# --- Kifu for Windows V6.40 棋譜ファイル --- 開始日時:2011/1/18 14:00 終了日時:2011/1/18 16:10 棋戦:第3期天河戦2回戦 持ち時間:1時間 消費時間:128▲60△60 場所:芝浦サロン 手合割:平手   先手:蛸島彰子五段 後手:大庭美樹初段 手数----指手-- *ベスト4を目指す2回戦最後の一局。振り駒の結果、「歩」が4枚出て、蛸島五段先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 7六歩(77) *初手▲5六歩も蛸島流。 2 3四歩(33) 3 6六歩(67) 4 3二飛(82) *大庭は三間飛車。 5 6八銀(79) 6 6二玉(51) 7 6七銀(68) 8 7二玉(62) 9 7七角(88) 10 8二玉(72) 11 8六歩(87) 12 7二金(61) 13 8八飛(28) *蛸島が向かい飛車の位置に振って、相振り飛車確定。 14 9二香(91) *大庭は穴熊に組む。 15 8五歩(86) 16 9一玉(82) 17 4八玉(59) 18 8二銀(71) 19 3八玉(48) 20 3五歩(34) 21 5八金(69) 22 3六歩(35) 23 同 歩(37) 24 同 飛(32) 25 3七歩打 26 3二飛(36) 27 9六歩(97) *玉の囲いを保留して端を突く。対穴熊には、いつかはどこかで端を突いておきたい。 *ここまでの消費時間は蛸島約5分、大庭約2分。 28 4二銀(31) 29 7五歩(76) 30 5一金(41) 31 8四歩(85) 32 同 歩(83) 33 同 飛(88) 34 8三歩打 35 8八飛(84) *両者、飛車先の歩を切って、1歩ずつを持った。 36 3三銀(42) 37 9五歩(96) *囲いを保留して、端を詰めた。 38 4四銀(33) *蛸島の囲いは未整備。大庭は素早く銀を繰り出してプレッシャーをかける。 39 2八玉(38) 40 6二金(51) *ここまでの消費時間は蛸島約9分、大庭約6分。 41 3八金(49) *銀ではなく、金。これは▲1八香から穴熊に組むつもりだろうか。記者は蛸島が穴熊を採用しているところを見た記憶がない。 42 1四歩(13) 43 1八香(19) *やはり穴熊。 44 1五歩(14) 45 1九玉(28) *手元のデータベースで検索してみれば、蛸島は穴熊を指した経験はあるようだ。 46 1三角(22) 47 2八銀(39) 48 3三桂(21) *攻めは飛角銀桂。守りは金銀3枚。 49 6五歩(66) *同じ振り飛車穴熊でも、少しずつ形が違う。 50 4五桂(33) *早くも開戦。 *ここまでの消費時間は蛸島約12分、大庭約15分。 51 6八角(77) *蛸島は丁寧に△5七桂成を受ける。大庭は桂を高く跳ねた以上、後戻りはできない。△3五銀と出るのが本線か。 52 3五銀(44) *大庭の攻撃陣が蛸島の穴熊上空を制圧。ただし深くもぐった穴熊玉には、まだまだ遠い。 53 4八金(58) *守りを固めて相手の動きを待つ。この先、どのようにすれば4五桂を取ることができるか。考えるのは、パズルのようなものか。 54 2四歩(23) *じっと。2筋の歩も交換して2歩を持てば、攻め筋も広がる。 55 8六飛(88) *大きく横に利く中段飛車。次に▲4六歩と突けば桂を取ることができる。 56 2五歩(24) *角筋を通す。現局面で▲4六歩は△同銀(1三角のひもがついている)で大丈夫。 *ここまでの消費時間は両者ともに約22分。 57 7六銀(67) *この銀は攻めに使う。次に▲8五銀と上がれば、相手の穴熊に対して大きなプレッシャーがかかる。しかしこの瞬間は飛の横利きが止まるだけに怖い。 58 2六歩(25) *横利きが止まっているのを見て。 59 同 歩(27) 60 同 銀(35) 61 2七歩打 62 3五銀(26) *2枚目の歩を手にして、総攻撃の機会を待つ。 63 8五銀(76) *蛸島も五段目に銀を進出。この後、できれば8九桂も攻めに使いたい。 *手番は大庭。相手も厳重に守りを固めている場所に向かって、どのようにして切りこんでいくのか。 64 3四飛(32) *大庭も中段飛車に構える。 65 7七角(68) *相手の動きを見る角上がり。△4四歩ならば飛車の横利きが消える。 