(22) *消費時間は中倉4分、大庭1分。中倉二段が慎重に時間を使う。 13 6八玉(59) 14 2二飛(82) *11手目▲2五歩△3三角の交換を見て向かい飛車へ。 15 7八玉(68) *大事な手だ。放っておくと、△2四歩▲同歩△同角(王手)▲7八玉△7九角成(王手飛車取り)の攻めがあった。 16 6二玉(51) *戦型が決まったら、次に考えることは玉をどこにどのように囲うか。 17 7七角(88) *▲7七角は8八を開けたもの。居飛車は8八にいる角が詰まっており、戦場から遠ざかりにくい。 18 7二銀(71) *大庭初段は美濃囲いを目指す。 19 8八玉(78) 20 7一玉(62) 21 7八銀(79) *先手も美濃囲いへ。 *消費時間は中倉8分、大庭6分。 *持ち時間が30分あるためか、比較的ゆったりと指し進めている印象だ。 22 2四歩(23) 23 同 歩(25) 24 同 角(33) *放っておくと、△7九角成が王手飛車取りになる(15手目コメント参照)。 25 4六歩(47) *ということで、角の利きを止めながら将来の▲4五歩を狙う。▲6八角(△同角成は▲2二飛成)という手もあっただろう。 26 3二金(41) *この戦型ではよく見られる形。次に△3三角▲2二飛成△同角のように進んだときに飛車を打ち込まれる隙を消している。 *大庭初段はこの手を指してお茶を飲んだ。中倉二段は左手を口元に当てて考えている。 *中倉二段はほとんど身動きせずに盤上を見据えて熟考。消費時間は15分となった。大庭初段は7分使っている。 *△3三角や△4六角が見えている局面。受けや反撃の形をどのように作るかが課題の局面だ。 27 3六歩(37) *6分ほど使って▲3六歩。▲3七桂の含みがある。中倉二段は着手してから席を立った。 *大庭初段は体を小さく揺らす。▲3六歩は攻めを狙ったり、△3三角▲2五歩に△3五歩から△3四銀とされるのを警戒した意味もある。 28 3三桂(21) 29 4七銀(48) *4六に角を出させない。 30 2五歩打 *▲2五歩△1五角▲1六歩までの角の詰めろを消した。 *「敵の打ちたいところに打て」だ。 31 1六歩(17) 32 2一飛(22) *後手は2四角をどうさばくかが課題。△2一飛は△4五歩▲同歩△同桂のときに、7七角で飛車を取られないようにした。 33 3七桂(29) *△4五歩▲同歩△同桂を防ぐ。狙いを持った手、狙いを受ける手が続いている。 *大庭初段は2筋を逆襲したことが主張。中倉二段は▲5八金右と金を玉に近づければ、玉の堅さを主張できる。 34 4五歩(44) *それでも行く。▲同歩に△5七角成のつもり。そこで、▲4八金などと受けてどうか。 *中倉二段、考慮中に残り5分に。持ち時間がある将棋では細かいところを読むことができる。大庭初段は残り16分。 *※△1四歩で△1三角から△2六歩を狙う指し方もあった。△1三角に▲2七歩と受けてくれれば後手十分。▲1五歩と反発できるかどうか。 35 2五桂(37) *中倉二段は攻め合いに出る。2一飛が浮いていることに目を付けたものだ。△4六歩に▲3三桂不成△同金▲4六銀△同角▲2一飛成と進めば先手優勢。△2五同桂▲同飛に△2三歩ではちょっとつらいか。 *10時45分、大庭初段も残り10分に。5分以上考えている。 36 4六角(24) *ドンと強手で切り返す。一気に大決戦へ。 37 同 銀(47) 38 同 歩(45) *大庭初段の狙いは△4七歩成と△2五飛。前者はと金作り、後者は角と銀桂の2枚換えとなる大きな手だ。 39 2二歩打 *中倉二段は残り1分。表情が自然と険しくなる。時折、チェスクロックを見やる。 *▲2二歩は△同飛と取らせて、7七角のラインに飛車を入れる意味。 40 同 飛(21) *考慮中に中倉二段が秒読みに。