# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2011/08/06 14:00 終了日時:2011/08/06 15:45 棋戦:第5回日レス杯準決勝 持ち時間:0時間40分 消費時間:108▲40△40 場所:ホテルJALシティ田町 手合割:平手   先手:石橋幸緒四段 後手:船戸陽子二段 手数----指手-- *本局は第5回日レスインビテーションカップ準決勝第2局の石橋幸緒四段−船戸陽子二段戦。持ち時間は40分(チェスクロック使用)。使い切ると1分将棋(60秒未満の秒読み)。 *対局開始予定は14時。東京都港区にある「ホテルJALシティ田町」にて行われる。振り駒の結果、歩が4枚で石橋四段の先手に決まった。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) 1 7六歩(77) *対局が開始され、石橋四段はすぐに角道を開けた。 2 3四歩(33) *船戸二段はタオルを口元に当てて少しした後、角道を開けた。 3 6六歩(67) *石橋幸緒(いしばし・さちお)四段は1980年11月25日生まれ。東京都小金井市出身。LPSA番号は10。 *93年10月、女流2級。99年、19歳で初タイトルの女流王将を獲得。2004年9月、女流四段。10年3月、LPSA公認棋戦の第2期天河戦で天河位を奪取。 *同年5月にLPSA代表理事に就任。先頭に立って運営にあたる。書道は師範格で「開雲」の号を持つ。どんな戦型も指しこなすオールラウンドプレーヤー。 4 8四歩(83) *船戸陽子(ふなと・ようこ)二段は1974年4月23日生まれ、東京都渋谷区出身。LPSA番号は18。 *居飛車・振り飛車何でも指しこなす早見えの攻め将棋。2008年7月にLPSAに入会。教室「マンデーレッスン」の講師を第1期から務める。また日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を持つ。88年3月、3級で女流棋士に。2000年4月に二段へ昇段。 5 6八銀(79) *本棋戦はLPSAと日本レストランシステム株式会社が主催になって行われている。 *日本レストランシステム株式会社は多業態型レストランチェーンの経営や輸入業および輸入品の販売を行っている。 *http://www.n-rs.co.jp/index.html 6 6二銀(71) *本棋戦の協賛は株式会社トーエル、キリンビール株式会社、中沢乳業株式会社の3社。 *株式会社トーエルはプロパンガスや、ハワイウォーターやアルピナウォーターの販売。他にエアコンのクリーニングなどのホームサービスを行っている。 *http://www.toell.co.jp/ 7 5六歩(57) *キリンビール株式会社は日本の大手酒造メーカー。ビールの他にもチューハイやウイスキー、世界初のノンアルコール飲料の「キリンフリー」などを販売している。 *http://www.kirin.co.jp/ 8 5四歩(53) *中沢乳業株式会社は生クリームや飲むヨーグルトなどを販売している。 *http://www.nakazawa.co.jp/ 9 4八銀(39) *やや変則的な手順だが、矢倉模様の将棋となった。 10 5三銀(62) 11 5八金(49) 12 8五歩(84) *このタイミングで飛先の歩を突き越すのは珍しい。 13 7七銀(68) 14 7四歩(73) 15 6七金(58) 16 6四銀(53) *船戸二段はクッとあごを引いて盤面を見据える。 *船戸二段は急戦を目指す。 17 7九角(88) *△7五歩▲同歩△同銀に▲4六角の反撃を用意した。 *ここで船戸二段が考えている。その間に、石橋四段が席を立った。△7五歩だけでなく、△5二飛から△5五歩を狙う指し方も考えられるところだ。 18 1四歩(13) *5分ほど使って指された。 19 7八金(69) 20 7二飛(82) 21 4六角(79) *先手は▲5七銀〜▲6五歩△7三銀▲6六銀右となると上部が厚い好形になる。 22 7三桂(81) *△8五歩・△7三桂の組み合わせは駒がさばきにくいとされている。船戸二段の構想が注目される。 *△7五歩▲同歩△8五桂といったさばきが利かないからだ。 23 5七銀(48) 24 5五歩(54) *角の狭さをとがめに行く。 