# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2009/05/31 14:00 終了日時:2009/05/31 15:25 棋戦:第3回日レス杯2回戦 持ち時間:0時間40分 消費時間:96▲40△40 場所:中野サンプラザ 手合割:平手   先手:大庭美樹初段 後手:中倉彰子初段 手数----指手-- *LPSA公認棋戦、第3回日レスインビテーションカップ・女流棋士トーナメント。2回戦の大庭美樹初段−中倉彰子初段戦。持ち時間はチェスクロック使用で各40分、使い切ると1手60秒の秒読み。対局開始は14時から。 *事前に行われた振り駒は歩が3枚で大庭の先手に決まった。 *(棋譜・コメント入力=桜木) * 1 7六歩(77) *2回戦は6局が同部屋で同時に行われている。合図で「お願いします」と全局一斉に開始された。この対局も公開近い距離から多くのファンが見ている。 2 3四歩(33) *中倉は1回戦で藤森奈津子三段を降しての進出。大庭は1回戦シードで本局が初戦。 3 6六歩(67) *大庭は1971年1月12日生まれ。静岡県沼津市出身。LPSA番号9。8歳のとき姉である大庭美夏女流1級とともに将棋を始める。対居飛車に雁木・右玉、対振飛車に相振り飛車が得意戦法。相性の良いレディースオープントーナメント(週刊将棋主催)でしばしば上位陣を破り、2002年にはベスト4に進出した。「女流棋士の本」(日本将棋連盟)では企画編集を担当。座右の銘は「玉子を割らなきゃオムレツは作れない」。趣味は野球観戦(マリーンズ)。 4 8四歩(83) *1977年3月2日生まれ。東京都府中市出身。LPSA番号11。6歳のころ将棋を始め、1991・92年に女流アマ名人戦で連続優勝。居飛車・振り飛車ともに穴熊を得意とする。テレビ番組の司会・聞き手やイベント司会などで活躍している。自身のホームページ「positive-girls.net」の名が表す通り、"ポジティブ"が合言葉。妹の中倉宏美女流初段とともに、姉妹棋士として映画「とらばいゆ」(2002年大谷健太郎監督)のモデルとなった。座右の銘は「苦しいときは進歩しているとき」。趣味はテニス、絵画鑑賞、英会話。夫は日本将棋連盟棋士・中座真七段。 5 7八銀(79) *振り飛車を思わせるが、これが大庭の棋風。 6 6二銀(71) 7 6七銀(78) 8 5二金(61) *中倉は居飛車、振り飛車どちらにも対応できるように構えている。 9 4八銀(39) *振り飛車のように見えて居飛車。右玉含みの指し方は大庭の得意とするところ。 10 5四歩(53) 11 4六歩(47) 12 3二銀(31) *△3一角の引き角なども見せた柔軟な構え。 13 4七銀(48) *ツノ銀の構え。先手はどこに飛車を持ってくるか、左右どちらに玉を持っていくか、自在に決められる。 14 4二玉(51) 15 3六歩(37) 16 5三銀(62) 17 7八金(69) 18 8五歩(84) 19 7七角(88) *飛車先の歩交換を受けた。後手に引き角の筋がないためしばらくは歩交換できない。 20 3一玉(42) *中倉陣は左美濃の構え。堅さは十分だが攻撃力と進展性に欠ける意味も。 21 3七桂(29) 22 4四歩(43) *ここまでの消費時間はともに6分。 23 6五歩(66) *角筋を通す。場合によっては▲4五歩からの仕掛けがある。 24 4三金(52) 25 5六歩(57) *大庭はジリジリと駒を押し上げていく。 26 3三角(22) *入城の道を作った。ただすぐに△2二玉は一見好形だが角筋に入り、▲2五桂△2四角▲4五歩という仕掛けが生じ危険もある。 27 6六銀(67) *すぐに▲4五歩は△同歩▲同桂が角銀両取りだが、△7七角成とされて両方逃げられてしまう。角道を止めたので次に▲4五歩が可能になった。▲4五歩から▲5五歩と手厚く攻める形も破壊力抜群で魅力的。 28 7四歩(73) *反撃の味を見せた歩突き。 29 6八飛(28) *ここで飛車を6筋へ。四間飛車といえるのだろうか。 30 5一角(33) *角の転換を見せる。△7三角か△8四角として攻めをけん制する形。 31 4八玉(59) *大庭玉がようやく動いた。 