# --- Kifu for Windows V6.40 棋譜ファイル --- 開始日時:2012/1/22 10:00 終了日時:2012/1/22 12:35 棋戦:第4期天河戦準決勝 持ち時間:1時間 消費時間:151▲60△60 場所:芝浦サロン 手合割:平手   先手:蛸島彰子五段 後手:鎌村ちひろアマ 手数----指手-- *中井広恵天河への挑戦権を争う第4期天河戦は、これから準決勝。まずは蛸島彰子五段と鎌村ちひろ女子アマ王位が対戦する。 *持ち時間は1時間で、使いきったら1手1分以内。 *振り駒の結果、「歩」が3枚出て蛸島五段の先手と決まった。 * *(棋譜・コメント入力=青葉) 1 5六歩(57) *くるま停めて、どこ行こう。 *NTTル・パルク http://www.le-perc.co.jp/ 2 8四歩(83) *鎌村さんは東京大の2年生。女子アマ王位のタイトルを獲得して、本棋戦に出場している。中倉宏美二段に挑戦して総手数222手。最後の最後で大逆転して、準決勝進出を決めた。 *http://shogi-broadcast.com/kifu/tenga4_1-4.html 3 7六歩(77) *蛸島五段は1回戦で山下カズ子五段、2回戦で船戸陽子二段を破っての準決勝進出。船戸二段戦は総手数236手での大逆転劇だった。 *http://shogi-broadcast.com/kifu/tenga4_2-3.html 4 8五歩(84) 5 7七角(88) 6 5四歩(53) 7 5八飛(28) 8 4二玉(51) 9 4八玉(59) 10 6二銀(71) 11 3八玉(48) 12 3四歩(33) 13 6八銀(79) 14 5三銀(62) 15 2八玉(38) 16 7七角成(22) 17 同 銀(68) 18 6四銀(53) 19 3八銀(39) 20 3二玉(42) 21 1六歩(17) 22 1四歩(13) *開始3分で、あっという間にここまで進行。ここで蛸島五段は考えている。 *(1)▲4五角と打てば、5四歩か3四歩、どちらかを取ることができる。どちらも重要な位置の歩。ただし、角を手放してしまうデメリットがある。8筋からの逆襲を狙うならば(2)▲8八飛。バランスを重視して無難に指すなら(3)▲5九飛から▲7八金か。 23 8八飛(58) *角交換型の振り飛車は8筋からの逆襲が常套手段。△5七角には▲6六角(1一香取り)△同角成▲同銀で一手得。この後は▲7七桂−▲7八金−▲8九飛と組んでから▲8五桂△同飛▲8六歩△8二飛▲8五歩という順がよくある筋。 24 4二銀(31) *玉の脇を締める。 25 6六銀(77) *▲8六歩△同歩▲同銀は存外うまくいかないことも多い。▲6六銀から▲7七桂という形を作るのが現代風。デビュー時から中飛車を指し続けている蛸島五段は、最新形もフォローし続けている。 26 4四歩(43) 27 7七桂(89) *ここまでの消費時間は蛸島8分、鎌村12分。 28 4三銀(42) *舟囲いの発展型。 29 8九飛(88) *ここがバランスのよい位置。将来△7九角や△7七角と打ち込まれる筋を避ける。また、飛は戦場より一段でも遠くから利かせるのがよい。 30 5二金(61) *このあたり、駒組にも神経を使うところ。こちらの金を上がるのは玉を固めるメリットと、▲7一角や▲6一角と打ち込まれるスキを作ってしまうデメリットを比較しなければならない。 31 6八金(69) *バランスのよい位置。代わりに5八に上がってしまうと、△7八角と打たれる。 32 3五歩(34) *玉頭位取り。△3四銀と位を確保できれば、自玉の上部が手厚くなる。ただし現状では、△3四銀の瞬間に▲7一角が生じる 33 2六歩(27) *▲2七銀から▲3八金の「片銀冠」(金銀2枚の銀冠)を作るのも現代風。 34 2二玉(32) *居飛車側は駒組の自由度が高い分、センスが問われるところ。 35 2七銀(38) 36 3二金(41) 37 3八金(49) 38 2四歩(23) 39 8五桂(77) *頃やよしと開戦。この単騎桂跳ねが振り飛車側の作戦の骨子となる一手。△8五同飛には▲8六歩△8二飛▲8五歩の逆襲が可能となる。