# ---- Kifu for Windows V6.29 棋譜ファイル ---- 開始日時:2009/12/13 14:00 終了日時:2009/12/13 15:50 棋戦:第2期天河戦予選 持ち時間:0時間40分 消費時間:116▲40△40 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:松尾香織初段 後手:小野ゆかりアマ 手数----指手-- *第3期天河戦予選Cブロック2回戦、松尾香織初段−小野ゆかり女子アマ王位戦。組み合わせ抽選はトランプで決められた。予選は2勝通過2敗失格システム。1回戦で山下五段を降した松尾は勝てば予選通過。中倉宏二段に敗れた小野さんは、勝って3戦目に望みをつなげたい。振り駒は歩が4枚で松尾の先手に決まった。持ち時間はチェスクロック使用で各40分、秒読みは一手60秒。対局開始は14時から。 *開始20分以上前から小野アマは着座していた。「まだ時間があるのでゆっくりで結構ですよ」の声に「かえって落ち着かないんです」と笑顔で応じていた。 * *(棋譜・コメント入力=桜木) 1 7六歩(77) *開始の合図で「お願いします」と一礼。すぐに松尾は▲7六歩を着手した。 2 3四歩(33) *対局場は東京の「LPSA駒込サロン」。2回戦の3局が一斉に行われている。窓の外は曇り空。 3 6六歩(67) *松尾香織(まつお・かおり)初段は1974年7月30日生まれ。広島県下蒲刈島(呉市)出身。LPSA番号16。埼玉大学将棋部時代に主将を務め、1994年春季関東学生女流戦優勝。愛用はゴキゲン中飛車。中盤での軽いさばきを得意としている。趣味は絵画、華道、登山。夫は日本将棋連盟棋士の松尾歩七段。歩と香の夫婦だ。 4 3三角(22) *小野ゆかり(おの・ゆかり)さんは2007年と09年度のアマ女王。今年度の第3期マイナビオープン戦にも出場している。得意戦法は四間飛車。趣味は茶道。第2回女子アマ王位戦で優勝し、本棋戦の参加資格を得た。 5 7八銀(79) *松尾は淡い桃色のワンピース姿。手元にはコーヒーが置かれている。 6 2二飛(82) *小野さんは高校の制服で本局にのぞんでいる。盤側にはなにか飲み物が入ったポットが置かれている。昼休時は同じく高校生の渡部愛ツアー女子プロとにぎやかに話していた。 7 6七銀(78) *松尾は1回戦は山下五段と対戦。中飛車から序盤の一失をとがめ、攻め続け勝っている。本局を勝てば2連勝で文句なしの予選通過だ。 8 4二銀(31) *小野さんは1回戦で中倉宏二段と対戦。十八番の四間飛車を採用したが、中倉の居飛車穴熊に惜敗。本局を勝って予選通過に望みをつなげたい。 9 7七角(88) *昨年度の第1期天河戦は、女子アマ王位の肩書で出場した成田弥穂さんが決勝3番勝負まで進出し、大きな話題を呼んだ。小野さんもその活躍に続けるか。 10 7二銀(71) *松尾は第1期天河戦はベスト4に進出している。準決勝では優勝した中井天河に敗れたが、今期はどこまで勝ち進めるだろうか。 11 8六歩(87) 12 6二玉(51) 13 8八飛(28) *振り飛車党の両者の対戦は相振り飛車。相向かい飛車となった。 14 7四歩(73) 15 5六銀(67) *揺さぶりの銀。放置したら▲4五銀で3四の歩を狙う。 16 4四歩(43) *角道は止まるがおとなしく受け、じっくりとした駒組みを目指す意図だろう。 17 3八銀(39) 18 2四歩(23) 19 3六歩(37) *△2五歩には▲3七銀を用意し、2筋の歩を交換させない。 20 5二金(41) 21 4八玉(59) 22 7一玉(62) 23 5八金(69) 24 7三銀(72) 25 3七銀(38) 26 7二金(61) 27 3八金(49) *どちらも矢倉系の駒組み。