# --- Kifu for Windows (Pro) V6.32 棋譜ファイル --- 開始日時:2010/08/08 10:45 終了日時:2010/08/08 13:25 棋戦:第4回日レス杯準々決勝 持ち時間:0時間40分 消費時間:178▲40△40 場所:新宿・京王プラザホテル 手合割:平手   先手:渡部愛TJP 後手:中井広恵六段 手数----指手-- *本局は第4回・日レスインビテーションカップ準々決勝中井広恵六段−渡部愛ツアー女子プロ(TJP)戦。持ち時間はチェスクロック使用で各40分、秒読みは1手60秒。 *10時45分、対局開始予定。 *振り駒の結果、と金が3枚出て渡部TJPの先手に決まった。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) 1 7六歩(77) *渡部愛(わたなべ・まな)ツアー女子プロは1993年6月26日生まれ。北海道帯広市出身。LPSAツアーライセンス番号は1。 *アマチュア時代は第40期女流アマ名人戦準優勝、第46期赤旗名人戦全国大会予選通過、第1回女子アマ王位戦第3位などの活躍。 *2009年4月、ツアー女子プロとしてデビュー。第27回1dayトーナメント・シュヴァリエカップで優勝。第37回1dayトーナメント・Mondayカップで準優勝。居飛車、特に矢倉をよく指している。 2 3四歩(33) *中井広恵(なかい・ひろえ)六段は1969年6月24日生まれ。北海道稚内市出身。LPSA番号は7。 *81年4月、女流2級。当時11歳10ヶ月のデビューは、当時の史上最年少記録。86年、第12期女流名人位戦で初タイトル獲得。93年、第7期竜王戦で男性棋士から公式戦初勝利を挙げる。タイトル獲得は計19期。棋戦優勝は計9回。86年、稚内市民栄誉賞。2008年、第3回さいたま輝き荻野吟子賞(個人)。 *LPSA設立から09年まで日本女子プロ将棋協会代表理事を務める。現在はLPSAのエグゼクティブアドバイザーとして運営にも携わっている。 *居飛車党で攻守にバランスのとれた棋風、得意戦法は矢倉。 3 2六歩(27) *渡部TJPは1回戦で成田弥穂アマと対戦。 *成田アマの5筋位取り中飛車に居飛車穴熊で対抗した。 *白熱した終盤戦を制して準々決勝戦に進出。 4 8四歩(83) *中井六段は1回戦で蛸島彰子五段の中飛車を破って準々決勝に進出した。 5 6六歩(67) *大盤解説会で木村一基八段が解説を担当している。聞き手は中倉宏美二段。 *「横歩取りを避けましたが、弱気と見るか、冷静と見るか」と木村八段。 6 8五歩(84) *大盤解説会に来場された方にパンフレットが配布された。その中で対戦の見どころが紹介されている。 *「師弟対決がこのベスト8で実現しました。中井六段はご存知の通り、女流公式棋戦で19連勝と記録を更新中で絶好調。内容も危なげないものばかりで完全復調!と言いたいところですが、中井六段のキャリアを考えれば、タイトル挑戦・獲得で復活!と言えるでしょう。 *対する渡部TJPは、5月のマイナビチャレンジマッチを勝ち抜くなど好調でしたが、先日のマイナビ女子オープン予選、マンデーカップでは全体的に精彩を欠き、調子が安定していない印象です。その敗戦を糧に、思いっきりぶつかれる師匠相手に存分に力を発揮し、成長の証を見せたいところです。 *過去には「1dayトーナメント・シュヴァリエカップ」決勝で対戦。渡部TJPが見事に大金星を挙げました。戦型は相矢倉や角換わりなど本格的な相居飛車戦が予想されます」 7 7七角(88) *大盤解説会は開会式の時点で50人以上が観戦に訪れていた。 8 5四歩(53) *中井六段の対局前のあいさつ。 *「今回の日レスインビテーションカップでは林葉直子さんの名前が出てきますが(笑)、将棋を頑張って内容でも注目されるように頑張ります。弟子との対戦とあって、緊張していますが、勝負の厳しさを教えてあげようと思います(笑)」 9 8八銀(79) *渡部TJPの対局前のあいさつ。 *「師匠との対局ということで、「この手はダメ!」