# --- Kifu for Windows V6.40 棋譜ファイル --- 開始日時:2011/02/27 10:00 終了日時:2011/02/27 17:24 棋戦:第3期天河戦三番勝負第1局 持ち時間:3時間 消費時間:134▲180△180 場所:芝浦サロン 手合割:平手   先手:中井広恵六段 後手:石橋幸緒天河 手数----指手-- *石橋幸緒天河に中井広恵女流六段が挑戦する第3期天河戦三番勝負。第1局は2月27日(日)10時から芝浦サロンにておこなわれる。 *記録係は濱田かおりさん。振り駒の結果、「と」が4枚出て、中井六段の先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 2六歩(27) *中井の初手は、飛車先の歩を伸ばす▲2六歩。振り飛車を指す可能性がある相手に対しては、△3二飛戦法を封じている意味などがある、と書くのがネット中継の定跡。▲7六歩と手順が前後してもたいして変わらない、何気ない一手のようでいて、序盤から駆け引きがある。 2 7二飛(82) *△3二飛はない、と思ったら。エンターテイナーの石橋、早速序盤から見せてくれた。いわゆる、袖飛車。通常の飛車から見て、袖の位置に飛車を寄せた。 3 2五歩(26) *トーナメントでシードの中井は2回戦で島井咲緒里初段、準決勝で船戸陽子二段、挑戦者決定戦で松尾香織初段を降しての三番勝負進出。準決勝、挑決では必敗の将棋を最後にひっくり返した。 *第1期、第2期天河の中井にとっては、この三番勝負はリベンジの舞台。昨年度の天河戦三番勝負は、石橋に2連敗で敗れ、失冠している。 4 3二金(41) *これまでのLPSA棋戦での両者の対戦成績は、石橋5勝、中井9勝。 5 2四歩(25) *飛車先の歩を切る利点は、3つとも4つとも言われる。歩を手駒にして、相手の駒組が制限され、こちらの飛車の利きが相手陣に通って、動きは自由になる。通常は何の不満もない。 6 同 歩(23) *本年度もそろそろ終わり。両対局者の格からすれば、一般女流タイトル戦の番勝負にからまないという点だけで既に、不満の残る一年だろう。石橋は先日、第4期マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦で、上田初美女流二段に敗れている。 7 同 飛(28) *中井は昨年度から本年度にかけて、女流歴代最高の19連勝を達成している。大和証券杯・女流最強戦では決勝に進出して、3連覇まであと1勝。 8 2三歩打 *ここは一つの選択の岐路。▲2八飛か、それとも▲2六飛か。 9 2八飛(24) *奥深く引く。近代の相掛かり戦では▲2六飛と中段に構えるのが主流であったが、時代は一周して、現代では▲2八飛が多くなった。 10 7四歩(73) *石橋はこの位置の飛車先の歩を伸ばす。相手が▲7六歩と角道を開けてくれば、すかさず△7五歩▲同歩△同飛と動く狙い。▲7六歩と突いてこなければ、相手の駒組は制限される。 *中井はここで手を止めている。石橋は席を立った。ここまでの消費時間は石橋約2分、中井約10分。 11 7八金(69) *中井、慎重に考えて金を上がる。石橋の飛車の位置は、振り飛車とまではいかない。相居飛車に類する展開であれば、▲7八金と上がって損になることは、ほとんどない。 12 7五歩(74) *とはいえ、この突き越しは大きい。相手側からの▲7六歩がなければ、駒組でリードを奪える可能性が高そうだ。△7五歩はこの位置においておいて価値が高い。よほどのことがない限り、△7六歩▲同歩△同飛の交換はしないだろう。 13 3八銀(39) *引き飛車の下から銀を繰り出していくのが、現代の相掛かりの基本スタイル。 14 3四歩(33) *石橋は悠々と角道を開ける。 15 2七銀(38) *飛や歩の下からじりっと上がっていく銀は、力が強い。 16 7四飛(72) *飛車のはたらきで相手の銀の進出をけん制。 17 3六銀(27) *▲2六銀では、やや一本調子。2五、4五、4七といずれにも動ける余地を残して、こちらに上がる。 *対して受ける側は、△3三桂と跳ねるのが、相手の銀の進出を押さえる形。 *石橋はここで考えている。消費時間の通計は、石橋約20分、中井約17分。 18 5二玉(51) *石橋、ずいぶんと考えて、玉をひとつ上がる。△4二玉、あるいは△6二玉ならば、まだ玉の位置が定まったとは言えない。しかし中住居と呼ばれる△5二玉は、この先ほぼ、駒組段階で動かされる可能性はない。 19 6八銀(79) *中井の動きは、いつもながらに自然。 20 6二銀(71) *石橋の駒組は自在の境地。 21 6九玉(59) *飛車と反対の側に玉を囲うのが、将棋の伝統的なセオリー。 22 5一金(61) *いわゆる「中原囲い」。中原誠16世名人が横歩取りや相掛かりに用いて高勝率をあげたことから、現代棋界では一般的となった。江戸時代には既に指されていたと言われるが、近代では見なかった形。そして時代は一回りして、また現代でも指されている。 *中原囲い+△5二玉型は以前、桐山清澄九段がよく採用していた。現代棋界最前線では、一度△5二玉と上がった後、時間差で△4一玉と形を直す手法が発見され、松尾歩七段などによって指されて、一般化されつつある。 23 9六歩(97) *自陣のふところを広げて、含みの多い端歩。現状、中央に向かって角を使えない以上は、▲9七角と上がる余地は作っておきたい。 24 7三桂(81) *横歩取り△8五飛戦法を連想させる駒組。▲2五銀は△3三桂で追い返せる。以下▲2四歩は△2五桂▲2三歩成△同金▲2五飛△2四歩で大丈夫。 *11時を過ぎた。ここまでの消費時間は中井約30分、石橋約30分。 25 4六歩(47) *中井、約15分ほど考えて▲4六歩と突いた。 26 1四歩(13) *定跡形からはずれた本局。両者の一手ずつに慎重さが求められている。 *時刻は11時20分を過ぎた。昼食休憩は12時から13時までの1時間。 27 4七銀(36) *部分的には、この形の常套手段。銀を繰り替えて自陣を整備する。どのあたりで駒組の飽和点が訪れるのか、現状ではまだ不透明。 28 8四歩(83) *攻撃陣側の歩を突き上げる。△8四歩、△8五歩、△8四飛、△8六歩まで実現すれば、後手も一歩を手にすることができる。 *本日の東京は、快晴。東京マラソンがおこなわれるには、最適の日和となった。こちら芝浦サロンは、マラソンコースの国道15号線(第一京浜道路)からはほど近い。ただしここまで歓声が聞こえてくることはない。芝浦サロンの周囲はビジネス街で、いつもながらに静かな日曜日。 29 3六歩(37) *▲3七桂と跳ねる余地を作る。 30 8五歩(84) *石橋、ノータイム。 *本局の記録係の濱田かおりさんは、慶應義塾大学の4年生。慶應大の三田キャンパスもまた、芝浦サロンからは近い。 31 5八金(49) *11時34分頃、中井は金を上がる。ここまでの消費時間は石橋約35分、中井約59分。 *中井の玉形は、蟹(かに)囲いと呼ばれる形。2枚の金が、カニのはさみに見立てられている。戦後に将棋専門誌で名前が公募され、定着した呼び方だ。 32 9四歩(93) *石橋、こちらの端も突く。場合によっては攻撃を開始する際、△9五歩の突き捨てが有効となる。 *中井は振り返って、サロンの壁時計を見る。午前中の戦いは、本格的に駒がぶつかる前に終わりそうだ。 33 1六歩(17) *11時50分、中井もまた端歩を突く。対して石橋はすぐに休憩に入る意思を示した。 *ここまでの消費時間は中井1時間12分、石橋47分(持ち時間各3時間)。 *12時50分頃、両対局者が戻ってきた。13時、「それでは時間になりましたので対局を再開してください」と濱田さんの声。手番の石橋は「はい」と答えた。 34 8四飛(74) *13時1分、石橋は飛車をひとつ寄せる。このまますんなり8筋の歩を切ることができれば、作戦勝ちが望めそうだ。 * *※△6四歩から△6五歩と、二枚落ちの下手の定跡のように位を占める順もあったか。 35 5六歩(57) *現状は▲7六歩、▲6六歩といずれも突けない中井。