25 5八飛(28) 26 5二飛(72) *変則的だが相中飛車となった。駒が偏り気味な先手陣と、金銀があまり動いていない後手陣。 *先手は▲3六歩〜▲3七角と進めば、角が戦場から遠ざかって安心できる。 27 7五歩(76) *石橋四段は5分ほど使ってすごいところからに手をつけた。消費時間は石橋10分、船戸13分。 *船戸二段もすぐには手が出ない。意表を突かれたのだろう。ジッと7五歩を見詰めている。石橋四段はパチンと扇子を鳴らす。 28 同 銀(64) *△同歩は▲5五歩△同銀▲同角△同飛▲7四歩のような攻めが嫌だったのだろう。 29 5五角(46) *角を持てば▲8三角があるのでガンガン行く。 30 7二金(61) 31 3六歩(37) 32 6四銀(75) *激しくなりそうな進展だったが、ここで▲2八角や▲3七角と引けば穏やかになる。 *ここで14時30分。日本レストランシステムの大林豁史会長が観戦に訪れた。日本レストランシステムは将棋部があり、アマチュア大会で活躍している。LPSAのペア将棋選手権では、将棋部の選手が毎回出場している。 33 2二角成(55) *積極的にグイグイ行くのが石橋の棋風。簡単には駒が下がらない。 34 同 銀(31) 35 4六銀(57) 36 3三銀(22) *先手の動きに乗って、自然に銀を活用できた。 37 5五歩(56) 38 4四銀(33) *カニカニ銀もどきの陣形となった。 39 5四歩(55) *△5五歩で歩が危ないが。 40 5五歩打 41 3七桂(29) *石橋四段は強気な指し回しを見せる。△5四飛には▲4五銀や▲2二角がある。 42 3三桂(21) *14時40分。船戸二段はひざの上に扇子を立てて、その上に右ひじを乗せて考えている。石橋四段は時おりうなずきながら考えている。 *△3三桂は4五に先手の駒を出させないようにしたもの。ただし、▲3五歩の筋は怖いところだ。 *両者の攻める棋風がよく出た展開になっている。駒が上がるか引くかの選択では駒が前に出ることが多い。石橋四段はここで13分以上考えている。40分の持ち時間では長考の部類に入る。考慮中に残り8分を切った。攻めるなら▲3五歩や▲7六銀〜▲6五歩あたりか。守るなら▲6八玉〜▲7九玉。 43 6八金(78) *14分以上考えて指されたのは▲6八金寄。中央を固め、▲6九玉〜▲7八玉を視野に入れる。 *14時55分、残り時間は石橋7分、船戸19分。 44 1三角打 45 3五歩(36) *後手が角を手放した瞬間にアタック。△同歩なら▲3四歩△3六歩▲3三歩成で先に桂を取れる。桂を助けるなら△同銀だ。 46 同 銀(44) 47 5五銀(46) *後手の駒を重くする。 48 同 銀(64) 49 同 飛(58) 50 4四銀(35) 51 5八飛(55) *△5七歩▲同金寄△5四飛が見えているが仕方ないのだろう。 *後手は△3六銀も魅力的だが、いますぐ打つのは▲5三銀が怖い。 *船戸二段は口元を引き締めて前傾姿勢になった。船戸二段の考慮中に15時となった。 52 5七歩打 53 同 金(68) *石橋四段はここ数手ノータイム。43手目▲6八金寄からの読み筋なのだろう。 54 3六銀打 *このタイミングで銀を投下。石橋四段は「んっ」という表情になって、いすから身を起こした。 *※「△3六銀は実戦的な手でしたね」と早咲アマ。 55 5三銀打 *残り時間は石橋1分、船戸13分。船戸二段は席を立ち、お茶をいれていたが、少しして戻ってきた。 56 同 銀(44) *席に戻ってすぐに取る。 57 同 歩成(54) 58 同 飛(52) 59 5四歩打 60 同 飛(53) 61 7六角打 *石橋四段はピシピシ進めた。△5三飛は▲5四銀、△4四飛も▲4六金や▲5三銀がある。 *ただし、ここは反撃のチャンスではある。 62 6五銀打 *強手で手番を取りに行く。船戸二段の棋風がよく出ている。 63 同 歩(66) *△7五歩で角が詰んでいるが。 64 3七銀成(36) *盤の左側に手が伸びた。△4五桂を狙ってこちらも厳しい攻めだ。 *15時12分、石橋四段は1分将棋に。前傾姿勢で盤面を見据える。船戸二段は残り8分。 65 5五歩打 66 4四飛(54) 67 5三銀打 68 4七成銀(37) *石橋四段が前傾姿勢になっている。激しい攻め合い。 69 4四銀成(53) 70 5八成銀(47) *相居玉ということは互いに飛車に弱い格好。