と説教されないように頑張ります(笑)」 10 3二銀(31) *木村八段は大盤解説で「中井さんは戦前に勝負の厳しさを教えると言っていましたが、中井さんが負けたらどうするんでしょう(笑)。中井さんが負けたときのあいさつが楽しみですね。(中井さんが)黙っていたら煽りますよ(笑)」 11 7八金(69) 12 6二銀(71) *中井六段は7月29日の第18期倉敷藤花戦で本田小百合二段に勝ち、女流棋士公式戦の新記録である18連勝を達成。2010に入ってから、女流棋士公式戦では負けなしだ。8月4日には、第37期女流名人位戦B級で貞升南女流1級に勝利。連勝記録を19に伸ばした。 *本局はLPSA公認棋戦なので、勝っても20連勝とはならない。 *LPSAページに掲載された18連勝達成時の中井六段のコメント「連勝は今期始めあたりから意識しました。狙ってできるものではないのですが、目の前の対局を一局一局大事にしてきた積み重ねが結果につながったと思います。男性はまだまだ同世代の棋士が頑張っているので自分もタイトルを意識していきたいです」 13 4八銀(39) *▲2五歩△3三銀▲6八角という指し方もあった。以下△3一角には▲7七銀と受けられた。 14 3一角(22) *「専門的には先手がやや失敗なんです。△3一角と引かれると、△8六歩からの歩交換が受からないのでポイントを稼がれています。でも、渡部さんが銀冠を目指しているなら話は別ですよ」と木村八段。 15 5八金(49) 16 3三銀(32) 17 6九玉(59) 18 3二金(41) 19 5六歩(57) 20 4一玉(51) *「中井さんは△8六歩と指せますが、行かないんですね。相手の出方を見てから指すつもりです。具体的には▲6八角と引かれたときに△8六歩と突きたいのです」と木村八段。 21 6七金(58) 22 5二金(61) 23 3六歩(37) 24 8六歩(85) *中井六段はしばらく考えてから△8六歩と歩交換を目指した。 *▲3六歩と突いたため、△6四角のスキがある。 25 同 歩(87) 26 同 角(31) *本棋戦は主催が日本女子プロ将棋協会、日本レストランシステム株式会社。 *協賛は株式会社トーエル、キリンビール株式会社、中沢乳業株式会社。 *【日本レストランシステム株式会社】 *http://www.n-rs.co.jp/ *【株式会社トーエルのホームページ】 *http://www.toell.co.jp/campaign/choice.html *【キリンビール株式会社】 *http://www.kirin.co.jp/ *【中沢乳業株式会社】 *http://www.nakazawa.co.jp/ 27 同 角(77) 28 同 飛(82) 29 5七銀(48) *態度を保留して銀を上がる。 30 8二飛(86) *次に△8六歩と垂らせれば、後手十分。 *11時10分ごろの局面。消費時間は渡部TJP12分、中井7分。 31 8七歩打 *▲8七銀は△8六歩なので仕方ない。 32 4四歩(43) 33 7七銀(88) *矢倉へ。しゃがみ矢倉を目指して▲7七桂〜▲7九玉〜▲8九玉という駒組みもあった。 34 4三金(52) 35 7九玉(69) 36 3一玉(41) *こうなると、後手だけ歩を手持ちにした主張点ができている。渡部TJPはどこでポイントを稼ぐのか。 *「8筋の歩交換のところは対局が終わったら説教されますよ(笑)」と木村八段。 37 1六歩(17) 38 2二玉(31) 39 1五歩(16) *渡部TJPは1筋の位を取ってポイントを稼いだ。 40 7四歩(73) *中井六段は自然な駒組みでポイントを稼ぐ棋風。 *本局ではまずしっかり玉を囲ってから攻撃形を充実させようとしている。 41 6五歩(66) *「攻め合いはうま味がないので、厚みで勝負しようということですね。これはいい構想です。△7三銀▲6六銀右となれば、6六銀のほうが働きがいいです」と木村八段。 42 9四歩(93) *中井六段は端歩を伸ばして、渡部TJPをチラッと見た。 43 6六銀(57) 44 9五歩(94) *中井六段も端の位を取る。 45 2五歩(26) *▲3七桂〜▲2五桂という駒運びも考えられた。 