低い陣形で石橋の動きを待つ。石橋の方は△8六歩や△4一玉など、指したい手がいろいろある。どう組み合わせるのか。石橋は長考に入った。 *本局の持ち時間は3時間。まだまだ先は長い。中継作業者はTwitterを見る。両対局者が今朝残しているメッセージは以下の通り。 *石橋(@SachioIshibashi)「おはようございます。今日は天河戦の第一局です。自分の将棋を最後まで貫き通して指したいです。東京マラソンの合間に中継見てください」 *中井(@HIROE624)「今日は天河戦第1局。良い将棋が指せるよう頑張りま〜す!」 36 8六歩(85) *二十分弱考えた。 37 同 歩(87) *中井はノータイムで応じる。 38 同 飛(84) *ここまでの消費時間は石橋1時間7分。中井1時間20分。 39 8七歩打 *歩を打った後、中井は席を立つ。 *対して石橋はどこに飛車を引くのか。通常は△8四飛だろう。 40 8五飛(86) *ここへ。まさに横歩取り△8五飛戦法の陣立てのようだ。 41 5七銀(68) *こちらへ銀を進める。▲6六歩から▲6七金右と組めれば、現在遊んでいる角を▲7九角から使うこともできる。 42 4一玉(52) *ここが中原囲いにおける、玉の定位置。 43 6六歩(67) *ようやくにして、この歩が突けた。次に▲6七金右と上がれば、「流れ矢倉」と呼ばれる形。現状は中井の方に指したい手が多い。ここから手が進めば進むだけ、中井陣が整備されていく。対して石橋陣は既に最善形に近く、さほどの発展は望めない。 44 6四歩(63) *7三桂に力を与える歩突き。どこかで△6五歩▲同歩△同桂の仕掛けを目指す。ただしこの歩を突いてしまうと、▲7四角と王手飛車に打たれる筋が生じるので要注意。 *時刻は14時を過ぎた。ここまでの消費時間は石橋1時間21分、中井1時間39分。 45 6七金(58) *14時1分、中井着手。 46 6三銀(62) *石橋はノータイム。囲いは崩れるが、銀を前線に進めて、桂頭をケアしつつ、飛角銀桂による攻撃態勢を作ろうとする。 47 7六歩(77) *14時8分、中井は▲7六歩と突き上げた。息苦しく見えた先手陣に、気持ちよく風が通ったかのよう。△同歩▲同金と進めば、8五飛に当たってくる。 48 同 歩(75) *ぶつかった駒は、まずは取る手から考えたい。 49 同 金(67) *中井、ノータイム。 50 8二飛(85) *じっと飛車を逃げておく。先手陣、後手陣ともに浮き駒のある形。ここからしばらくはまた、駒組が続くのだろうか。先手は▲5八銀から▲6七銀とも繰り替えてみたいが、その余裕はあるか。 51 7五歩打 *逆に7筋の位を取る。 52 4二銀(31) *石橋、ノータイム。壁形を解消しながら、今度はこちらに囲いを作る。 * *※▲5五歩△同角▲5六銀右△2二角▲4五銀は△3三銀で、継続手が難しい。 53 5八銀(47) *3九→3八→2七→3六→4七→5八と移動してきた銀。 54 3一玉(41) *石橋の駒音は高い。 55 3七桂(29) *▲2六歩△7二飛で始まった一局がこうなった。 *中井はこのタイミングで桂を跳ねる。△3五歩は大丈夫と見ている。 *14時30分を過ぎた。ここまでの消費時間は、中井約1時間55分、石橋約1時間35分。 * *※中井は▲7七桂から▲8六歩、▲8五桂という順も考えていた。 56 6二飛(82) *8二→7二→7四→8四→8六→8二→6二と動いた飛車。6筋の先手玉に照準を合わせた。 57 7七角(88) *昼休頃に比べて、見違えるほどに空高く発展した先手陣。対して後手は、動かす駒が難しくなってきたか。 *中井はここで席を立つ。石橋はひとしきり、ため息。 58 6一飛(62) *20分以上考えた。形を崩さずに、じっと戦機を待つ。 59 7九玉(69) *中井陣は高い厚み、石橋陣は低い堅さが主張点。 *本格的な戦いが始まらぬまま、15時を過ぎた。「石橋先生、残り1時間です」の声。消費時間は両者ともに約2時間0分。 * *※「だんだん指す手がよくわからなくなってきました」(石橋) 60 6五歩(64) *15時5分、ついに石橋が仕掛けた。