# --- Kifu for Windows V6.44 棋譜ファイル --- 開始日時:2011/12/09 10:00 終了日時:2011/12/09 23:39 棋戦:第70期順位戦B級2組7回戦 持ち時間:6時間 消費時間:108▲347△327 場所:東京・将棋会館 リーグ成績:▲5勝1敗△2勝4敗 図:投了 先手年齢:45 後手年齢:36 手合割:平手   先手:森下 卓九段 後手:堀口 一史座七段 手数----指手---------消費時間-- *森下は5勝1敗で昇級争いの3番手につけている。堀口は開幕2連勝から4連敗中。 *対戦成績は森下5勝・堀口3勝、直近は森下が3連勝している。 *順位戦では第63・65〜67期のB級1組で対戦して2勝2敗。 *本局の記録係は梶浦宏孝初段(鈴木大介八段門下)。 *【第67期順位戦B級1組2回戦▲森下−△堀口(先手勝ち)】 *http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2008/06/20/B1/3485.html *(棋譜・コメント入力=牛蒡) 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *写真撮影のため高雄の間に入ると、記者は森下に「おはようございます」と声をかけらて思わず恐縮してしまった。対局開始直前は黙想して集中力を高める棋士が多いが、森下は周囲への気配りを怠らない。 2 8四歩(83) ( 3:00/00:03:00) *堀口は2手目△8四歩を突くことが多い。先手が森下であることを考えると、どうやら本局は矢倉になりそうだ。 3 6八銀(79) ( 2:00/00:02:00) *【森下卓(もりした・たく)九段】 *福岡県北九州市出身、1966年7月10日生まれ。(故)花村元司九段門下。棋士番号は161。1978年に6級で奨励会入会。1983年9月に四段、2003年12月に九段昇段。棋戦優勝は8回。将棋大賞の受賞数は8。1990年度には勝率1位賞・最多勝利賞・最多対局賞・殊勲賞を同時受賞した。 4 3四歩(33) ( 0:00/00:03:00) *【堀口一史座(ほりぐち・かずしざ)七段】 *東京都出身、1975年2月28日生まれ。伊藤果七段門下。棋士番号は218。1988年に6級で奨励会入会。1996年4月に四段、2004年4月に七段昇段。棋戦優勝は1回(2001年度・朝日オープン)。将棋大賞は1999年度に新人賞を受賞。 5 6六歩(67) ( 0:00/00:02:00) *森下の通算成績は821勝522敗(0.611) *今年度成績は13勝7敗(0.650) *今年度ランキングは勝率17位 *直近10局の成績は8勝2敗(○○○●○千○○○○●)右が直近 6 6二銀(71) ( 0:00/00:03:00) *堀口の通算成績は339勝249敗(0.577) *今年度成績は4勝10敗(0.286) *直近10局の成績は2勝8敗(●●●千千●●●千●○●○)右が直近 7 5六歩(57) ( 0:00/00:02:00) 8 5四歩(53) ( 0:00/00:03:00) 9 4八銀(39) ( 1:00/00:03:00) 10 4二銀(31) ( 0:00/00:03:00) 11 5八金(49) ( 0:00/00:03:00) 12 3二金(41) ( 0:00/00:03:00) *すらすらと矢倉の定跡手順が並べられていく。 13 7八金(69) ( 0:00/00:03:00) *金を6九に置いたまま早囲いを目指す指し方もあるが、森下はじっくりとした矢倉戦を好む。 14 4一玉(51) ( 0:00/00:03:00) 15 6九玉(59) ( 0:00/00:03:00) 16 5二金(61) ( 0:00/00:03:00) 17 7七銀(68) ( 2:00/00:05:00) 18 3三銀(42) ( 0:00/00:03:00) 19 7九角(88) ( 0:00/00:05:00) 20 3一角(22) ( 0:00/00:03:00) 21 3六歩(37) ( 0:00/00:05:00) 22 4四歩(43) ( 0:00/00:03:00) 23 6七金(58) ( 0:00/00:05:00) 24 7四歩(73) ( 0:00/00:03:00) *この手を指して堀口は席を立った。