上部を手厚く構えている。相居飛車に似ている。 28 1四歩(13) 29 1六歩(17) *位負けしないようにすぐに受けた。 30 4三銀(42) 31 3九玉(48) 32 5四銀(43) 33 6五歩(66) 34 9四歩(93) 35 9六歩(97) *ここまでの消費時間は松尾8分、小野さん7分。 36 4二飛(22) 37 6八飛(88) *同じような陣形。唯一の違いは▲6五歩と先手の角道が通っているところ。△4五歩から角交換になれば、角換わり腰掛け銀を左右反転したような戦いになる。 *ほほに手を当てて小野さんが考えている。 38 1二香(11) *数分の長考の末、香をひとつ上がって渋く手を渡した。今度は松尾が考えている。小野さんは腕組みをして指し手を待っている。 *ここまでの消費時間は松尾16分、小野さん15分。開始から30分が過ぎた。 39 4八金(58) *数分の長考のお返しで金を寄る。玉を固めて攻勢を採る意図か。 40 2五歩(24) *大きな駒音で△2五歩。玉頭に歩が伸びるのは大きいが、△1三桂〜△2五桂の活用が消えて一長一短。小野さんはこの手を生かすように駒組みを進めなければならない。 41 2八玉(39) *玉を入城して守備陣は完成した。 *ここまでの消費時間は松尾22分、小野さん20分。 42 2四角(33) *△1二香〜△2五歩はこの手が狙いだった。次に△3三桂と跳べば4筋に攻め駒が集中する。 43 9七桂(89) *松尾は8筋保留を生かし、端から桂を活用していく。 44 3三桂(21) *両陣営とも攻撃陣が戦闘配置についてきた。決戦間近の雰囲気。 *ただ先手も▲8五桂を早く跳びすぎると△8二銀から△8四歩で「桂の高跳び歩の餌食」にされてしまう。タイミングが大事。 45 6九飛(68) *△5九銀の割り打ちを消しつつ形を整える。着手後、松尾は席を立った。小野さんは身を乗り出して読みを入れている。 46 1五歩(14) *少考の末、小野アマは端を突っかけた。いよいよ開戦。 47 同 歩(16) 48 同 香(12) 49 1七歩打 *▲1五同香も当然考えられたが、松尾はおとなしく歩を受けた。1歩を手持ちにした小野アマ。攻めるか待つか難しいところ。 50 4三銀(54) *一度出た銀を引く屈伸戦法。3四に利かせて△3五歩▲同歩△同角の狙いがある。△1二飛〜△3五歩▲同歩△同角で1筋に殺到する順も考えられそうだ。 51 6六角(77) *じっと形を直す。下手に駒を渡すと後手の猛攻を誘発するおそれがある。受け将棋の松尾はじんわりとした指し手を苦にしない。 52 3五歩(34) *どんどん動く小野さん。3筋の歩を切れば△3七歩が生じるため、△4五桂と跳ねやすくなる。 53 同 歩(36) 54 同 角(24) *ここで▲1六歩が利くかどうか。香をタダで取れれば一気に形勢が傾くが。 55 3六歩打 *おとなしの構え。自玉頭で戦うのは危険が大きいと見たか。 56 2四角(35) *△2四角はノータイム。無事に3筋の歩を手持ちにし、小野さんがポイントを挙げた格好。 57 7五歩(76) *松尾も動く。放置すれば▲8五桂から▲7四歩と取り込める。 58 同 歩(74) 59 同 角(66) 60 7四歩打 61 6六角(75) *7筋に歩が利くようになって、9七の桂が楽になった。ここまでの消費時間は松尾31分、小野さん35分。 *山下五段と島井初段の一戦が終了したようだ。 62 3二飛(42) *小野さんはやや苦しげな表情。なかなか攻め駒の照準が合わない。 63 1六歩(17) *手持ちの1歩を生かす動き。 