46 7三桂(81) *中倉宏「師弟対局はどちらがやりにくいのですか」 *木村「師匠だと思いますよ」 47 8六銀(77) *▲7五歩△同歩▲同銀左を狙っているのだろうか。すぐに、▲7五歩△同歩▲同銀だと、△3九角の痛打があった。 *両者、小刻みに体を揺らして考えている。後手は△5三銀〜△6四歩と銀を使う手が考えられる。中井六段の考慮時間は5分を超えた。40分の持ち時間では長考の部類だ。 48 4二角打 *5分以上考えて指されたのは自陣角。△6四歩▲同歩△同角▲1八飛△6五歩となれば、6筋の位を奪還できる。 *11時30分、消費時間はともに20分。 *△6四歩を直接受けるなら▲3七角や▲4六角が考えられる。 49 5二角打 *狭いところに勇躍打ち込んだ。△8一飛には▲4三角成△同金▲7二金の飛銀両取りがある。 *攻めるなら△6四歩や△8六角▲同歩△同飛の2枚換え。 50 6四歩(63) *歩を押し上げて手厚く攻めるのが中井六段の棋風。 *中井六段は左手をあごに当てている。 *大盤解説会では▲同歩△同角▲1八飛△6五歩▲5七銀が調べられている。「先手は馬ができますが、ハエのようにうるさいんですよ(笑)。追い払うことができない。……、もし負けたらよろしく頼みます(笑)。先ほど煽るといいましたけど、撤回です(笑)。(形勢は)いい勝負。いい勝負」 51 7四角成(52) *渡部TJPは馬作りを優先させた。△6五歩▲7五銀△5三金(▲6三歩〜▲7三馬を防ぐ)に▲6四歩が検討されている。▲6四歩で後手の駒がピタッと止まる。 52 5三金(43) *△6三金▲7五馬△7四歩までの馬の詰めろ。 53 6四歩(65) 54 同 金(53) 55 5二馬(74) *木村八段が指摘していた。▲3五歩△同歩▲3四歩の筋がある。 56 6三金(64) *木村八段は△6三銀▲6一馬△5三角を指摘していた。次に△8一飛と引いて、馬を狙う。「△6三金でしたか。ことごとく外れていますね(笑)」 *11時45分。残り時間は渡部9分、中井13分。 *中井六段が席を立つ。 57 3五歩(36) *4三金がいなくなったので厳しい攻めだ。 58 6四角(42) *48手目△4二角と打ってから待望の一手。 59 5五歩(56) *△6五歩〜△5五角が見えているだけに怖い。 *△6五歩には▲7七銀右△5五角▲1八飛で大丈夫という判断か 60 5三金(63) 61 4一馬(52) *敵陣の急所に迫る。 62 6五歩打 63 3四歩(35) *ポジティブにゴー。 64 同 銀(33) *△6六歩は▲3三歩成△同金▲2四歩△同歩▲3四歩△3二金▲2四飛△2三歩▲3一銀で寄る。 65 2四歩(25) 66 同 歩(23) *渡部TJPは考慮中に1分将棋となった。中井六段は残り9分。 *時刻は12時。 67 同 飛(28) *銀取りを放置して勝負に出た。 68 2三銀(34) 69 7五銀(66) *手の流れは▲2三同飛成だが、△同玉▲2四歩△同玉▲3二馬に△3九飛の王手馬取りがあった。 *7九玉型の弱点が出てしまった。 70 2四銀(23) 71 6四銀(75) 72 同 金(53) *先手は銀損。渡部TJPは攻めをうまくつなぎたい。 *▲2三歩△同玉▲4三角のような攻めだろうか。 73 2三歩打 74 同 玉(22) *△同金は▲3一角が王手金取り。 75 2五歩打 *△同銀なら▲4三角が金銀両取り。勝負勝負と迫る。 *絶好調の中井六段といえども油断できる局面ではない。 76 3三銀(24) 77 4三角打 *「中井良しですね。中井勝ちでも勝負の厳しさを教えるとは言わないでしょうね」と木村八段。 78 3一歩打 79 3四歩打 *渡部TJPは必死に中井陣を攻める。しかし、後手には△3九飛の切り札が残っている。それを打ち破らないと渡部TJPは勝ち切れない。 *渡部TJPは前傾姿勢。中井天河の表情も険しくなっている。 *木村八段は△3九飛▲8八玉△3四飛成▲同角成△同玉の進展を検討。「長い勝負」という。 80 3九飛打 81 8八玉(79) *▲6九歩はもったいないし、△3五角の筋が残る。 82 3四飛成(39) *木村八段の検討通りに進む。▲同角成△同玉が予想される。 83 同 角成(43) 84 同 玉(23) *中井六段は残り1分。 