# --- Kifu for Windows V6.40 棋譜ファイル --- 開始日時:2011/12/15 16:00 棋戦:第4期天河戦2回戦 持ち時間:0時間40分 消費時間:92▲40△40 場所:芝浦サロン 手合割:平手   先手:船戸陽子二段 後手:蛸島彰子五段 手数----指手-- *天河戦2回戦第3局。シードの船戸陽子二段と、1回戦を勝ち上がった蛸島彰子五段が対戦する。 *振り駒の結果、「と」が3枚出て船戸二段の先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 2六歩(27) *くるま停めて、どこ行こう。 *NTTル・パルク http://www.le-perc.co.jp/ 2 3四歩(33) *両者は過去にLPSA棋戦で2度対戦して、1勝1敗。いずれも蛸島が中飛車に振っている。 3 4八銀(39) *蛸島の中飛車を予想している船戸、角道を開けない趣向。 4 5四歩(53) *蛸島はマイペースでゆく。 5 6八玉(59) 6 5二飛(82) 7 7八玉(68) 8 6二玉(51) 9 5八金(49) 10 7二玉(62) 11 7六歩(77) *ここで角道を開ける。以下△5五歩▲6六歩と進めば、船戸の居飛車穴熊が予想される。 12 5五歩(54) *5筋位取り中飛車。 *両者とも対局前、本日おこなわれているマイナビ女子オープン準々決勝、▲里見女流三冠−△加藤女流王座戦の行方を注視していた。 13 4六歩(47) 14 3三角(22) 15 4七銀(48) 16 4二銀(31) 17 6八銀(79) *ここに銀を上がれば、急戦の構え。 18 8二玉(72) 19 7七銀(68) 20 5三銀(42) 21 6六銀(77) 22 5四銀(53) 23 3六銀(47) *これが船戸の狙い筋。あとは▲2五銀から▲3四銀と進んでゆく。 24 3二金(41) *バランス重視の構え。 25 2五銀(36) *飛車先の歩を保留していたために生じる筋。 26 3五歩(34) *簡単に歩をかすめ取られては、もちろんよくない。 27 3四銀(25) *あっという間にここまで進出。 28 4二角(33) 29 9六歩(97) *玉のふところを広げつつ、将来の角ののぞきを作る。先手はどこかで▲4五銀△同銀▲同歩を狙っている。次に▲4一銀と▲5五銀が残る。 30 9四歩(93) *穴熊にしないのであれば、端は受けておくのが原則。▲9五歩と突き越されると、後手玉は息苦しい。 31 4五銀(34) *かねてからの狙い筋を決行。 32 3三角(42) *▲5五の地点を支える。▲3四銀△4二角と進めば元に戻って、千日手模様。 33 2五歩(26) *世界を先に進める。 34 7二銀(71) *振り飛車の基本は美濃囲い。これで強い戦いに臨める。 *前局の蛸島五段−山下五段戦は同じ中飛車ながら、互いに駒組が終わらぬまま、激しい中盤戦に突入した。 35 1六歩(17) *俗に「居飛車の税金」とも呼ばれる端歩。将来の△1五角を未然に防ぐなどの意味がある。 36 6四歩(63) *同じ端でも、9筋は受けるべきだが、1筋はお付き合いする必要はない。 37 5四銀(45) 38 同 飛(52) *互いに銀を駒台に乗せる。船戸としては、さばかれないように気をつけたい。 39 4七金(58) *△5六歩を防ぐ狙い。ただし玉から金が離れて上ずるデメリットはある。慎重に押さこむ姿勢だ。 40 5一飛(54) *一般的に中飛車は、ここが好位置。 *ここまでの消費時間は船戸15分、蛸島14分。 41 3四銀打 *スキありと見て再び攻撃開始。△2二角は▲2四歩で角頭を攻めることができる。また△4二角は▲5五銀で急所の歩を取れる。 42 2二角(33) *蛸島、少考で飛車を引く。 