32 3三桂(21) *桂には桂で対抗する。 33 3八玉(48) *落ち着いて玉を寄る。先手陣は右玉のような構えになった。 34 9四歩(93) 35 9六歩(97) *この歩突きを怠ると△9五角とぶつける筋がある。 36 8四角(51) *8四に使う。7三桂と使う余地もあり働いた一手だ。 37 4八金(49) *金を締める。この手を指して大庭はミネラルウォーターを一口飲んだ。 38 2二玉(31) *高い駒音で入城。遠く角筋に入るので長所ばかりではない。中倉は鋭い視線で盤を見つめている。 39 6九飛(68) *飛車を引いて形を直す。 40 6二飛(82) *6筋へ。ここから△7三桂と跳べば攻め駒が集中できるが、先手も飛車が構えているので簡単ではない。 41 5五歩(56) *カチリと小さな駒音を立てて仕掛けた。 42 同 歩(54) *中倉はすぐに△5五同歩と応じた。 43 同 銀(66) 44 5四歩打 45 6六銀(55) *5筋の歩を交換して銀を引く。歩を手持ちにしたことと、▲5七銀から▲5六銀直と立て直す順もある。 *大盤解説の中田七段は「先手の囲いは金銀2枚、後手の囲いは金銀4枚。うまく指さないとその差が出てしまいます」。「右玉の先手陣はとても薄く見えてしまうのですが、大庭さんは慣れているんですよね」聞き手の中井女流六段。 46 6四歩(63) 47 同 歩(65) 48 同 銀(53) 49 6三歩打 50 同 飛(62) 51 7五銀(66) *この手順は…。 52 同 歩(74) 53 同 歩(76) *これでは銀の丸損。 54 同 角(84) 55 6六角(77) *角をぶつけて暴れるが、△5五銀がありそうだ。 56 5五銀(64) *やはり銀を出た。▲7五角、▲5五同角いずれも△6九飛成と素抜かれる。 57 6七歩打 *こう耐えるしかない。 58 6六銀(55) 59 同 歩(67) *これで後手の角得となった。 *時刻は15時。開始から1時間が過ぎた。残り時間は大庭12分、中倉6分。 60 同 角(75) *角で進軍。次に△4八角成▲同玉△6九飛成となれば終了形。 61 5七歩打 *角の利きを受けた。△9九角成は▲6三飛成の素抜きがある。飛車と飛車の間の角なので、やや不自由だが。 62 6八歩打 *継続の攻め。▲6八同飛なら△5九銀の割り打ちがある。 63 同 金(78) *辛抱した。 64 9九角成(66) *飛車の利きが止まったので香を取れた。さらに駒得が拡大。 65 6七歩打 *辛抱に次ぐ辛抱。 66 8八馬(99) 67 2六歩(27) 68 6六歩打 *筋よく攻める。 69 同 歩(67) 70 6七歩打 *厳しいたたき。▲6七同金は△7八馬や△7八銀がある。 71 7七金(68) *苦しい受け。 72 6八銀打 *着実に迫る。 73 2九飛(69) *残り時間は大庭9分、中倉1分。 74 7七銀成(68) 75 同 桂(89) 76 同 馬(88) 77 2五桂(37) 78 同 桂(33) *中倉は持ち時間を使い切り、一手1分の秒読みに入っている。 79 同 歩(26) 80 1四歩(13) *▲2四歩△同歩▲2三歩からの▲1五桂を消したものか。 81 2四桂打 *直接手で追い込む。 82 1五桂打 *カウンター狙いの桂。2七に打ち込んで一気の寄せを見ている。 83 1六銀打 84 2七香打 *かまわず打ち込む。バラバラにしておかわりの△1五桂がある。大庭は残り3分。 85 同 銀(16) 86 同 桂成(15) 87 同 玉(38) 88 1五桂打 *この王手で決まるか? 後手の駒台は豊富。 89 1六玉(27) 90 2七銀打 91 2六玉(16) 92 2四歩(23) *このタイミングで桂をはずす。△2五歩▲同玉△3三桂からの詰めろ。しかし受けるスペースがない。 93 同 歩(25) 94 2五歩打 95 同 玉(26) *△3三桂からの詰みが生じている。 96 3三桂打 *ここで大庭が投了を告げた。以下は▲2六玉△2五金▲3七玉△2六角までの詰み。51手目の▲7五銀は大庭の錯覚だったようだ。「でも、そこで投げるのは悲しかったので…」と大庭。 *勝った中倉は準々決勝進出を決めた。次は4強入りを懸けて小野ゆかりアマ女王と戦う。 97 投了 まで96手で後手の勝ち