# --- Kifu for Windows V6.32 棋譜ファイル --- 開始日時:2009/1/20 10:00 終了日時:2009/1/20 14:43 棋戦:第1期天河戦 持ち時間:2時間 消費時間:101▲107△120 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:中井広恵六段 後手:船戸陽子二段 手数----指手-- *第1回天河戦本戦1回戦。予選Bブロックを2連勝で通過した中井広恵六段とCブロックを2勝1敗で通過した船戸陽子の対戦。持ち時間はチェスクロック使用で各2時間、秒読みは60秒。対局開始は1月20日10時。 * *9時50分両者着席、上座の中井が駒袋を開ける。両者とも大橋流で駒を並べた。 *9時55分、記録係が振り駒した結果、歩4枚出て中井が先手となった。 * * *(棋譜・コメント入力=青龍) 1 2六歩(27) *対局開始の礼から30秒ほど時間をかけて▲2六歩と突き出した。 2 3四歩(33) *対する船戸も20秒ほど時間をかけて角道を開ける。 3 7六歩(77) *中井広恵(なかいひろえ)女流六段:1969年6月24日生まれ、北海道稚内市出身。1981年11歳で第6回小学生名人戦準優勝。1983年奨励会に入会し、2級まで昇級(1990年退会)。1981年女流2級でデビュー、28年目。 *2002年女流六段。タイトル獲得は女流名人9期、女流王将4期、女流王位3期、倉敷藤花3期の計19期。棋戦優勝はレディースオープントーナメント4、鹿島杯3。 *LPSAの代表理事の要職を務める。夫は植山悦行七段、女児3人を設ける。 *著書「鏡花水月」は第17回将棋ペンクラブ大賞に輝いた。 4 4四歩(43) *船戸陽子(ふなとようこ)女流二段:1974年4月23日生まれ、東京都渋谷区出身。1988年女流3級、2000年女流二段。居飛車党で早見えの攻め将棋。教室「マンデーレッスン」の講師を第1期から務める。日本ソムリエ協会認定ソムリエの資格を持つ。マイクロソフト社のサイト「INNO.」にて巻末コラム「マイ デジタル ワイン ライフ」連載中。 5 4八銀(39) *予選Bブロックの中井は、1回戦で山下カズ子五段、2回戦で中倉彰子初段をそれぞれ破って2連勝で予選を突破した。 6 3二銀(31) *予選Cブロックの船戸は、1回戦で成田弥穂アマ王位に負け、2回戦で鹿野圭生初段に勝ち、1勝1敗決戦で藤田麻衣子1級を勝ち、予選突破となった。 * *居飛車、振り飛車を明示しない銀上がり。△4二銀だと相矢倉になるが、△3二銀だとやや矢倉にはしにくい。 7 5六歩(57) *時間をかけずに着手。対居飛車でも対振り飛車でも損はない手。 8 4三銀(32) *銀を上がる。ここから居飛車だと玉形が悪くなるため、振り飛車が濃厚だ。 9 5八金(49) *中央を厚くする。居飛車は、相手の飛車を振った位置で対策を決めれば良い。 10 5四歩(53) *▲5五歩と位を取られると途端に窮屈になる。 *消費時間は、▲中井4分、△船戸12分。 11 2五歩(26) *飛車先を伸ばす。いつでも▲2四歩が生じる。 12 3二金(41) *なんと、飛車先交換を受けない。飛車先交換をわざとさせてその手を逆用しようという手か。 13 7八銀(79) *左美濃が完成。これで先手は強く戦える。 14 5二飛(82) *2筋を逆用するためには、△5二飛から△5一飛〜△3三桂〜△2一飛などと転回する。 15 2四歩(25) *居飛車の権利、飛車先交換をここで行使。 16 同 歩(23) *取らない手を考えるのはコンピュータだけ。素直に応じる。 17 同 飛(28) *取らなければ2三金と防がれる。飛車先を軽くして1歩持つ。これは大きな価値になる。 18 2三歩打 *受けない手もあるが、▲2八飛〜▲2四歩〜▲2三歩成があるので先に受ける。 19 2八飛(24) *一番当たりの少ない2八へ。2六飛だと、△4五歩から角交換して△4四角などの筋がある。 20 6二玉(51) *玉を移動させる。穴熊か美濃か。 *消費時間は、▲中井8分、△船戸14分。 