すぐに「中井先生、残り1時間です」の声。 *▲6五同歩には、どのような攻めがあるのか。取って受けられるのであれば、堂々と取りたい。 61 同 歩(66) *15時17分、中井は堂々と応じる。 62 5四銀(63) *攻めは飛角銀桂。すんなり△6五銀や△6五桂が実現すれば面白い。しかしこの瞬間、先手からの切り返しもこわい。 *当面、▲2二角成の交換には、後手はどう応じるか。△同玉、△同金、いずれも味はよくないが、あまり贅沢は言っていられない。 63 2二角成(77) *自然な指し回しの中井。攻撃目標となりそうな角をさばく。 64 同 玉(31) *石橋、ノータイム。△2二同金は壁形。斜めのラインが気になってこわいところだが、形は△同玉。相手に手を渡して、どう指すのかと問いかけた。 65 2四歩打 *ちょうど15時30分頃、中井は歩を合わせる。残り時間は中井約25分、石橋約55分。 66 同 歩(23) *石橋、ノータイム。無論取る一手。 67 2五歩打 *継ぎ歩。 68 同 歩(24) *石橋陣は、はっきりと玉が見える形。 *さて先手の継続手は。「三歩持ったら継ぎ歩と垂れ歩」とは格言の教えるところで、もう一歩あれば▲2四歩と垂らせたところ。 * *※ここですぐに▲7二角はあったか。 69 7七桂(89) *後手玉を味のわるい形にしてから、手を戻す。▲7七桂は6五の地点を争点として、△6五桂や△6五銀に備えた受け。▲8三角や▲2五飛の筋もあるので、△6五桂と跳ねるには読みと勇気が必要。 70 2六歩(25) *手筋の突き出し。▲2六同飛ならば△2三歩でいやみが消える。力のこもった中盤戦。ともかくも現局面を見て、開始段階の初手と2手目を当てられる人はいないだろう。 71 7二角打 *15時55分、駒音高く、中井は角を打ち込む。残り時間は約16分。対して石橋は、残り約49分。 *▲7二角に対して△6二飛ならば、▲8三角成が攻防か。 *16時を過ぎた。石橋は座り直し、ぐっと口を結んで読みふける。 72 7一飛(61) *こちらへ。 73 8三角成(72) *プロは手厚く馬を作るのが好き。 74 2七角打 *石橋も角を打ち込む。 75 8二馬(83) *これで桂を取ることができる。 76 6一飛(71) *石橋、ノータイムで飛車をかわす。次に▲7三馬ならば、▲7二角△6二飛▲8三角成△2七角▲7三馬と進んだ場合に比べて、飛の位置が6二と6一で違う。その分後手が得をしている。 *現局面で▲7三馬ならば△3六角成。後手の方も手厚く馬を作ることができる。▲4七銀ならば△4九角成が7六金取り。 *中井はここでまた考える。現状は形勢不明か。 *16時16分、「中井先生、残り10分です」の声。 77 4五桂(37) *16時17分、中井は桂を跳ねる。攻めというよりはむしろ、あらかじめ駒を逃がした。 *残り時間は中井約9分、石橋約35分。 78 3六角成(27) *プロは馬を作るのが大好き。次に△2七歩成が厳しい。 79 6七銀(58) *中井、ノータイムで銀をかわしておく。△2七歩成には▲6八飛。 80 2七歩成(26) *元は2三にいた歩がここまで進んだ。 81 6八飛(28) *全員集合。 82 4四歩(43) *観戦者からは「持将棋?」の声も聞かれ始めた。 83 5三桂成(45) *桂を取られるのは確定なので、歩切れを解消。 84 同 銀(42) *石橋、ノータイム。 85 7三馬(82) *駒の損得はほとんどなし。ただし歩の枚数と、と金の分だけ、石橋が得をしている。 86 4二金(51) *石橋の手つきがしなってきた。あらかじめ金をかわして、飛の逃げ道も作る。 87 6四歩(65) *△6四同銀は▲6二歩。 *16時28分、「石橋先生、残り30分です」の声。対して中井は残り約3分。時間が切れたら1手60秒の秒読み。 88 同 銀(53) *相手の手に乗る。 89 7二馬(73) *▲6二歩ではなかった。現状、5四銀には3六馬のひもがついているが、▲4八桂と打って、馬を移動させる筋がありそうだ。 