66 4四歩(43) *△4四銀では▲4六歩で桂を取られてしまう。となれば、この一手か。 *後手から見れば、先手の角が動いたので、5七の地点が薄くなった。3五銀を動かして角筋を通す順を含めつつ、うまく攻めたい。 *先手の理想は▲6六角から▲7七桂だが、飛の横利きが止まって、角が攻撃目標となる可能性もある。 67 6六角(77) *好位置の角。次に▲7七桂と跳ねれば、先手の攻めも飛角銀桂の理想形。 68 3六歩打 *相手の陣形が整わないうちに行く。 69 同 歩(37) *ノータイム。これは見る聞くなしに取る一手。 70 3七歩打 71 同 桂(29) 72 同 桂成(45) 73 同 銀(28) 74 3六銀(35) *あっという間に進んでいく。 75 同 銀(37) 76 同 飛(34) *1歩を消費する代わりに、蛸島陣を薄くすることに成功。 77 3七歩打 *ここまでの消費時間は蛸島約41分、大庭約45分。 *大庭は手を止めて考えている。すぐに△6六飛と切るのは、やや性急か。となれば、どこに飛車を引くかだが。 78 3四飛(36) *穏やかに。次は△1六歩からの端攻めも楽しみだ。 *対して先手はどうするか。自陣を補強するのも、どこに手を入れていいのか。攻めるとするならば、どのような順か。 79 9四歩(95) *蛸島の選択は攻め。 80 同 歩(93) 81 9三歩打 *かなりの迫力。ただし、先手玉もそれほど長持ちはしない形なので、攻めが一息ついてしまうと、反動が厳しい。 82 同 香(92) *丁寧に指すのが大庭の身上。 83 8四歩打 *両者残り10分を切った。スピード重視で前に進む。先に▲7四歩と角筋を通す手も指したいが、そこで手番は大庭に回るかも知れない。 * *※先に▲7四歩が優ったか。 84 同 歩(83) 85 同 銀(85) 86 8三歩打 *筋は▲8三同銀成△同銀▲8四歩などの筋も見えるが。 87 7六桂打 *控えの桂。相手が△8四歩と銀を取ってくれば、▲9二歩△同玉▲8四桂で後手玉は詰み。しかしこの瞬間は怖い。△3六歩▲同歩△同飛と進めば、6六角が浮いている。 *残り時間は蛸島約9分、大庭約6分。 88 9二桂打 *大庭、スペースを埋めながら受ける。 *先手はどう攻めをつなげるか。▲8三銀成△同銀▲8四歩ぐらいか。 89 9三銀成(84) *こちらへ。 90 同 銀(82) 91 8五銀打 *腰の入った攻め。 92 1六歩(15) *大庭も急所に手をつける。▲同歩ならば△1七歩▲同香△3五角が好調子。 93 同 歩(17) *残り時間は蛸島約5分、大庭約4分。 94 1七歩打 95 同 香(18) 96 3五角(13) 97 2八玉(19) *ノータイムで上がる。 98 1四飛(34) *次に△1七角成▲同玉△1六飛以下の詰みを見せる。しかし。 99 1五香打 *やはりこう防ぎたくなる。 100 2四飛(14) *大庭、すぐに飛を寄せる。なるほど、という動き。 101 1一香成(15) 102 2六歩打 *大庭は最初からこの筋を狙っていた。▲2六同歩は△同飛で王手角取り。 103 9四香(99) 104 2七歩成(26) *一気に大庭勝勢。 105 同 金(38) *大庭はここから一分将棋。蛸島は残り約2分。 106 3九銀打 *△2六歩もありそうだが。 107 同 玉(28) 108 2七飛成(24) *スピード重視で迫る。 109 4九玉(39) 110 2九龍(27) *大庭、的確な寄せ。 111 5八玉(49) 112 7八銀打 *この縛りがほどけそうにない。 113 4六歩(47) 114 6九龍(29) *鮮やか。 115 4七玉(58) 116 6六龍(69) 117 5六香打 118 2九角打 *後は時計が切れさえしなければ、大庭の勝ちだろう。 119 3八銀打 120 1八角成(29) 121 9三香成(94) 122 同 桂(81) *後手玉は詰めろではなかったが、手を抜いてあせる必要はない。 123 9六飛(86) 124 4五歩(44) *これで先手玉は受けなしか。 125 5五銀打 126 4六歩(45) 127 同 銀(55) 128 4五香打 *先手玉は必至。蛸島はここで投了した。 *終了時刻は16時10分。消費時間は両者ともに1時間。勝った大庭は準決勝で松尾香織初段と対戦する。 129 投了 まで128手で後手の勝ち