21 5七銀(48) *持久戦指向の銀上がり。 22 7二玉(62) *もっと深くへ。 23 6八玉(59) *先手も美濃の奥へ潜る。 24 8二玉(72) *ここまで来れば一気に攻め立てられることもない。 25 7九玉(68) *角にヒモをつけつつ、玉が隠れる。 26 7二銀(71) *美濃囲いが完成。後手の方が玉形が薄いが、全体的なバランスは良い。 27 7七角(88) *さらに玉形を良くしようという動き。先手からは攻めるポイントは現状ない。 28 9四歩(93) *端を打診。ここで価値が薄くても、最終局面で何手分も生きてくる。 29 9六歩(97) *それは居飛車側も同じ。素直に応じる。 30 6四歩(63) *消費時間は、▲中井14分、△船戸18分。 31 6六歩(67) *△6五歩と付かれると争点が増える。▲6六歩と付くことで玉形を発展させられる可能性が上がる。 32 5五歩(54) *角道が止まった今、後手から仕掛ける。 33 同 歩(56) *すぐに応じる。 34 同 飛(52) *世はインフルエンザが大流行。両者とも咳き込む場面が多い。 *この局面で中井が長考している。 35 6五歩(66) *10分以上の考慮の末に角を当てる。△6五同歩は▲5五角。△6五同飛は飛車が苦しい。 *▲6四歩を受けるためには△5四飛だが▲5五歩で非常にまずい。強く戦うなら△4五歩と角でヒモをつける。そうなると大乱戦になる。 36 5一飛(55) *歩損になるがおとなしく引き下がる。▲6四歩と取り込まれてもすぐには成果は出ない。取り返そうと思えば△3一角〜△6四角など転回もできる。 37 6四歩(65) *ひとまず歩得で大きな利かしのために▲6四歩と取り込んだ。 38 3一角(22) *手順にうまく角を働かせる。▲4六歩〜▲4五歩が見えるが、△3三桂で大丈夫。 39 8六角(77) *6四の歩にヒモを付ける。△6四角と出られると後手の攻め筋に困らない。 40 3三桂(21) *ほぼノータイムで桂上がり。△4五桂〜△5六歩など5七の地点へ殺到することでで十分の切れ味になる。 *消費時間は、▲中井44分、△船戸37分。 41 6七金(58) *中央の受けの手。△4五桂〜△5六歩には▲5八歩や▲5八飛と受けることもできる。 42 5四銀(43) *中央に圧力をかける。次の狙いは△6五銀。△5六歩や△6六歩など攻め筋は多い。 43 5六歩打 *この手を見て、船戸が「ふむ」とため息をつく。 *△6五銀〜△5六歩となると先手は酷いので先に受ける。 44 5五歩打 *果敢に攻める船戸。 *▲同歩△同銀▲5六歩は△6六歩▲6八金△5六銀と取り込める。 * *記録係の「中井先生残り1時間です」の声に「はい」と答えた。 45 6六銀(57) *△6五歩には▲5五銀とぶつけて、▲6三銀を楽しみにするということだろうか。 46 5六歩(55) *▲5五歩となると銀が困るので歩を取り込む。放置すると△4五桂など。 47 同 金(67) *ノータイムで金を出る。何か技がかかりそうな局面だが。 *単純に△4五銀では▲5五金と上がれば追撃がなくあまり意味がないだろう。 *△6五歩からが本線だろうか。 * *この局面で船戸が18分考えたところで昼食休憩となった。再開は13時から。 *ここまでの消費時間は、▲中井1時間10分、△船戸1時間。 * *再開10分前に船戸が席に戻り、体を揺らしながら考えていた。5分前には中井も席についた。 48 6五歩打 *再開の1手は予想通り△6五歩。 49 7七銀(66) *金が完全に浮いてしまうが、こちら側に避けた。 *局面さえ落ち着いてしまえば玉形も堅く、歩得が生きる。 50 8四歩(83) *桂を渡した時に▲7五桂の筋も気になるが懐を広げる。 *先手角を追って△6四角と出れば、盤石の体制になる。 *消費時間は、▲中井77分、△船戸64分。 51 5八飛(28) *金にヒモをつける。 52 1四歩(13) *何気ない端歩。しかし△1三角で王手になる。 53 8八玉(79) *王手で角を覗かれるのを避ける。しかし△7四歩から角が死にそうではある。 