85 5二馬(41) 86 4三銀打 87 3八飛打 *意表を突く自陣飛車。3筋に歩が打てないので受けにくいか。 88 2三玉(34) *「ふぅ」と息をつきながら△2三玉が指された。 89 6一馬(52) *▲4三馬と切っても二の矢がない。辛抱。しかし、それなら▲3八飛は余分だったか。 *中井六段も1分将棋に入った。 90 2七角打 *さっそく3八飛を目標にする。 91 2四歩(25) 92 同 玉(23) *△同銀は▲4三馬△同金▲3一飛成と強襲されて怪しくなる。 93 3七飛(38) 94 4五角成(27) 95 5七金(67) *自陣の受け駒を使って攻めをつなげようとする。苦心の攻め。 96 5五馬(45) *中井六段の持ち歩が6枚。丁寧に受けてきたことの証明だ。 97 7七銀(86) 98 3七馬(55) 99 同 桂(29) 100 8五桂(73) *中井六段、秒読みのブザーに髪をかき上げながら「いやー」とため息。55秒で桂を跳ねて攻めを狙った。 101 4六角打 *王手金取り。これは厳しいか。 102 2三玉(24) *△3五歩は二歩。しかし、△2三玉は▲3五桂のキズがあって、味が悪い状態だ。 103 6四角(46) *駒損が解消されたのは大きい。これは渡部TJP、息を吹き返したか。 104 8一飛(82) *時刻は12時30分。 105 7二馬(61) *▲6二馬は、8一飛が自玉を狙っていて怖い。飛車を追ってから銀を取ろうとしている。 106 8四飛(81) 107 7五角(64) 108 7四飛(84) *▲6二馬に△7七桂成▲同桂△6九銀だろうか。 109 6二馬(72) 110 2九飛打 *形を決めずに手を渡す。部分的には▲6七金寄としたいが、△7七桂成ではなく9筋が怖い。 111 2四歩打 *中井六段の肩が上下する。渡部TJPは「コホン」と小さく咳き込んだ。 112 同 銀(33) 113 5三角成(75) *質駒を避ける。▲6三馬引〜▲4一馬という活用も楽しみだ。 114 7七桂成(85) *▲2四歩△同銀の交換が入っているため、先手は▲3五桂の反撃が利かない。 115 同 玉(88) *▲7七同桂は△8九銀や△9六歩を気にしたか。しかし…。 116 8九飛成(29) *桂を取りつつ、玉に迫る。 *111手目▲2四歩△同銀の交換がなければ、▲3五桂△1二玉▲4三馬でよかったのだが…。 117 8五銀打 *生命力あふれる一手。 *△8五桂を消しつつ、飛車を捕獲した。 118 6九銀打 *「玉は下段に追え」とは逆の攻め方だが、ほかの手も難しかったようだ。 119 7四銀(85) *2枚馬が鉄板。後手からの攻めは簡単ではない。渡部TJPが良くなったか。 120 7八銀(69) *△8七龍▲6八玉△5六桂▲同金△6七龍▲5九玉△5八金までの詰み。 *下段に落とされてはいけない。 121 8六玉(77) *よって、上部へ脱出する早逃げ。 *中井六段が大きく息をついた。 122 8三桂打 *奇手。▲同銀成は△8七龍から△8三龍と抜ける。 123 同 銀(74) 124 8七龍(89) 125 7五玉(86) 126 8三龍(87) *△7四金の詰めろ。どう受けるか。 *時刻は12時45分。対局開始から2時間が経過した。 127 8四金打 *木村八段「8四か7四か迷いますね。▲8四金は△7四歩なら▲同金で1歩得です。勝負の厳しさは1歩から(笑)」 128 5三龍(83) *中井六段は自玉が安全なので、今のうちに攻め切れるかどうか。 129 同 馬(62) 130 8七銀成(78) *△8六角を狙う。▲7四玉なら△7二金か。 *木村八段は△4八角を指摘。 131 7四玉(75) 132 7二金打 133 7三飛打 *なんと飛を金にぶつけた。なんとしても入玉したいという意志を感じるが、犠牲も大きい。 134 同 金(72) 135 同 玉(74) *渡部TJPは右手をテーブルの上に載せている。 *△5五角▲6四桂△3七角成となると、後手玉の上部も厚くなる。「また、再逆転かな」と木村八段。 136 6一銀打 137 8三金(84) *▲7二金などと駒を盤上に置く手もあった。 