# --- Kifu for Windows V6.34 棋譜ファイル --- 開始日時:2010/01/05 10:00 終了日時:2010/01/05 14:45 棋戦:第2期天河戦本戦1回戦 持ち時間:2時間 消費時間:129▲98△120 場所:駒込サロン 手合割:平手   先手:石橋幸緒四段 後手:小野ゆかりアマ 手数----指手-- *第2期天河戦は2009年12月に予選がおこなわれ、7人が本戦トーナメントに進出。1回戦ではまず、石橋幸緒女流四段と小野ゆかり女子アマ王位が対戦する。 *振り駒の結果、「歩」が3枚出て石橋四段の先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 7六歩(77) *午前10時、対局開始。 2 3四歩(33) *小野さんは振り飛車党。 3 2六歩(27) *何でも指せる石橋四段。今日は居飛車の態度。 4 4四歩(43) *小野さんは現在高校2年生。来年は大学受験で、今から忙しいそうだ。 5 4八銀(39) *本局の勝者は翌々日におこなわれる蛸島彰子五段−渡部愛TJP戦の勝者と準決勝で対戦する。 6 4二飛(82) *小野さん、得意の四間飛車に。 7 5六歩(57) 8 7二銀(71) 9 6八玉(59) 10 9四歩(93) *早めの打診。 11 9六歩(97) *ここを受けると、穴熊ではない可能性が高い。 12 6二玉(51) 13 7八玉(68) 14 7一玉(62) 15 5八金(49) 16 3二銀(31) *開始から10分経過。ここまでの消費時間は両者5分。 17 3六歩(37) 18 5二金(41) 19 5七銀(48) 20 3三角(22) 21 2五歩(26) 22 8二玉(71) 23 5五歩(56) *昔なつかし、5筋位取り。おそらくや、小野さんはほとんど指された経験がないだろう。 24 4三銀(32) 25 5六銀(57) *位を取ったら位の確保。 26 1二香(11) *あらかじめ角筋を避ける。現在では振り飛車の常識となっている一手だが、指され初めた頃はそうではなかった。 27 1六歩(17) *かつてはよく「居飛車の税金」と言われた一手。不急のようであまり指したくはないが、将来の△1五角を防いでおく。 28 6四歩(63) *美濃囲いに発展性を与える大きな一手。また一般的に、この歩を突いておくと、美濃囲いの強度が高まるとされている。ただし、かなりの上級者であっても、「美濃囲いは平べったい方がいい!」という方もいる。そのあたり、好みの問題でもある。将棋は自由度が高い。 29 8六歩(87) *左美濃に組む狙い。この左美濃+5筋位取りという構え、一昔前のアマトップの対局などでも見られた。 30 7四歩(73) 31 8七玉(78) *ここまでの消費時間は石橋14分、小野21分。 32 6三金(52) 33 7八銀(79) 34 8四歩(83) *相手の左美濃玉にプレッシャーをかけながら、銀冠への組み換えを目指す。 35 7九角(88) *引き角にして活用。場合によっては▲2四歩△同歩▲同角△2二飛▲3三角成△2八飛成▲4三馬の決戦を狙う。ここで振り飛車側が△2二飛と受けてくれれば、かなりの利かしとなる。 36 2二飛(42) *大事をとった。 37 3七桂(29) *ノータイム。▲4六歩から▲4五歩と自然な前進をはかれるのが5筋位取りのいいところ。 *ところで石橋四段の口元左下には、ばんそうこうが貼ってある。いわく、「かみつかれた」とか。何にかみつかれたのかはわからない。 38 7三桂(81) 39 6六歩(67) *先手陣はのびのびとした構え。ここまで進んでみると、5筋の位は大きい。 40 5四歩(53) *当然ながら、どこかで突いてみたい。 41 同 歩(55) 42 同 銀(43) *一歩を手にする。 43 5五歩打 44 4三銀(54) 45 6七金(58) *先手陣もまた高美濃完成。金銀4枚のうち、盤面左側の金銀3枚は同じポジション。違うのは5六銀と4三銀で、この姿の違いの分だけ、居飛車側を持ちたいという方が多いだろうか。 46 8三銀(72) *銀冠に組み替えて、玉の堅さを主張。 47 4六角(79) *ノータイムで好位置に据える。▲4六歩とも伸ばしてみたいところだが、決断は早かった。 