54 1三角(31) *前述の△7四歩から角を追う筋は、▲6三歩成△同銀▲3一角成がある。角交換を避けつつ、攻撃に利かせる手。歩が手に入ると相当な攻撃力になるだろう。 55 4六歩(47) *じっとうける。 *歩があれば△5五歩なのだが、その歩がない。▲5五歩△4三銀となれば先手に憂いはなくなる。 *既に20分考えている船戸は、残り時間30分を切った。 *攻め合いに持ち込むなら△4五歩▲5五歩△4六歩▲5四歩△4七歩成だが、これは後手が上手く行き過ぎているか。 56 8五歩(84) *熟考の末、角の行き場を打診。 57 7五角(86) *10秒ほどで▲7五角。▲9七角だと△9五歩▲同歩△同香がある。 58 7四歩(73) *さらに追う。 59 3九角(75) *一番深いところへ。玉のコビンが空いたので角は反対側から使った方が効率がよい。 *△3一角と歩取りに戻りたいが、▲5五歩△4三銀▲6五金で押さえ込み成功となってしまう。 60 7三玉(82) *大胆不敵! 玉で6四の歩を取りに行く。 *消費時間は、▲中井1時間25分、△船戸1時間39分。 61 5五歩打 *▲6五金となれば△6四玉とできない。まずは銀を払う。 62 4三銀(54) *ノータイムで銀を下がる。 63 6五金(56) *当然上がる。 64 4六角(13) *念願の歩を手にいれた。 65 5六飛(58) *慌てず角を追う。 66 2四角(46) *引き場所は1三、2四のどちらかだが、2四に引いた。 67 5四歩(55) *単純に▲5三歩成が厳しい。 68 4二金(32) *手順に金が近寄れたが、5筋6筋の歩の拠点が余りにでもでかい。 69 7五歩(76) *痛すぎる筋。取れば▲7四歩。取らなくても▲7四歩や▲7四金。玉あたりが激しい。 70 5七歩打 *焦点の歩。取れば後手も大分楽になる。 *消費時間は、▲中井1時間30分、△船戸1時間44分。 71 7四歩(75) *しかし取り込まれると厳しい。7筋にも拠点が出来た。 72 8三玉(73) *当たりの少ない横に逃げる。 73 7六銀(77) *全軍躍動。8五の歩が助からない。歩以外の駒のやりとりは発生していないが中井優勢だろう。 74 6二金(61) *中央を厚くする。 75 8五銀(76) *たかが3歩得。しかし厳しすぎる3歩得だ。後手に手がない。 76 8二玉(83) *早逃げする。 77 8四銀(85) *狙いは▲8六飛など。歩の受けが利かない。 78 7一玉(82) *さらに早逃げ。 79 7七桂(89) *後手に歩があれば攻められる心配があるが、現局面では安心して飛べる。単純に▲8五桂が厳しい。 80 6一玉(71) *△5二玉〜△4一玉〜△3二玉となれば左玉の格好。拠点の反対側へ逃走開始。 *消費時間は、▲中井1時間39分、△船戸1時間51分。 81 5五金(65) *反対側に逃げようとするのを見て、▲6五桂をみせた。 82 5二玉(61) *構わず逃走。安住の地を求めて、西へ東へ。 83 2二歩打 *辛い。△4一玉には▲2一歩成。 *△3二銀と引けば、5三の地点の当たりが強くなる。 *船戸はこの局面で持ち時間を使い果たし、1分将棋の秒読みに入った。 84 3二銀(43) *玉を逃がすために仕方がない。 85 6五桂(77) *あたりが強くなったところで桂跳ね。5三の地点は数が多いが、高い駒しかない。 86 4一玉(52) *逃げる。△2二玉となればひょっとする。 87 4四金(55) *5三の地点は4対3。受けがない。 88 4三銀(32) *残り5秒まで読まれて迷いながら銀をぶつけた。 89 5三歩成(54) 90 4四銀(43) 91 4二と(53) 92 同 玉(41) 93 4三歩打 94 同 玉(42) 95 5一飛成(56) 96 5二金打 97 4二飛打 98 同 金(52) 99 5四金打 100 3二玉(43) 101 2一龍(51) *この手を見て船戸はすぐに投了を告げた。 *消費時間は、▲中井1時間47分、△船戸2時間。 *勝った中井は、島井咲緒里初段−松尾香織初段戦の勝者と準決勝で戦う。 102 投了 まで101手で先手の勝ち