43 2四歩(25) 44 同 歩(23) 45 同 飛(28) *次に▲2三銀成で角頭を突破されそうだが、△3三銀が用意の一手。 46 3三銀打 *※代わりに△5四飛もある。そちらが優ったか。 47 同 銀成(34) 48 同 角(22) *一段飛車のため、こう上がることができる。 49 2六飛(24) *ここがよい引き場所。▲2八飛は△2七歩と叩かれる(▲同飛は△3八銀)。 *蛸島は手を止めて考える。華々しくさばく順がなければ、2筋に歩を打って収めるか。 50 6五銀打 *強く押してゆく。▲同銀△同歩と進めば、次に△5六歩とさばきに出られる。 51 7七銀(66) *船戸、引いて耐える。 52 5六歩(55) 53 同 歩(57) *ここから△5六同銀▲同金△同飛▲2一飛成と進めば居飛車よし。振り飛車としてはうまく技をかけたいところだ。一例としては△3六歩と突き、▲同歩ならば△7六銀▲同銀△8八角成▲同玉△4四角の王手飛車を狙うなど。 54 1四歩(13) *蛸島、やや誤算があったと思わせる仕草。この端歩は次に△1三桂から△2五歩と押さえようという読みか。 55 4五歩(46) *飛の横利きを通しつつ、△4四角を消す。 56 1三桂(21) *蛸島、2回ほどうなずいた後、桂を跳ねる。次に△2五歩と押さえられれば一息つける。ただしこの瞬間は怖い。 *進行の一例は▲3四銀△2五歩▲3三銀不成△2六歩▲3二成銀。この瞬間は▲角金△飛の二枚換えだが、すぐに△2八飛と王手桂取りで反撃される。 57 5五銀打 *船戸、手厚く天王山に銀を置く。 *ここまでの消費時間は船戸27分、蛸島30分。 58 5四銀(65) *押したり引いたり。▲5四同銀は△2五歩から△5四飛。 59 4四歩(45) *銀がいるうちに、角筋を止める。 60 5五銀(54) *力のこもった中盤戦。 61 同 歩(56) 62 4四角(33) *歩を取り返して、駒割は互角。形勢も互角か。 63 6八銀(77) *角筋を通して玉の脇を暖かくする。 *残り時間は船戸10分、蛸島5分。 64 2五歩打 *飛車を押さえる。逃げ場所は縦か横か。 65 5六飛(26) *横へ。 66 5四歩打 *さばきを狙う蛸島と、できれば押さえこみたい船戸。 67 4六金(47) 68 5五歩(54) *中盤の山場。 69 5九飛(56) *船戸、慎重にチャンスを待つ。 70 4二金(32) *▲5二歩△同飛▲4一銀の筋を消しつつ、金を寄せる。 71 5四歩打 *この歩は味がよい。△同飛ならば▲4五金や▲4五銀がある。 72 同 飛(51) *予期していたか、蛸島、ノータイムで応じる。 73 4五銀打 74 5一飛(54) 75 4四銀(45) 76 同 歩(43) *角銀交換で先手駒得。 77 5五金(46) *5筋を押し戻す。高くあがったこの金には、飛角2枚のひもがついている。 78 4六銀打 *金が進んだ裏を衝いて反撃。 79 5四歩打 *盤面中央での攻防が続く。 80 5七歩打 *蛸島、秒に追われながら、少し迷って歩を垂らす。 81 同 銀(68) *あまり時間を使わず、気合よく指し進めるのが船戸のスタイル。 82 5五銀(46) 83 同 角(88) 84 5四飛(51) *押さえこまれそうな直前で飛をさばけた。長い長い中盤戦が続く。 85 7七角(55) *船戸、じっと角を逃げる。ここは蛸島に何かうまい攻めがあってもおかしくはない。 86 5一飛(54) *行きたいところで、じっと落ち着く。 87 2四角打 *船戸、反撃。 88 5二飛(51) *怖いところだが、金銀を打たず、軽く対応する。 89 5三歩打 *船戸、ピシリと手裏剣を放つ。 90 同 金(42) *飛先は重くなったが、狙われていた4二金を手順にかわせた。 91 3三角成(24) *じっと成角を作る。長い長い中盤戦。 