48 7二金(61) 49 7七桂(89) 50 4二角(33) *じっと待つ。 51 8八玉(87) *石橋四段は三段玉を直して、居飛車側もまた銀冠への組み替えを狙う。一方で、小野さんの方は次第に有効な手が難しくなってきたか。 *ここまでの消費時間は石橋18分、小野48分。 52 3三桂(21) *反発の狙いを秘めた桂跳ね。ただし1筋が薄くなるというデメリットもある。先手としては一歩を手にして、▲1五歩から▲1四歩△同歩▲1三歩が狙いの一つとなった。 53 2四歩(25) *チャンスと見れば果敢に動くのが石橋流。小野さんが取る一手の局面で考えているうちに、消費時間はちょうど1時間を過ぎた。石橋四段は20分。時間は大差がついた。 54 同 歩(23) 55 同 飛(28) *「これでいいのならば話は早い」とは中継の際によく使われるフレーズ。石橋四段はこれでいいと見ている。以下△2四同飛▲同角と飛車交換になれば、互いに飛車を打って、盤面右側の駒を取りにゆくことになる。そうなった場合、振り飛車側には残っている駒が多いから、居飛車よしはもちろん、自然な考え方。それでも飛車交換は相手に手段を与えるわけだから、決断を要する。 56 2三歩打 *「ひええええ」と記者は口にすることはできないが、それでも心中そう叫びたくなる。飛車交換ではダメとみた、若者らしい辛抱。 * *※両対局者とも飛車交換は先手よしで読みは一致。 57 2九飛(24) *居飛車側がこの折衝で得たプラスはあまりに大きい。 58 4五歩(44) *じっとしていては▲1五歩からの端攻めが来る。反発するならここよりない。 59 同 桂(37) *居飛車側はあくまで自然に対応。 60 4四銀(43) 61 3三桂成(45) 62 同 角(42) *振り飛車側はともかくも、盤面右側の桂がさばけたのは大きい。そしてチャンスを見て、さらなるさばきを狙う。居飛車側は▲4五歩と打ちたいが、それはお年玉。4筋は先手の歩が前に伸びてきていないだけに、4四銀はなかなか追うことができない。 *時刻は11時40分を過ぎた。ここまでの消費時間は石橋28分、小野1時間15分。昼食休憩は公式戦と同じく、12時10分から13時まで。 *ここまで軽快に飛ばしてきた石橋四段は手を止めて考えている。このまま昼食休憩か。 63 3五歩(36) *11時53分頃、石橋四段の手が動いた。またもアグレッシブにゆく。△3五同歩ならば3筋に歩が立つようになる。△3五同銀には、どうするのだろうか。 64 同 銀(44) 65 3七角(46) *ひらりとかわす。一歩損して後手をひいているようではおかしい、というわけではなく、相手の銀をそっぽにおびき出させて3筋の歩を切り、▲4五桂、▲4五銀、▲3二歩などの攻めを狙う意図か。 *12時10分、小野さんの手番で昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は石橋42分、小野1時間29分。(チェスクロック使用、持ち時間各2時間)。再開は13時から。 * *13時、対局再開。昼食休憩の50分は手番の小野さんの持ち時間とも言えるが、それでもここは難しいところ。すぐに手は出ない。小野さんの残り時間は30分を切った。 66 4四銀(35) *銀を中央に引き戻す。小野さんは残り24分を切った。 67 1五角(37) *熟慮の末、シンプルにぶつけた。石橋四段、残りは1時間7分。△1五同角▲同歩ならば▲1一角が残る。 * *※石橋四段は代わりに▲6五歩も考えたというが、反動も怖い。▲3二歩が有力だったか。 68 2四歩(23) *よって振り飛車側はここでも大駒交換を拒否。居飛車の継続手が注目される。 69 2五歩打 *こじ開けにかかる。居飛車対振り飛車の部分的な攻防のパターンは数多くあるが、これはあまり見ない類の筋だろう。 70 5五銀(44) *ピンチはチャンス。小野さん、ここでさばきにかかる。 71 同 銀(56) 72 同 角(33) *序中盤に大きく威張っていた先手の5筋の位はこれで解消。 * *※このあたり、小野さんが持ち直したか。 73 2四歩(25) *居飛車にとっては大きな取り込み。しかしこの一瞬、振り飛車側に何か手はないものだろうか。候補手は△5七歩(▲2三歩成ならば△2八歩)などだろうか。 * *※代わりにすぐ▲5六銀の方が安全だったか。 74 6五歩(64) *小野アマ、残り10分の時計の音を聞いて決断。石橋四段は残り55分。 75 5六銀打 *手厚く入れる。5五角はここが一番の好位置。どこに逃げるのか、態度を問うた。 76 6六歩(65) *この取り込みは通したい。小野さん、残り4分を切った。 77 5五銀(56) *強気に応じる。 78 6七歩成(66) 79 同 銀(78) *角金交換の駒損ながら、石橋陣の要の金を1枚はがして、手番は小野さん。時間をすべて使って、ここからは一分将棋となる。 80 6五桂打 *狙い筋のひとつ。反動もきついが、▲同桂△同桂の形は贅沢は言っていられない。 81 8九桂打 *中継担当者にとっては、「えっ」という一手。これはもしや。 82 7七桂成(65) 83 同 桂(89) *以下また△6五桂打▲8九桂となれば、千日手の可能性濃厚。 84 6五桂打 85 同 桂(77) *すぐに打開。 86 同 桂(73) 87 8九桂打 *これで大丈夫と見た。△7七桂打からの猛ラッシュがきけば面白いが。 * *※石橋四段はこのあたり堂々と指していたが、実は△7七桂打をうっかりしていた。そしてこう打たれてみると相当危ない。▲同桂△同桂成▲同玉△6五桂▲6六玉△6四銀が進行例。これは先手玉が寄っていてもおかしくない。小野さん、チャンスを逃したか。 88 5七桂成(65) *△7七桂打▲同桂△同桂成▲同玉△6五桂といきたいが、駒損のし過ぎなのだろうか。よくもわるくも、この一手か。 * *※前述の通り、△7七桂打が優った。 89 7八銀(67) 90 6七歩打 *後手も6筋の歩を突き、7三桂を跳ね出した反動で斜めのラインが開いている。怖いところだが、後ろを振り返っている余裕はない。 91 6六銀(55) *成桂取りとともに、▲5五角を狙う。△5六成桂の一手か。 92 6八成桂(57) *迷った手つきで、成桂を入る。 * *※まだしも△5六成桂だった。以下▲3七角ならば△4六歩と打てる。 93 3七角(15) *▲5五角には△6四桂の返し技などもあったのだろうか。遊んでいる角を引いて、単に王手。 94 7一玉(82) *合駒も難しい。 95 4四角打 *今度こそ王手飛車。石橋四段、残り40分。 96 6二飛(22) *これでいったんは防げるものの。 97 6四歩打 *キツい叩き。 98 6九成桂(68) *受けが効かないので開き直った。 99 同 飛(29) *あわてず騒がず。 100 5四金(63) 101 6二角成(44) 102 同 玉(71) *小野さん、何とか耐えて、一瞬の余裕を得たい。 103 6三歩成(64) 104 同 金(72) 105 5五桂打 106 6四桂打 *攻防手。 107 6三桂成(55) 108 同 玉(62) 109 6四角(37) *すっきりわかりやすく。 110 同 金(54) *先手玉は絶対に詰まない形。後手玉に詰めろを続けていけばよい。 111 6五歩打 112 同 金(64) *最後の勝負手。 113 同 銀(66) 114 5五角打 *これが攻防になっているかどうか。 115 7七桂打 116 6八銀打 *小野さんは△7九角以下の寄せを狙う。しかし残り33分もある石橋四段、ここは読みきれそうな局面だ。 *△7九角以下先手玉が詰まないのであれば、話は簡単。たとえば▲4二飛と詰めろをかけて、△7九角▲同飛△同銀不成▲9七玉でどうか。詰まないだろうが、△8五桂以下王手が続いて怖くもある。 117 6四金打 *詰ましにいった。詰んでいるのならばもちろん、もっと話が早い。 118 同 角(55) *どうやら後手玉は詰みのようだ。 119 同 銀(65) 120 同 玉(63) 121 6五飛打 122 5四玉(64) *▲3二角と打てば、網がしぼれる。 123 2一角打 124 4三歩打 125 4六桂打 126 4四玉(54) 127 5四金打 128 3三玉(44) 129 4三角成(21) *以下△2二玉は▲6二飛成、△2四玉は▲3四馬以下の詰みとなる。 *終了時刻は14時45分。消費時間は石橋1時間38分、小野2時間(チェスクロック使用、持ち時間各2時間)。 *勝った石橋四段は準決勝で、蛸島五段−渡部TJP戦の勝者と対戦する。 130 投了 まで129手で先手の勝ち