森下が手を止めて考えている。モニターからは分からないが、おそらく森下は7九の角を見つめているはずだ。 25 6八角(79) ( 8:00/00:13:00) *やはり角を動かした。▲3七銀のように形を決めることなく▲6八角と上がるのが森下システム。その基本形になった。 26 4三金(52) ( 5:00/00:08:00) *手元のデータベースは主に1978年以降の棋譜が収録されている。現局面で検索をかけると▲386勝△363勝という結果が返ってきた。ちなみに森下は先手を持って34勝20敗(0.629)、堀口は後手を持って3勝4敗(0.428)。 *▲森下−△堀口戦で現局面を迎えたこともあるようだ。結果は1勝1敗だった。 27 7九玉(69) ( 0:00/00:13:00) *25手目▲6八角の効果でスムーズに玉を囲うことができるようになった。 28 9四歩(93) ( 1:00/00:09:00) *矢倉の急所の一つは端。将来の9筋攻めを見ている。 29 8八玉(79) ( 9:00/00:22:00) *金矢倉に玉を収めた。矢倉を城に見立てて▲8八玉を『入城』と表現することも多い。 *ちなみに堀口は現局面を6局経験している。指された手は△9五歩・△7三銀・△6四角など。 30 7三銀(62) ( 0:00/00:09:00) *堀口の選択は△7三銀。冒頭で紹介した将棋と同一局面になった。 * *【第67期順位戦B級1組2回戦▲森下−△堀口(先手勝ち)】 *http://member.meijinsen.jp/pay/kif/meijinsen/2008/06/20/B1/3485.html 31 2六歩(27) ( 3:00/00:25:00) *飛車先の歩を伸ばす。一手前に紹介した将棋は▲1六歩△9五歩▲3八飛と進んでいた。 32 9五歩(94) ( 2:00/00:11:00) 33 1六歩(17) (11:00/00:36:00) *代えて▲2五歩が多数派で、次いで▲3七銀や▲3八飛が指されていた。本譜の▲1六歩は少数派で前例は5局。そのうち3局は森下が先手番で3勝0敗の好成績を残している。 *11時ごろの局面。消費時間は▲森下36分、△堀口11分。 34 7五歩(74) (25:00/00:36:00) *25分考えて7筋の歩交換を決断した。▲7五同歩△同角▲6五歩△4二角で、次に△3一玉〜△2二玉と入城を目指す狙いがある。 35 同 歩(76) ( 0:00/00:36:00) 36 同 角(31) ( 0:00/00:36:00) 37 6五歩(66) ( 0:00/00:36:00) *▲5七銀〜6六銀右の形を目指す。手厚い4枚矢倉は森下好みの陣形だ。 38 4二角(75) ( 0:00/00:36:00) 39 4六角(68) ( 1:00/00:37:00) *次に▲7四歩を見せて後手を牽制する。 40 9二飛(82) ( 0:00/00:36:00) *他に形よく受ける手段も難しい。△9二飛は仕方ないだろう。 41 5七銀(48) ( 0:00/00:37:00) 42 3一玉(41) ( 0:00/00:36:00) 43 6六銀(57) ( 0:00/00:37:00) *銀を盛り上げて上部を厚くする。 *森下陣の金銀玉の形だけでデータベースを検索したところ、森下は2009年以降にこの形で5勝1敗と大きく勝ち越していた。 44 2二玉(31) ( 2:00/00:38:00) 45 3七桂(29) ( 4:00/00:41:00) *ここで堀口が32分使って昼食休憩に入った。消費時間は▲森下41分、△堀口1時間10分。ともに昼食の注文はなし。 46 4五歩(44) (32:00/01:10:00) *再開直後に指された。 *前例は1局で2008年の竜王戦2組、▲森下−△行方尚史八段戦で指されている。以下▲5七角△4四銀▲3八飛△2四角▲3九角△1四歩と進んで先手が勝っている。 47 5七角(46) (19:00/01:00:00) *19分考えて角を引いた。あるいは▲6八角も検討していたのかもしれない。 *▲5七角は攻撃も視野に入れた引き場所で、将来▲6六角が後手玉をにらんで絶好の位置になる。 48 6四歩(63) ( 3:00/01:13:00) *堀口は6筋から反発した。▲4五桂を受けない驚きの一手だ。 *(1)▲6四同歩なら△同角で△3七角成の先手になる。 *(2)▲4五桂△4四銀▲4六歩は歩得しつつ桂をさばいて大きな手だが、直後に△6五歩▲同銀と形を乱されてしまう。他の候補手は(3)▲7六銀くらいだろうか。 * *13時50分ごろの局面。消費時間は▲森下1時間0分、△堀口1時間13分。 *森下の長考が続いている。14時50分を過ぎたが手は動かない。考慮時間は1時間を超えている。 49 4五桂(37) (111:00/02:51:00) *手元の時計で15時15分に指された。1時間51分の大長考だった。 50 7四銀(73) ( 3:00/01:16:00) *△4四銀▲4六歩を入れてから△7四銀は、▲6四歩△同角の瞬間が甘い。しかし本譜のように単に△7四銀なら▲6四歩△同角が飛車取りになる。 51 6四歩(65) (37:00/03:28:00) *▲3三桂成を受けない後手の動きが気になるのか、森下は慎重に37分使って歩を取り込んだ。 *16時ごろの局面。消費時間は▲森下3時間28分、△堀口1時間16分。 *時刻は16時半を回った。今度は堀口が長考に沈んでいる。 52 6五歩打 (44:00/02:00:00) *堀口は先手の右桂をさばかせた代償を6筋に求めた。この歩を拠点にして、先手の矢倉を上から押しつぶしたい。 53 7五銀(66) (16:00/03:44:00) 54 同 銀(74) ( 0:00/02:00:00) *17時ごろの局面。消費時間は▲森下3時間44分、△堀口2時間0分。 55 3三桂成(45) ( 5:00/03:49:00) *ここで銀桂交換の権利を行使した。 56 同 金(43) ( 1:00/02:01:00) *代えて△3三同角は▲7五角が▲6三歩成の先手になる。銀桂交換で後手は駒損だが、持ち駒にした桂は△8五桂や△6六桂など有用な使い道がある。 57 7五角(57) ( 0:00/03:49:00) 58 7四銀打 ( 0:00/02:01:00) *角取りに当てつつ▲6三歩成を受ける。持ち駒の銀を手放すのはもったいないようでも、終盤戦で先手玉の上部脱出を防ぐ駒として活躍するはずだ。 59 5七角(75) (40:00/04:29:00) *40分の考慮。残り時間は2時間以上の差をつけて堀口がリードしている。 60 6四角(42) ( 0:00/02:01:00) *▲2九飛・▲1八飛・▲4六歩・▲4六角。森下はいずれの手段で飛車取りを受けるか。 61 4六角(57) ( 0:00/04:29:00) *この手はノータイム。森下は59手目▲5七角の長考で心を決めていたのだろう。 62 同 角(64) ( 1:00/02:02:00) 63 同 歩(47) ( 0:00/04:29:00) *ここで堀口が22分使って夕食休憩に入った。消費時間は▲森下4時間29分、△堀口2時間24分。夕食の注文は森下がカツカレー(ほそ島や)、堀口は注文なし。 64 6六桂打 (22:00/02:24:00) *先手陣に角を打つ手もありそうだが、堀口は桂のクサビを打ち込んだ。 65 6八金(78) ( 3:00/04:32:00) *20時ごろの局面。消費時間は▲森下4時間32分、△堀口2時間24分。 66 7八歩打 (80:00/03:44:00) *控室で検討が始まった。そしてこの△7八歩の評判がすこぶる良い。次に△7九角▲9八玉△9六歩が詰めろになる。 67 8六歩(87) ( 4:00/04:36:00) *受けるなら▲8六歩か▲8六銀と言われていた。 68 8五歩(84) ( 0:00/03:44:00) *堀口はノータイムで△8五歩。 *20時45分ごろの局面。消費時間は▲森下4時間36分、△堀口2時間24分。 69 5三角打 (19:00/04:55:00) *次に△8六歩を許すと、△7九歩成▲同玉△8七歩成が厳しくなる。そこで森下は8六の地点に利きを増やしたが、いかにも苦しそうな受けではある。 70 8二飛(92) (19:00/04:03:00) 71 8五歩(86) ( 9:00/05:04:00) 72 9六歩(95) ( 0:00/04:03:00) *▲9六同歩△同香で歩の入手を狙っている。 *「先手が厳しそうです。後手は切れない攻めを目指したいですね」(伊藤真吾四段) *21時30分ごろの局面。消費時間は▲森下5時間4分、△堀口4時間3分。 