138 8一歩打 *中井六段はポチポチ自陣に駒を置いていく。△5一角の狙いも出てきた。 139 7一飛打 140 5一角打 *▲6二桂は禁じ手。駒を打つなら▲6二金しかない。 *▲7四玉は△6二銀や△6二角で攻めていく。 141 6四玉(73) 142 6二飛打 *中井六段はポンッと飛車を置いて、右手で頭をかかえた。 143 6三桂打 *今度は禁じ手ではない。 *中井六段は大きく息をしており、肩が上下に動く。白熱した終盤に心拍数も上がる。 144 4二角(51) *時刻は13時。 145 同 馬(53) 146 同 金(32) *今度は中井六段が自陣の駒を攻めに活用してきた。△5五角や△5二銀引などといった攻めが見える。 147 5六角打 *木村八段が「ここのラインが気になります」と言っている間に指された。△2二玉は▲2三金で詰み。 *「いい筋してますねー」と木村八段。 148 3四角打 *「ここは渡部さんは好きな手が指せます。どちらもチャンスがありますよ」と木村八段。 149 同 角(56) *「味消しの可能性があります」と木村八段が解説していたが、秒読みの状況ではほかの手も難しい。 150 同 銀(43) 151 7三金(83) *飛車を捕獲。後手が頑張るなら△5五角▲7四玉△7三角▲同飛成△7二金か。 *中井六段、頭を抱えた。 152 7二歩打 *中井六段が勝負に出た。 *渡部TJPがテーブルに置いている右手が拳になっている。知らず知らずのうちに力が入る。 153 6二金(73) *△同銀に▲3一飛成で先手玉が詰むかどうか。 154 同 銀(61) *▲3一飛成だと、△5三金や△7三銀の王手攻撃がくる。 *「いけ!▲3一飛成」と木村八段。 155 7二飛成(71) *しかし、▲7二飛成。「これはいいように王手される可能性があります」と木村八段。 156 7三金打 157 同 龍(72) 158 5五角打 159 6五玉(64) 160 7三銀(62) *「先手玉は▲5六玉の形が安全なので、▲2五歩から最後のお願いしますよ。しかも、勝てる可能性のあるお願いです」と木村八段。 161 2五歩打 *大盤解説会も盛り上がっているが、本局は公開対局。 *熱心なファンが静かに進行を見守っている。 162 同 銀(24) *「時間があっても正着が分からないです」と木村八段。中井六段の選択は△同銀直だった。 163 2四歩打 164 同 玉(23) *▲2五桂は△6四飛▲5六玉△4五銀でトン死。 *大盤解説の木村八段もウッカリして「あ、銀を取るのは説教じゃなく接待ですね(笑)」 165 2二飛打 *対局開始から2時間30分が経過している。 *△2三歩▲4二飛成は詰めろではない。 166 2三歩打 167 1六桂打 *相手に桂を渡すのは非常に怖い。 168 同 銀(25) 169 4二飛成(22) *中井六段もテーブルに右腕を載せる。口元に当てた右手が小刻みに震える。 170 3七角成(55) *△6四飛▲7五玉△8三桂▲8五玉△8四飛までの詰めろ。 171 4四龍(42) *これでも、△6四飛から詰んでいるようだ。中井六段は後ろにのけぞってから、盤に近づく。 *秒読みのブザーが鳴り響く。 172 6四飛打 173 5六玉(65) 174 5五歩(54) 175 同 龍(44) 176 同 馬(37) 177 同 玉(56) 178 4五飛打 *大激戦に幕。渡部TJPの投了となった。以下▲5六玉に△4四桂まで。 *終局時刻は13時25分。消費時間はともに40分(チェスクロック使用)。 *大盤解説会にて。 *中井「▲5二角に△8一飛が利くと思っていましたが…」 *木村「そうだと思いました(笑)」 *木村「渡部さんが途中良さそうでした。勝負の厳しさを教えてやろうと思わなかったですか(笑)」 *渡部「いやー(笑)。そこまでの余裕はありませんでした」 *木村「中井さん、本局の感想と準決勝の抱負を」 *中井「本局は入玉され、神経を遣う将棋でした。でかいことは言うのは良くないですね(笑)。準決勝は謙虚に行こうと思います(笑)」 *木村「先ほどとは人柄が変わったかのようですね(笑)」 179 投了 まで178手で後手の勝ち