以下▲8四歩から▲8三歩成がすんなり決まればそれまで。単純な狙いだけにいくらでも対応がありそうだが、実はまったくどうしようもなく、きれいに決まってしまうことも多い。 40 5三銀(64) *相手の注文に乗らない。玉を固めて、堅さで勝負する。 41 8六歩(87) *桂を支えて当然の前進。相手が歩を手にして△8四歩と打つ前に手を作る暇は十分にある。 42 4五歩(44) *大きく2つ目の位を取る。 43 7五歩(76) *桂にさらなる活力を与える歩突き。機を見て▲7三桂成△同桂▲7四歩などを狙う。後手陣は金銀4枚で玉側は堅い分、逆サイドは薄い。 *ここまでの消費時間は蛸島14分、鎌村30分。 *蛸島五段は「寒くない?」と鎌村さんに問いかける。「大丈夫です」と鎌村さん。 44 6四角打 *鎌村さん、狭いところに角を打った。先手玉をにらむ位置。▲7三桂成には△同角と取ることができる。 *ここは勝負どころ。蛸島五段も考えそうだ。 45 5七金(68) *5分ほど考えて着手。角の打ち込みがなくなったので、この金は玉側に近づけるのが得策と見た。 46 4四銀(53) *角の退路を開きつつ、位の確保。歩の下から金銀が押し上がっていく形は美しい。 47 7九飛(89) *飛車の動きでポイントを挙げるのが、振り飛車を指しこなすコツ。 48 8四飛(82) *▲7四歩と動かれるのを警戒。 49 7六飛(79) *▲7四歩の際に△8六角と歩を取られる手をなくす。 50 3三桂(21) *玉側の手厚さは、鎌村さんの方に分がある。 51 9六歩(97) *間合いをはかる。 52 9四歩(93) *どちらも自分から動くより、できれば相手の動きに応じてポイントを挙げたい。 53 6五銀(66) *決断の前進。この銀は後戻りできない。 54 5三角(64) *4四銀を支える位置に逃げる。 55 6六角打 *継続手。次に▲7四歩が決まれば、ほぼそれまで。 *△6四歩▲7四歩△8三飛▲7三歩成△6五歩(銀を取って角取り)▲4四角(銀を取る)△同角▲8三とが進行の一例か。 56 8三飛(84) *角筋を避けて、次に△6四歩を狙う。 57 7四歩(75) *もちろん前進。 58 同 歩(73) *鎌村さん、一呼吸を置いて、△同歩と応じる。▲同銀には△7五歩(飛角両方の利きを止める)を用意している。以下▲同角△同角▲同飛には△8四角が痛烈なカウンター。 59 同 銀(65) *蛸島五段、少し首をかしげながら。 60 7五歩打 *鎌村さん、ノータイム。 61 7八飛(76) *このあたりの応酬は勝敗に直結しそうなところ。蛸島五段は落ち着いて飛を引き上げた。以下△8四飛▲6五銀△6四歩ならば▲7五角で振り飛車がさばける。 62 8四飛(83) *逃げつつ銀に当て返す。 63 6五銀(74) *ここまでの消費時間は蛸島五段38分、鎌村さん47分。 64 9三桂(81) *飛筋を止めている8五桂にはたらきかける。 *(1)▲9三同桂成には、△同香としてから△8六飛を狙うか、あるいはすぐに△8六飛か。 *(2)▲7五角は△同角▲同飛△6八角▲5八金△8六角成が進行例。玉が堅い居飛車側は、飛が使える展開が望めれば有望。 65 8八飛(78) *力のこもった応酬が続く。△8五桂には▲同歩から押し返してゆける。 66 8五桂(93) *桂を持ち駒にできたのは、居飛車にとっても大きい。 67 同 歩(86) 68 8一飛(84) 69 8四歩(85) *両者の指し手が早くなってきた。8筋突破は確実な情勢。その間に居飛車側は反撃できるか。 70 6四歩(63) 71 7四銀(65) 72 6五歩(64) *狙いのカウンター。▲6五同銀には△6一飛。 73 同 銀(74) 74 6一飛(81) 75 7四銀(65) *蛸島五段にとっては、ここをしのげば、という局面。 76 6六飛(61) *△7六歩などとためず、すっぱりシンプルに。 *ここまでの消費時間は蛸島46分、鎌村52分。 *▲6六同歩には△7九角か。 77 同 金(57) *蛸島五段、少し考えて応じる。金が浮き駒にならないのはメリット。そっぽに行ってしまうのはデメリット。 78 4六歩(45) *すぐに薄みを衝く。 79 同 歩(47) 80 7九角打 *▲7八飛には△4六角成。