73 同 歩(97) (17:00/05:21:00) 74 同 香(91) ( 1:00/04:04:00) 75 9七歩打 (14:00/05:35:00) *22時ごろの局面。消費時間は▲森下5時間35分、△堀口4時間4分。 76 同 香成(96) (22:00/04:26:00) 77 同 角成(53) ( 0:00/05:35:00) *△7九角▲8七玉△9七角成▲同桂△7九歩成が検討されている。 78 7九角打 ( 4:00/04:30:00) *「後手玉が堅すぎます。先手を持って自信がありません」(三浦弘行八段) 79 8七玉(88) ( 0:00/05:35:00) 80 9七角成(79) ( 0:00/04:30:00) 81 同 桂(89) ( 0:00/05:35:00) *8五の地点に利かしている。最善の取り方だろう。 82 7九歩成(78) ( 0:00/04:30:00) *遅いようでも自玉が安全なので、この歩成りが間に合うようだ。 83 8六銀打 ( 3:00/05:38:00) *3分考えて銀を打った。森下の残り時間は22分。時間の面でも森下は苦しい。 84 7八桂成(66) ( 8:00/04:38:00) 85 同 金(68) ( 0:00/05:38:00) 86 同 と(79) ( 0:00/04:38:00) 87 同 飛(28) ( 0:00/05:38:00) *△6九角で飛車が取れる形になった。一回△9六歩▲同玉を利かすかどうか。 *22時40分ごろの局面。消費時間は▲森下5時間38分、△堀口4時間38分。 88 9五歩打 ( 8:00/04:46:00) *上から押さえた。受けないと△9六角▲8八玉△8七金▲8九玉△7八金▲9八玉△7九飛で必至がかかる。 89 同 銀(86) ( 3:00/05:41:00) *森下の駒台はあふれんばかり。 *ここで堀口が考えている。すぐに手が出ないのは変調を思わせるが。 *23時ごろの局面。消費時間は▲森下5時間41分、△堀口4時間46分。 90 7三桂(81) (22:00/05:08:00) *22分の考慮。攻め駒を足して切れない攻めを目指す。 91 8六香打 ( 0:00/05:41:00) *一時は堀口の攻めが決まっていると見られていたが、現局面は先手も粘っているようだ。 *「後手は歩がたくさんあれば△7六歩のような手があるのですが、1歩しかないので簡単ではありません」(長岡裕也五段) 92 6六歩(65) ( 2:00/05:10:00) *先手陣の形を乱す歩。▲6六同銀で▲7四飛が生じるが、△6九角で飛車を釘づけにする狙い。 93 同 銀(77) ( 0:00/05:41:00) 94 6九角打 ( 0:00/05:10:00) *「なるほど、単に△6九角より△6六歩▲同銀を利かした方が勝りますね」(控室) 95 6八金(67) ( 2:00/05:43:00) 96 7八角成(69) ( 0:00/05:10:00) 97 同 金(68) ( 0:00/05:43:00) 98 6五銀(74) ( 9:00/05:19:00) 99 7七銀(66) ( 1:00/05:44:00) 100 7六歩打 ( 1:00/05:20:00) 101 8八銀(77) ( 0:00/05:44:00) *23時30分ごろの局面。残り時間は▲森下16分、△堀口40分。 102 7七金打 ( 3:00/05:23:00) *シンプルに駒を削りにいく。寄せの基本であり、それだけに厳しい。。 103 同 銀(88) ( 1:00/05:45:00) 104 同 歩成(76) ( 0:00/05:23:00) 105 同 金(78) ( 0:00/05:45:00) 106 8九飛打 ( 4:00/05:27:00) *飛車で上下から攻める。先手は受けにくくなってきた。 107 9六玉(87) ( 0:00/05:45:00) 108 7六銀(65) ( 0:00/05:27:00) *△8七銀打の詰めろ。もちろん▲7六同金と取ることもできない。 *ここで森下は2分考えて投了を告げた。 *終局時刻は23時39分。消費時間は▲森下5時間47分、△堀口5時間27分。勝った堀口一史座七段は3勝4敗、敗れた森下卓九段は5勝2敗となった。 109 投了 ( 2:00/05:47:00) まで108手で後手の勝ち