90 5一飛(61) 91 6二馬(72) *追撃。△3一飛▲4四馬(王手で5四銀にも当たっている)から▲4八桂(5四銀にひもをつける馬を違う位置に追いやる)という筋が成立しているのかどうか。 92 4一飛(51) *4筋にも利かせた逃げ場所。 *16時38分、中井は3時間の持ち時間を使いきって、ここから一分将棋。石橋は残り27分。 93 5五歩(56) *自陣に響くリスクは承知の上での突き出し。 94 同 銀(54) *石橋、手応えありという手つき。 95 8八玉(79) *中井の対局ではいつも書いているフレーズだが、このあたりの呼吸は、まさに百戦錬磨を思わせる。 96 5三銀(64) *味のよい銀引き。 97 7三馬(62) *馬を逃げつつ5五銀取り。 98 6四桂打 *石橋、手をしならせて、ノータイムで桂を打つ。 99 6五桂(77) *攻防手。上部への脱出口をつくりながら、5三銀取り。 100 7六桂(64) *シンプルに王手で金を取る。 101 同 銀(67) *駒割は▲桂△金で、後手が駒得。 102 6四銀(53) *石橋、ノータイム。はっきりと優位に立ったか。 103 7四馬(73) *4一飛取りだが。 104 7七歩打 *7枚ある歩を1枚使って、先手陣を乱す。 105 同 金(78) *「いやー」と中井。 106 7一飛(41) *いったん当たりをかわしつつ、逆に△7四飛から寄せてしまおうという一手。 107 2四桂打 *このあたりも百戦錬磨の呼吸。後手は金を逃げても放置してもよさそうなだけに迷う。 108 3三金(32) *石橋、ここは丁寧に指す。 109 5六歩打 *△4六銀ならば▲6四馬(4二金取り)がある。▲2四桂△3三金直の交換が効いている。石橋の手が止まった。 110 7四飛(71) *さっぱりゆく。石橋は残り約11分。 111 同 歩(75) 112 7五歩打 *厳しい銀取り。次に△7六歩でさらに金に当たってくるのが、△7七歩▲同金と打捨た効果のひとつ。 113 5五歩(56) *17時1分、「石橋先生、残り10分です」の声。 114 7六歩(75) *駒割は▲飛桂△角金。駒得で手番を握って攻めている石橋が優勢か。 115 同 金(77) 116 7五歩打 117 7七金(76) *石橋はここで時間を使って、慎重に考える。 *石橋陣は上部が手厚く、横や下から飛で追われても、そう簡単には寄らない形。 118 5六歩打 *7枚あった歩の4枚目。遠巻きのようでいて、確実。 *石橋は残り4分。 119 3一銀打 *鬼手が飛び出た。△3一同玉か△1三玉か。 120 同 玉(22) *石橋、堂々と応じる。 *中井の狙いは▲5三桂成か。 121 5三桂成(65) *捨て駒連発。 122 同 銀(64) *石橋、ノータイム。飛車を成らせてもよいと見た。 123 2三歩打 *王手をかけないプロの呼吸。▲6一飛成は味消しと見た。 124 同 金(33) *堂々と応じ続ける石橋。取れるものは取って勝つのが強者。 125 5四桂打 *悩ましく迫り続ける中井。 126 2二玉(31) *下段でがんばり続ける必要はない。 127 6一飛成(68) *これは詰めろではない。ならば先手玉に詰めろをかけ続けることができれば、石橋の勝ち。 *石橋も3時間の持ち時間を使い切る。ここからは両者一分将棋。 128 7六桂打 *桂は渡しても大丈夫な駒。 129 同 金(77) 130 同 歩(75) *先手玉はほぼ受けなし。 131 6八銀(57) *石橋勝勢。 132 6九馬(36) *△7七銀▲同銀△7九角などの詰めろ。 133 9七玉(88) 134 7五角打 *以下は▲8六桂合△8八銀▲同玉△8九金▲同玉△7八銀以下、先手玉は詰み。 *17時24分、中井が駒台に手をそえ、「負けました」と告げた。 *消費時間は両者ともに3時間(チェスクロック使用、持ち時間各3時間)。 *石橋天河、防衛に向けて大きな1勝をあげた。 *第2局は3月10日(木)におこなわれる。 135 投了 まで134手で後手の勝ち