# --- Kifu for Windows V6.40 棋譜ファイル --- 開始日時:2011/02/06 10:00 終了日時:2011/02/06 16:21 棋戦:第3期天河戦挑戦者決定戦 持ち時間:2時間 消費時間:179▲120△120 場所:芝浦サロン 手合割:平手   先手:中井広恵六段 後手:松尾香織初段 手数----指手-- *石橋幸緒天河に挑むのは、中井広恵六段か、それとも松尾香織初段か。第3期天河戦は2月6日(日)、挑戦者決定戦がおこなわれる。持ち時間は2時間。記録係はアイリスの鈴木悠子さん。振り駒の結果、「歩」が4枚で中井六段の先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 7六歩(77) *午前10時、鈴木さんの、「時間になりましたので対局を開始してください」の声。 2 3四歩(33) *対局場はLPSA芝浦サロン。ビジネス街の芝浦は、日曜日の今日は人通りが少ない。よく晴れた朝の光が、対局場に差し込んでいる。 3 2六歩(27) *中井は第1期の天河戦で優勝。昨年度第2期は三番勝負で、石橋幸緒現天河にタイトルを奪われた。本年度第3期、本命中の本命がリターンマッチまであと1勝と迫っている。 4 5四歩(53) *松尾、十八番の中飛車で大一番に臨む。得意戦法で強敵を破り、初の大舞台登場となるか。 5 4八銀(39) *中井は今年度、女流棋界歴代最高の公式戦19連勝をマークするなど、好調の1年だった。しかしながらここまでタイトル奪取まで結びついていなかったのは、本人もファンも満足できないところだろう。 6 5五歩(54) *中井と松尾は第1期天河戦準決勝でも対戦。その際にも松尾は、中飛車を採用していた。中井、石橋を相手に善戦しながらも、最後まで勝ちきれなかったのがこれまでの松尾。本局ではどうか。 7 6八玉(59) *両者はつい先日おこなわれたペア将棋選手権に出場。中井は嘉野満さん(ジュポン)と、松尾は野島崇宏さん(日本レストランシステム)とペアを組んだ。予選では松尾・野島ペア、本戦準決勝では中井・嘉野ペアが勝っている。 8 5二飛(82) *これで中飛車確定。 9 2五歩(26) 10 3三角(22) 11 3六歩(37) *最近流行中の速攻の構え。 12 6二玉(51) 13 3七銀(48) *序盤から両者ともに神経を使う進行。無論両者ともに、実戦、研究、十分だろう。次は△7二玉、△7二銀、いずれも考えられる。 *ここまでの消費時間は、中井約3分、松尾約9分。松尾の手が止まったところで、中継作業者は写真を撮る。 14 7二玉(62) *松尾、時間を使って玉を寄る。 15 4六銀(37) *中井、早くも臨戦態勢。 16 3二金(41) *△8二玉や△3二銀など、選択肢の多いところ。△3二金の実戦例は今年度マイナビ女子オープン▲中井広恵六段−△斎田晴子四段戦など。 17 7八玉(68) *実戦経験のある中井、ノータイムで玉を寄る。 18 5六歩(55) *松尾がすっと歩を突き出して、18手目の開戦。これは一気に激しくなる可能性もある。他の選択肢は△8二玉や△4二銀など。 *△5六歩に対して▲同歩△同飛に▲3三角成か。あるいは単に▲3三角成か。いずれにせよ後手は、角交換には△3三同桂と応じる。そうして▲3五歩からの桂頭攻めを上回る早さの攻めが必要だ。 19 同 歩(57) *ここまでの消費時間は両者ともに約12分。 20 同 飛(52) *気持よく走って、次に△7六飛を狙う。 21 3三角成(88) *△7六飛の前に、角を交換しておく。 22 同 桂(21) *松尾、ノータイム。△3三同金は形がよくない。▲3五歩は見えていても、ここは桂で応じるところ。△3三同桂以下の進行例は△7六飛▲7七歩△7四飛▲3四歩△同飛▲5三角。 *中井はここで手を止めて考えている。挑戦者決定戦は持ち時間2時間で、先は長い。 23 6八銀(79) *▲3五歩ではなく、落ち着いた銀上がり。