92 4七金打 *少し重いが、確実な攻め。船戸としては玉のすぐそばで戦いがおこなわれているので、まったく気が抜けない。 *船戸も時間を使い切って、ここから両者一分将棋。 93 9五歩(96) *端攻めは居飛車の切り札。ただしすぐに攻め込んでいくだけの道具はない。 94 同 歩(94) *よくもわるくも、端攻めには堂々と応じるのが振り飛車党の心意気。 95 9三歩打 *味をつける。ただし先手はこれで歩切れ。 96 同 香(91) *もちろん堂々と応じる。 97 6六角(77) *5七銀にひもをつけつつ、端に照準を定める。 98 5八歩打 *歩を渡せば反動はあるが、相手の駒をはがせるのは大きい。 99 同 金(69) 100 同 金(47) 101 同 飛(59) *いよいよ終盤戦。 102 4七金打 *息つく暇を与えず攻める。 103 1八飛(58) *できるだけ迷惑のかからない場所へ逃げる。 104 6五歩(64) *攻防に利く角の態度を聞く。 105 9三角成(66) *もはや逃げてはいられない。勝負と斬り込む。 106 同 桂(81) 107 6八銀(57) *一度は手を戻して、端攻めに期待をかける。 108 6六歩(65) *確実な追及。 109 3四馬(33) *遊んでいる馬を守りに利かせようとする。 110 4五角打 111 同 馬(34) *遊んでいた馬が持ち駒に換わった。 112 同 歩(44) 113 9四歩打 *角を渡したので、△8五桂とは逃げられない。 114 8四歩(83) 115 9三歩成(94) *船戸、手応えを感じたか。 116 同 玉(82) 117 9五香(99) 118 9四歩打 119 同 香(95) *船戸、ほぼノータイムで指し進めてゆく。 120 同 玉(93) 121 8六桂打 122 8三玉(94) 123 6五角打 *王手金取り。 124 8二玉(83) *勝負の行方はまだわからない。 125 4七角(65) *大まかな駒割は、船戸が8六桂の一枚分得をしている。 126 4六歩(45) 127 9四桂(86) 128 7一玉(82) *蛸島は玉は手に乗って、追及を逃れたい。 129 9二角成(47) 130 6四香打 *攻防の香。 131 8二桂成(94) 132 6二玉(71) 133 6六歩(67) 134 4五角打 *王手飛車。 135 8八玉(78) *軽くかわした。 136 9六歩打 *△6六香や△1八角成など、味を残して手を渡す。 137 4八飛(18) *角筋を避けつつ、▲4六飛を狙う。 138 4四金(53) *蛸島の切り札。玉の逃げ道を作りつつ、飛車筋を通す。 139 5六歩打 140 4七銀打 *白熱の終盤戦が続く。 141 2八飛(48) 142 5六銀成(47) *蛸島陣の上部が手厚くなってゆく。 143 5三歩打 144 同 玉(62) *蛸島玉は手に乗ってここまで逃げてきた。 145 5九香打 146 5七歩打 147 同 銀(68) *船戸は変わらず、ノータイムで飛ばし続ける。 148 同 成銀(56) *船戸陣から金銀が消えた。 149 同 香(59) 150 5五歩打 151 7五銀打 *こちらからゆく。 152 6三歩打 153 6五歩(66) *馬筋をいかした攻めだが、馬筋が止まった。 154 4七歩成(46) *ついに歩成が実現。 155 6四歩(65) 156 5七と(47) *俗に「5七のと金に負けなし」と言う。本局の場合はどうか。 157 7二成桂(82) *いよいよ大詰め。 158 同 金(61) *いま取った桂は8五に置きたい。その余裕はめぐってくるか? 159 6三歩成(64) 160 同 金(72) *言いなりのようで、実は馬取りになっている。 161 8一馬(92) *ついに手番は蛸島。 162 9七歩成(96) *蛸島、少し迷った。 