▲同金なら△7九飛があるし、▲同玉は△4四歩〜△4五桂の当たりが強い。 71 同 金(57) 72 4四歩(43) *駒の損得は先手が銀桂交換の駒得。ただし、この瞬間は角の働きに差がある。 73 6四歩(65) *というわけで角を使う。▲4三角成が詰めろだ。 *▲8一飛とされることを考えると、△6五桂打とはしにくいか。 74 7九飛打 *石橋四段が盤面に顔を近づける。 75 6九銀打 *▲6九飛は△同飛成▲同玉△7九飛でトン死。 *▲4八玉は△4五桂で△3七銀や△5七銀が厳しそうだ。 76 5七歩打 77 8一飛打 78 6一桂打 *バシッと高い駒音で着手した。 79 5七金(67) *△4五桂は詰めろではないので▲4三角成が利く。▲4三角成が利けば、どこかで▲6八銀も聞きそうだ。 80 6五銀打 *角を攻める。ただし、手番は石橋四段に渡る。 81 6三歩成(64) *いま攻めなければ、攻めるタイミングはない。 82 同 金(72) *両者、険しい表情。石橋四段は前のめりになっている。 83 7二銀打 *▲6四歩や▲4二歩はいまいち見たようだ。15時28分、船戸二段も1分将棋に入った。 *隣で行われている中井−蛸島戦も終盤戦。 84 6二金(63) 85 6一銀成(72) 86 同 金(62) 87 5三桂打 *厳しい両取り。 *※ここは▲6五角△同桂▲5三銀と攻めた方が良かった。▲4三桂や▲6三桂の1手詰が受けにくく、△5二銀も▲4三桂△同銀▲6二歩で受けがなかった。△3七角は▲4八歩で良い。 88 5二銀打 *後手後手の受けになっており、これは攻める手番が回らない。 89 4一桂成(53) 90 同 玉(51) *▲4三歩が受けにくそうだ。△3二玉は▲6五角△同桂▲6一飛成△同銀に▲4二金以下詰み。 91 4三歩打 *船戸二段は小さくうなずいた。 *※「玉を追う寄せになってまずかった」と石橋四段。 92 3二玉(41) 93 6五角(76) 94 同 桂(73) 95 6一飛成(81) *これが詰めろでは、後手陣は受けにくい格好だ。 *※先に▲6一飛成△同銀▲6五角も考えていたという。しかし、1三角がさばけると後手玉が広くのが気になる。 96 3七角打 *▲4八歩が利かない一瞬をとがめた。 *▲4八銀なら△6一銀が利く。かといって、▲6八玉は△7七桂成▲同桂△7六桂でこれは先手玉が詰んでしまう。 97 4八銀打 *さすがに▲4九玉も△6九飛成▲3八玉△2九銀で詰んでしまう。仕方がなかった。 98 6一銀(52) *船戸二段、危機を脱した。逆に石橋四段がピンチだ。 99 3七銀(48) 100 2九飛打 *厳しく追撃。▲4九金や▲4九角はやはり詰めろが消える。 101 3九歩打 *力を込めて着手。 102 同 飛成(29) 103 4九金打 *△5七桂成が▲3九金に△4七桂を見て厳しそうだ。 *93手目▲6五角で決まったかに見えたが、△3七角の返し技が厳しかった。 104 5七桂成(65) *秒読みとあって、着手は慌て気味だったが、先手玉に詰めろをかけた。 *石橋四段、「はぁ」と息をついた。チェスクロックのブザーが鳴る。 105 4一角打 *慌て気味に王手。船戸二段は前のめりになっている。 106 2一玉(32) 107 3九金(49) *開き直る。 *さあ、先手玉が詰むかどうか。 108 5八成桂(57) *石橋四段が天を見上げた。そして、うつむく。船戸二段は先手玉を見詰める。ここで石橋四段の投了となった。▲同玉に△5七金▲4九玉△6九飛成▲3八玉△4七金打▲2八玉△3九竜と攻めて詰む。 *終局時刻は15時45分。消費時間はともに40分(チェスクロック使用)。船戸二段が乱戦を制して、初の決勝進出を決めた。「そうか、うっかりしていました。歩が利かないのか」と石橋四段。 *大盤解説場で「家族にカニカニ銀を説明したら『こんな指し方はないだろう』と言われたので、これで見せることができました。石橋さんが島井さんに勝たれた将棋を見て、最後まで大変だと思って指しました」と船戸二段。そして、「本日もご協賛のスポンサー各社様、そして早くからお集まりのみなさま、どうもありがとうございました。中井六段とこの日レス杯での決勝戦は初めてなので、思い切ってドーンと爆発してはじけたいと思います」と決勝戦への抱負を述べた。 109 投了 まで108手で後手の勝ち