△7六飛には▲7七銀と形よく応じる。 24 4四歩(43) *△7六飛ではなく。△4五桂と跳ねるための土台を作っておく。また▲7七銀ならば△4五歩(以下▲3七銀△5七飛成)の筋もある。 *時刻は10時半を過ぎている。ここまでの消費時間は中井約20分、松尾約13分。12時10分から13時までの50分間は昼食休憩となる。中井が長考に入り、時間は過ぎていく。 *記録係の鈴木悠子さんは現在、早稲田大学に在学中。試験は既に終わって、いまは春休みという。日曜日の今日は天河戦挑戦者決定戦の他に、棋王戦五番勝負第1局▲久保利明棋王(王将)−△渡辺明挑戦者戦、NHK杯準々決勝・渡辺明竜王−深浦康市九段戦、大和証券杯女流最強戦2回戦・清水市代女流六段−矢内理絵子女流四段戦と、中継・放送が目白押し。まだ試験が終っていない将棋好きの学生さんにとっては、落ち着かない一日だろうか。 *中井の手番のまま30分経ち、時刻は11時を過ぎた。 25 2四歩(25) *11時12分、中井着手。ここまでの消費時間の通計は、約58分。 26 同 歩(23) 27 同 飛(28) *飛車先の歩を切る。もちろん大きなポイント。 28 2三歩打 29 2八飛(24) *オーソドックスで手堅い指し回しが、中井の身上。このちょっとした動きでも、他の選択肢も含めて、十二分に読みを入れたのだろう。 *さて松尾はどうするか。指したいのはもちろん、△7六飛▲7七銀△7四飛。しかしその瞬間が怖い。▲5三角、▲3五歩、▲2二歩(△同銀ならば▲6五角)などの筋をからめて攻められた際に大丈夫かどうか。 *時刻は11時半を過ぎた。今度は松尾が長考中。ところで松尾のニックネームといえば「天神」。飲んだ後によく行くラーメン店の名にちなんだものだ。松尾のお酒好きは有名だが、中井も酒豪として知られる。 30 8二玉(72) *11時37分、松尾着手。深く玉を囲った。次に△7二銀と美濃囲いを完成させれば、強い戦いを挑める。ただしこの瞬間は6一金が浮いてしまうだけに、読みと勇気が必要。 31 2二歩打 *11時45分、中井は狙い筋を結構。△2二同銀には▲6五角や▲4一角の筋がある。 32 同 金(32) *松尾、すぐに応じる。 33 4三角打 *これで馬ができるのは確定。 34 7二銀(71) *△5二角は▲6五角成でよくない。松尾は最初から、馬を作らせても大丈夫という読み。角の価値は「成り角、持ち角、自陣角」の順に高いというのが、これまでの一般的な認識。しかし最近の振り飛車の指し方では、その「常識」が見直されるような戦いも増えている。 *「いやあ」と声を出しながら読んでいる中井。▲3四角成は△7六飛▲7七銀△7四飛が進行例。 35 6五角成(43) *こちらに成り返るのが、中井らしい手厚さ。 36 5一飛(56) *松尾は馬を作らせた代償に、一歩を得して、堅い囲いを築き上げた。 *12時を過ぎた。休憩は12時10分から13時まで。 37 5四歩打 *手厚く押さえこみにかかる。次に▲5五銀と出た形が磐石。 *12時10分、記録係の鈴木さんが「時間です」と告げ、昼食休憩に入った。「はい」と答える松尾。ここまでの消費時間は中井1時間22分、松尾48分(持ち時間・チェスクロック使用各2時間)。 *12時45分、両対局者は昼食から戻ってきて、席に着いている。13時、鈴木さんが対局再開を告げる。 38 4二銀(31) *13時1分、松尾は銀を上がる。 39 5八飛(28) *13時2分、中井、飛車を中央に回す。自然な応援だが、△2七角のスキは生じるので、それが大丈夫と読まなければこうは指せない。△2七角には▲4八金△3六角成に▲7五馬(4二銀取りと▲5三歩成を狙う)だろうか。 *13時13分頃、「残り60分です」の声。 40 4五歩(44) *あえて呼びこむ。 41 5五銀(46) *中井、完全に中央を制圧。次に▲4四銀、▲7五馬など、攻め手には困らない。対して松尾はどこでポイントを返せるか。 42 2七角打 *これで馬はできる。