163 同 玉(88) *船戸はノータイム。 164 9四香打 165 9五歩打 *中合。 166 9六歩打 167 8八玉(97) *玉が元に戻る。香を手放させた分だけ、船戸が得をしたか。 168 9五香(94) *手番は船戸。 169 9八歩打 *辛抱。 170 6七と(57) *これは詰めろではない。 171 6四歩打 *手に汗にぎる最終盤。 172 6二金(63) 173 4五馬(81) 174 同 金(44) 175 3四角打 *船戸、ついに勝ちをつかんだか。 176 4四玉(53) 177 2三角成(34) 178 8五桂打 *詰むや詰まざるや。 179 3三銀打 180 5四玉(44) 181 4五馬(23) 182 同 玉(54) *船戸陣の駒台はバラバラ。 183 4四金打 *船戸、あわてて金をつかんで落とし、あわてて4四に置く。 184 4六玉(45) 185 4七歩打 *実にきわどい。 186 同 玉(46) 187 4九香打 188 5六玉(47) 189 5七銀打 *焦点に。△同玉は▲4七金、△同とは▲6六金まで。よってこの銀は取れない。 * *※局後船戸はすぐに、代わりに金だったと嘆いた。 190 6五玉(56) 191 6六金打 192 同 と(67) 193 同 銀(57) *※なるほど▲5七金と打っていれば、▲6六同金までの詰みだった。 194 7六玉(65) *※ここでなおも▲6五銀で詰んでた! 7五、6五、どちらの銀を取っても、金打ちまで。 195 7八飛(28) *はたしてどちらが勝っているのか。 196 7七桂成(85) *退路を開く逆王手。 197 同 飛(78) 198 8五玉(76) *ここまで逃れた。 199 8六銀(75) *※▲8三金もあった。 200 9四玉(85) *蛸島玉は盤面を一周。手数は200手を超えた。 201 9五銀(86) 202 同 玉(94) *※正確を期すればまだ船戸が勝っていたであろうが、流れを引き戻すのは難しい。 203 7五飛(77) *飛車が飛翔した。 204 8五銀打 *頭をかく船戸。 205 8六金打 206 9四玉(95) 207 9五香打 208 8三玉(94) *蛸島玉、奇跡の生還を果たしたか。 209 8五金(86) 210 同 歩(84) 211 9四銀打 *王手で追い続ける。 212 7二玉(83) 213 8四桂打 214 6一玉(72) *長編の趣向詰めのような終盤。 215 5三歩打 216 1二飛(52) *もっとも迷惑のかからない場所に逃げる。一手余裕を得れば、豊富な持ち駒がものを言う。 217 8三銀成(94) *ついについに、手番は蛸島。 218 5六角打 219 7二桂成(84) 220 同 金(62) 221 同 成銀(83) 222 同 飛(12) *△同玉といずれか、悩ましいところだった。 223 6三歩成(64) *さあ今度は、船戸玉が詰むや詰まざるや。 224 7八金打 225 同 飛(75) 226 同 角成(56) 227 同 玉(88) 228 5八飛打 *蛸島、迷った手つき。 229 6八金打 *船戸はノータイム。 230 同 飛成(58) 231 同 玉(78) *身を乗り出して考える蛸島。 232 6七銀打 233 同 玉(68) *船戸はクールに盤上を見つめる。 234 5六銀打 235 7七玉(67) 236 6八角打 *鮮やかな角打ち。▲同玉は△6七金以下、▲7六玉は△8六金以下、▲8八玉は△7六桂以下、きれいにつかまっている。 *「いやあ、ひどかったです」。負けを告げた後、船戸は頭を抱えた。総手数、実に236手。蛸島が大熱戦を制した。 *終了時刻は18時44分。消費時間は両者ともに40分。 *勝った蛸島はベスト4に進出した。 237 投了 まで236手で後手の勝ち