64 同 香(15) 65 1七歩打 *△1七同香成なら▲同玉として香を取りきってしまう意図。▲1六同香△1五歩と進めては面白くない。 66 同 香成(16) 67 同 玉(28) *形は乱れたが、収めてしまえば駒得が大きい。 68 4五桂(33) *桂を跳んで勝負。 69 同 銀(56) 70 同 歩(44) 71 2八玉(17) *形を直して手を渡す。ここで小野さんは40分の持ち時間を使い切り一手60秒の秒読みに入った。松尾は5分を残している。 72 3三角(24) 73 同 角成(66) 74 同 飛(32) 75 8五桂(97) *気持ちのよい桂跳ね。先手陣の駒効率がよい。 76 8二銀(73) *つらいがチャンスを待つ姿勢。 77 6四歩(65) 78 同 歩(63) 79 同 飛(69) *歩切れを解消しつつ、1〜2筋への飛車の転換を狙っている。先手は攻め駒がさばけ堅い囲いが残っている。 80 3五歩打 *▲6四飛を目標に反撃する。▲3五同歩なら△3六歩から△5五角だ。といって△3六歩と取り込まれると銀の逃げ場がない。松尾は口もとに手を当てて考えている。 81 2四飛(64) *目標の飛車を逃げる。▲6四桂もあって先手は攻めに困らない形。 82 3六歩(35) 83 2一飛成(24) *王手。 84 6一歩打 *底歩で頑張る。 85 6九香打 *香は底歩の天敵。 86 3七歩成(36) *ボロッと銀が取れたのは大きそうだ。 *松尾も持ち時間を使い切り、両者1分の秒読みとなった。 87 同 金(38) *小野さんは▲6一龍の1手詰みを受けなければならない。 88 3一歩打 *△3六歩がなくなるのは残念だが、背に腹は代えられない。 89 2四龍(21) *止められた龍の利きは直ちに回復させるのがセオリーだ。 90 5五角打 91 6四桂打 *厳しい追撃。ただ桂を渡すと△3六桂の一撃に注意。 92 6三銀打 *桂先の銀。駒損していないので頑張り甲斐はある。 93 3三龍(24) *取りたくないが自玉から大駒の利きをそらす意味。 94 同 角(55) 95 7二桂成(64) 96 同 銀(63) *後手陣もまだまだ耐久力がありそうだ。 97 7三歩打 98 同 銀(82) 99 同 桂成(85) 100 同 桂(81) *駒の損得はなし。松尾どう攻めをつなげるか。 101 6四銀打 *銀を置く。攻めというよりも△5五角を防いだ手だろう。 102 2四桂打 *小野さん、待望の反撃。次の△3六桂打は早い。 103 3六歩打 *△3五歩としてしまうとアウトなので注意。△4四桂か△1六桂打か。 104 1六桂打 *小野さんの攻めがつながってきた。 105 同 香(19) 106 同 桂(24) *玉の逃げ方が悩ましい。 107 3八玉(28) 108 2八銀打 *俗手で迫る。△3九飛までの詰めろ。単純だけに受けが難しい。▲4九玉には△7七角成の挟撃がある。 109 4九金(48) *金を引いて耐える。 110 3七銀成(28) *痛い。▲3七同桂は△1八飛で詰み。▲3七同玉は△1五角。 111 同 玉(38) 112 1五角(33) *▲3八玉は△2八金まで。 113 2六桂打 *悔しいがこれしかない。 114 同 歩(25) *駒得しながら△2七歩成▲同玉△2六飛からの詰めろ。 115 同 歩(27) 116 2八飛打 *▲3八銀は△2六角まで。いよいよ受けが難しそうだ。ここで松尾が「負けました」と告げた。「序盤悪かったですよね」と小野さん。「うーん…終盤、冷静になれれば…」と松尾。 *小野さんが終盤見事な追い込みを見せた。両者1勝1敗となり、17時からの3回戦に予選通過を懸けることになる。 117 投了 まで116手で後手の勝ち