△4五歩▲5五銀の交換が入っているので飛車の直射は消えている。▲4八金△3六角成に▲7五馬は△3二金で耐えていそうだ。 43 5九金(49) *横に寄せる。金は縦か横、2枚並んだ形が堅い。 44 3六角成(27) *松尾は馬を作り返して、歩は2枚得している。中井の方からすぐに中央突破する順がなければ、局面のバランスは取れているのだろう。 *13時28分頃、「残り30分です」の声。中井は小さく「はい」と答える。松尾は残り53分。 45 4四銀(55) *攻めの銀がここまで前進。次の狙いはもちろん▲5三歩成。(1)△5二歩ならば強引に、▲5三歩成△同歩▲4三銀成の突破もありそうだ。きわどいしのぎも辞さずとすれば、焦点に(2)△5六歩(▲同馬ならば△5四飛、▲同飛ならば△4七馬)も考えられる。 46 4六歩(45) *強い姿勢で応戦。(1)▲4六同歩ならば△5八馬と、攻めの基点の飛車を取る。(2)▲5三歩成は△4七歩成で一気に終盤の可能性。 47 同 歩(47) *中井の応手は自然。△5八馬▲同金(右も左もありそう)と進んだ際、6五馬がよく利いているので、自陣に飛を打ち込まれてもあまり響かない。 48 5二歩打 *松尾、一度は辛抱。 49 3八飛(58) *転戦。相手が堅く構えている5筋ではなく、こちらへ。 50 2五馬(36) *松尾、しばらくは辛抱。長引けば歩得が活きてくる。 *トーナメントシードの松尾は2回戦では中澤沙耶女子アマ王位、準決勝では大庭美樹初段を相手に、ピンチをしのいで勝ち上がってきた。 *14時2分、「残り10分です」の声。中井は「はい」と小さく答える。松尾は残り38分。 51 2八飛(38) *馬を追う。仮に▲3三銀(桂を取りながら馬のひもを断つ)△6九馬(金を取りながら王手)▲同金△3三金と進めば▲角桂△金銀の交換。 52 1四馬(25) *松尾、用心深く、ノータイムで馬をかわす。 53 7五歩(76) *美濃囲いの急所を狙う。次に▲7四歩△同歩が入れば、後手玉は斜めのラインが開いて一気に危険な形となり、技をかけやすい。残り時間の少ない中井、この歩を突いた後、席を立って、足早に外に出ていき、すぐに戻ってきた。 54 4一飛(51) *振り飛車は飛車の活用が命。飛車が遊んだままでは勝てない。4二銀にひもをつけつつ、好機の△5一銀を含みにする。 55 7四歩(75) *中井、急所に手をつける。 * *※「▲5五馬は△4三歩がいやでした」(中井) 56 同 歩(73) *松尾、ノータイムで応じる。 *中井は2時間を使い切り、ここから一分将棋。松尾は残り34分。 57 7五歩打 *継ぎ歩攻め。▲7四歩と取り込まれては▲5五馬がキツくなるので、△7五同歩から考えたい。そこで先手の継続手はいかに。 *14時23分、「残り30分です」の声。 58 3六馬(14) *松尾、ここで馬を活用。▲5五馬には△7三銀▲7四歩△6四銀で耐える。 59 5五馬(65) *中井、「いやあ」という深いため息とともに着手。 60 7三銀(72) *松尾、ここはノータイム。 61 3八飛(28) *再び馬を追う。 62 4七馬(36) *ここは強く。 63 3四飛(38) *気持よく飛車を走る。松尾、ここでまた手が止まった。辛抱しがいのある局面。強く△2九馬が欲ばりすぎならば、じっと△3二歩など。 *松尾、残りはまだ20分ある。 64 6四銀(73) *強く前に出て守る。 65 6六馬(55) *盤上中央でにらみをきかせていた馬が、急所からそれた。松尾、ここは手応えを感じたか。 *△7五銀▲5五馬△6四銀と進めば理想的だが、そうはならないのだろう。 66 7五銀(64) *松尾、少考で銀を出る。中井は大きくため息。 * *※中井は代わりに△2九馬ではっきりわるいと思っていた。 67 3九馬(66) *中井、じっと辛抱。馬を逃げながら、2九桂にひもをつける。しかしこの一連の折衝で、松尾が大きく得をした。 68 5六馬(47) *飛車取り。 