大庭初段は体を揺らしている。 41 1七角打 *遠見の角に好手ありと言われる。2八飛にヒモをつけて▲3三桂成のときに飛車を素抜かれないようにした。 42 2七歩打 *手筋のたたきで飛車の位置を変える。 43 同 飛(28) *※▲3三桂成△2八歩成に▲4三成桂△2七飛成▲5三成桂なら先手が良かったようだ。先手が桂得+攻め駒が急所に迫っている。1七角が後手玉をにらみ、▲4四角や▲1一角成などの楽しみがある。 *▲2七同飛は飛車が離れ駒になったのが痛かった。 44 5二銀(43) 45 5八金(49) *互いに自陣に手を入れる。こういう呼吸は参考になる。 46 2五飛(22) *後手は角と銀桂の2枚換えになった。 47 3三角成(77) *やや慌て気味に着手。 48 2七飛成(25) *時刻は11時。大庭初段は1分残している。 49 3二馬(33) 50 4七歩成(46) *マムシのと金攻め。後手の攻めが1手早いが、玉の位置は先手の方が1マス遠い。どちらが勝っているのか。 51 4四桂打 52 5八と(47) 53 5二桂成(44) *パシンと高い駒音が響いた。 54 同 金(61) 55 5八金(69) *大庭初段、ここから秒読み。 56 4九飛打 *攻防手。 57 5九金打 *中倉二段は桂損かつ攻め駒が少ないのがつらい。 58 1九飛成(49) 59 4一馬(32) 60 5一香打 *寄せを見越して価値の低い駒を使う。 61 2八銀打 *1七角がつらい状況。強引でも駒交換に持ち込んで勝負だ。 62 同 龍(27) 63 同 角(17) 64 同 龍(19) *大庭初段の手つきは落ち着いている。次に△8四桂が美濃崩しの手筋だ。 65 4四歩打 *▲3一飛は△2二角があった。 66 8四桂打 67 7七銀(78) 68 5七銀打 *脇腹が弱くなった瞬間を突く。厳しい攻めだ。 *中倉二段は▲4八歩と打てないのがつらい。 69 2九歩打 *中倉二段、苦戦ながら手筋で応戦する。△同竜なら竜の利きがそれる。 70 3八龍(28) 71 2八飛打 72 同 龍(38) 73 同 歩(29) 74 5八銀(57) *中倉二段は頬に右手を当てる。 75 5二馬(41) *ゆっくりはできない。受けに使える金を先に取っておく。 76 同 香(51) 77 5八金(59) 78 4九飛打 79 4一飛打 80 6一金打 *美濃囲い再生。こうなると、駒の損得が目立つ。 81 5九金打 *必死の頑張り。飛車が逃げれば、▲4三歩成だ。 82 6九角打 *鋭く迫る。▲4九金は△7九角で詰み筋に入る。 83 7八銀打 84 5八角成(69) 85 4九金(59) 86 7六桂(84) *△4九同馬は方向違い。終盤は敵玉に迫るものだ。 *82手目△6九角から鋭い寄せが続いている。 87 同 銀(77) 88 7九銀打 *大庭初段、頭に手をやってから銀を打った。 89 同 玉(88) *▲9八玉は△9七金▲同玉△8八角▲8六玉△7四桂▲7五玉△5七馬▲6六桂△8四金▲6五玉△6六角成▲同歩△同馬まで長手数ながら詰んでいる。 90 6八金打 91 8八玉(79) 92 7九角打 *大庭初段は先手玉を詰ましにかかっている。 93 7七玉(88) *▲9八玉は△8六桂▲同歩△8八金▲9七玉△7八金▲8七玉△8八角成まで。△8六桂が逃げ道封鎖のテクニックだ。 94 7八金(68) 95 8六玉(77) 96 7四桂打 *ここで中倉二段が投了。7五と8五、どちらに逃げても金銀を打っていけばよい。終局時刻は11時16分。消費時間はともに30分。 *大庭初段が積極的な指し回しから鋭い寄せを決めて制勝。2回戦に進出した大庭初段は蛸島彰子五段−島井咲緒里二段の勝者と対戦する。 97 投了 まで96手で後手の勝ち