69 3六飛(34) *中井、9まで読まれて飛車を逃げる。 *松尾は残り10分。次の▲3四歩をどう受けるか。 70 4七馬(56) *執拗に飛車を追う。▲3四飛△5六馬・・・と進めば千日手模様。 71 2六飛(36) *こちらへ逃げる。 72 5一銀(42) *4四銀取り。味のよい銀引き。次に△6二銀とさらに動かしたい。 73 5五銀(44) *中井、相次ぐ撤退。 74 5六馬(47) *5五銀取りとともに、3四の地点に利いている。松尾優勢か。 75 6六銀(55) 76 6四銀(75) *相手にしない。 77 3七桂(29) *遊んでいる桂を活用。すぐに狙われそうで、危険であることは間違いないが、それは百も承知。このあたりから、百戦錬磨の中井の勝負術が発揮されるのだろうか。 78 6二銀(51) *松尾、落ち着き払っている。「これはいけそう!」という、全国の松尾ファンの声が聞こえてきそうだ。 79 4五歩(46) *馬取りにとともに、3四歩を狙う。 80 4七馬(56) *馬を逃げつつ3七桂取り。 81 4八馬(39) *△4八同馬か、△4六歩か、△1四馬か、いろいろ候補手はありそう。 *松尾の残り時間はあと4分。 82 同 馬(47) *素直に応じる。 83 同 金(59) 84 4五桂(33) *松尾、大きくさばきにかかる。 85 4六飛(26) *中井、ノータイム! 86 4四歩打 *手堅く手堅く。 87 3六飛(46) *後手は、堅く受けるならば△3三歩。しかし他にもっとよくなりそうな順もあるだけに迷う。将棋はこのあたりが危ない。そして松尾の時間もなくなった。両者一分将棋に。 88 3七桂成(45) 89 同 金(48) *守りの金が大きくそれていく。 90 2八角打 *▲4二歩は大丈夫か?! 91 8六桂打 *控えの桂。 92 7三銀(62) *丁寧に応じる。「ひええ」と中井。 93 5三歩成(54) *妖しげな成り捨て。 94 同 歩(52) *玉の横のラインが開いた 95 3二角打 *乾坤一擲の勝負手。 96 5一飛(41) *妖しいムードが漂い始めてきた。 97 4三角成(32) 98 1九角成(28) *今さら3筋は受けていられない。 99 7七桂(89) *応援を繰り出す。△7六香と打ちたいが、あいにく馬が利いている。 100 1八馬(19) *熱戦。 101 6五銀(66) *流れは既に中井だろう。 102 7一香打 *しかし松尾も崩れない。銀を手にすれば△3六馬▲同金△3九飛から、△8九銀の筋がある。 103 8五桂(77) 104 6五銀(64) 105 同 馬(43) 106 6四銀打 *粘り強い銀打ち。 107 7三桂成(85) 108 同 香(71) *7四の地点に利きをキープ。 * *※ここで▲7四桂は△9二玉で、7三香が先手玉に直射してくる。 109 6六馬(65) *そして松尾のターン。 110 3六馬(18) 111 同 金(37) *大まかな駒割は▲角銀△飛桂香。 112 7二金(61) *固めて手を渡す。 113 8五銀打 *手厚い攻防手。横ではなく縦から迫る。 114 3一飛(51) *遊んでいる飛車を活用。相手が歩を使ってくれればありがたい。 115 3七歩打 *岩より堅いとされる金底の歩。さらに横や下から飛を打たれた際にも備えている。 116 7五桂打 *相手が歩切れになったのを見て。 117 7六銀打 *玉頭戦は手厚さが命。 118 8四桂打 *目のくらむような押し合い。このスクラムの構造はどうなっているのか。 119 7五銀(76) 120 同 銀(64) *玉頭戦を制したのは松尾か。 121 同 馬(66) *もう馬が逃げている時代ではない。 122 同 歩(74) 123 4二角打 *いやみいやみと迫る。 124 3六飛(31) *決断! 125 同 歩(37) *先手玉に詰みがあるかどうか。しかし詰みはなさそうだ。 *では後手玉は? 後手玉が詰まないのならば、詰めろをかけ続ければよい。 126 2九飛打 *松尾の手が少し震えた。これは詰めろだろうか? 127 7四桂打 *いよいよクライマックス。 128 同 香(73) 129 同 桂(86) *中井は自玉が詰まないと読めば、詰めろをかけ続ければ良い。 130 9二玉(82) 131 5三角成(42) *攻防手。▲8二飛以下の詰めろだが、△5五角も攻防か。 132 5五角打 *詰めろ逃れの詰めろ。 133 6六歩(67) *中井、すっと歩を突く。このあたりの応接の巧みさで、数々の栄冠を勝ち取ってきた。 134 7六銀打 *どちらが勝っているのか、盤側の中継作業者にはわからない。 * *※これは詰めろではなかった。となれば▲5二飛で中井勝ちだったか。 135 5九香打 *これも攻防手。 136 2七飛成(29) *松尾、△8六桂と打つつもりだったのだろう、震える手で桂をつまみ、しかし思い直して、飛車を成り返った。これは詰めろ。 137 7七歩打 *どうやら松尾の勝ちになったようだ。後手玉は絶対に詰まない形。 138 8六桂打 *松尾、生涯の名局か。 139 8八玉(78) *▲8六同歩は△8七金で持たない。きわどく逃げる。 * *※自玉は絶対に詰まないので△7八金とばらせば明快に勝ちだった。 140 8五銀(76) *▲5五香は△7六桂で詰み。 141 6七銀打 *これはさすが中井という粘り。 142 7六歩(75) *これは詰めろではなさそう・・・! 143 5五香(59) *どちらが勝っているのか。 144 7四銀(85) *松尾、崩れない。 145 8六馬(53) *再び松尾のターン。 146 8五銀打 *どこかで寄せを間違ったかを考え直している余裕はない。ここからまた押していく。 147 4二飛打 *両金取り。持ち駒を使ってくれれば、自玉への攻めが緩和される。 148 8六銀(85) *松尾、勇気を出して勝負。 149 7二飛成(42) 150 8二金打 *記録係の鈴木さんが2枚目の棋譜用紙を出した。 151 同 龍(72) 152 同 玉(92) *▲8六歩で後手玉に詰みがあるかという勝負。 153 8六歩(87) *後手玉に詰みはあるのか。なければ有効な攻防手は? 154 7七歩成(76) 155 同 玉(88) *中井玉はきわどく詰まない形か。一般的に強者の玉の耐久力は、きわめて強い。 156 7六歩打 157 7八玉(77) 158 7七飛打 *取れば詰み。 159 8八玉(78) 160 6七龍(27) *松尾、これで勝ちと読みきったか? 161 同 銀(68) *中井、ノータイム! 162 9六桂打 *松尾、ついにやったか! 163 同 歩(97) 164 同 桂(84) 165 同 香(99) *※ここで(1)△9七銀▲9九玉△7九角成▲同金△8七飛成ならば詰み。またはシンプルに(2)△7九角▲同金△9七銀でも詰み。あるいは(3)△9九角とこちらから打って、(A)▲同玉は△9七飛成以下、(B)▲9八玉は△8七飛成(!)▲同玉△7七歩成でも詰みだった。 166 9七角打 *※これでは詰まない。 167 9九玉(88) *なんという結末・・・。 *△9九角ならば詰んでいた。 168 8八銀打 169 9八玉(99) *これは詰まない。 170 8六角成(97) *思わず「なんという結末」と書いてしまったが、無論まだ勝負はわからない。 171 5二飛打 *合駒がない。 172 7三玉(82) 173 5一角打 174 6四玉(73) 175 5四飛成(52) *後手玉は詰んでいる。 176 7五玉(64) 177 6五金打 178 8五玉(75) 179 9五金打 *以下は△9五同馬▲同角成まで。 *「負けました・・・」。無念を隠せない声で、松尾は投了した。 *終了時刻は16時21分。消費時間は両者ともに2時間。中井が九死に一生を得て、石橋幸緒天河への挑戦権を獲得した。三番勝負第1局は2月27日(日)、LPSA芝浦サロンにておこなわれる。 180 投了 まで179手で先手の勝ち