▲4八飛には△5七角成。馬ができれば大きい。 *蛸島五段、飛を持って少し迷った。 81 7八飛(88) *▲9八飛と指しかけて、思い直した。強く角に当てる。 82 4六角成(79) 83 4七歩打 84 4五馬(46) *急所に馬を配置できた。 85 5七桂打 *桂を手放すのは少しもったいないが、馬に威張られたままでは心もとない。 86 3四馬(45) 87 6一飛打 *蛸島五段も反撃の準備。できれば▲8三歩成から▲7三と、▲6三とを間に合わせたい。 88 2五歩(24) *最急所に手をつける。 89 同 歩(26) *これは見る聞くなしに取る一手。 90 2六歩打 91 同 銀(27) 92 3六歩(35) *角筋を通して2六銀に狙いをつける。 93 同 歩(37) *堂々と応じ続ける蛸島五段。 94 2五桂(33) *鎌村さんはここから一分将棋。蛸島五段は残り7分。 *ここで▲9一飛成は△6四角まで。 * *※△4五桂と反対側に跳ねる方がよかったか。以下▲同桂△同桂(2六銀取り)▲3五桂△3六銀と進めば、後手の厚みが生きる展開。 95 2三歩打 *反動を利用して反撃。どう応じても後手陣は味のわるい形となる。 96 同 馬(34) *▲2五銀には△2四歩の意味。 97 6三銀成(74) *▲8三歩成では悠長すぎると見た。▲7四銀が遊んだままでは勝てない。 98 同 金(52) 99 同 飛成(61) 100 3四桂打 *鎌村さん、少し迷った手つき。 101 2五銀(26) *▲2五銀と取るべきか取らざるべきか、というところで、取る以外になくなった。 102 2四歩打 103 3四銀(25) *このやり取りでは、銀と桂桂の交換。蛸島五段が少し得をしたか。 104 同 馬(23) 105 4六桂打 *急所に据える。駒台の上にある桂は、使い切れずに残してしまうより、どんどん使った方がよい。 106 2五馬(34) *どこに逃げるべきか難しいところ。上に出て、先手玉にプレッシャーをかける方を選んだ。 107 6五桂(57) 108 4二角(53) *桂の活用も大きいが、龍につけ狙われていた角を逃げられたのも大きい。この2手のやり取りはどちらが得をしたのか。 *ここは▲2六歩から▲3四桂打が厳しそうだ。となると、蛸島五段、好調の攻めが続いているのか。 109 5三金打 *重厚な攻め。 110 同 銀(44) 111 同 桂成(65) *蛸島五段も持ち時間1時間を使いきって、ここから一分将棋。 112 同 角(42) *鎌村さんとしては、駒をもらって反撃にかけたい。 113 同 龍(63) 114 4二銀打 *反撃の順はないと見て、1枚入れる。 115 6三龍(53) *▲2三歩など指したい手を保留して、じっと落ち着いておく。 116 4四桂打 *この反撃に期待。 117 4五銀打 *桂先の銀定跡なり。△3六桂▲同銀△同馬はさっぱりする。 118 3三金打 *再び金銀4枚の態勢だが。 119 7五飛(78) *ついにこの飛車までさばけた。 120 3六桂(44) 121 同 銀(45) 122 同 馬(25) *大まかな駒割は▲角桂△銀銀の交換。手番は蛸島五段。 123 3七歩打 *▲2三歩や▲3四歩でもいけそうなところ、自玉の安全最優先の方針。 124 2六馬(36) 125 2三歩打 *痛烈なたたき。 126 1二玉(22) *どれで取っても味がわるい。よって逃げた。 127 6一龍(63) *代わりに▲7一飛成は△同馬で、あっ、ということになる。 128 4九銀打 *急所の反撃。▲4八金は△3八歩が怖い。 129 9一龍(61) *蛸島五段、ここは少し迷った。 130 3六歩打 *先手陣も危なくなってきた。 * *※ここで代わりに△7一歩と止めておけば、鎌村さんにもワンチャンスあったか。 131 1三香打 *この香を打ちたかった。 * *※決め手。 132 2三玉(12) *前局の中倉宏美二段戦を思えば、まだ何があるかわからない。 *蛸島五段、自玉が詰まないと踏めば、▲1一龍で勝ち。 133 1一龍(91) *自玉に詰みなしと読みきった。 134 3八銀成(49) 135 同 玉(28) 136 3七歩成(36) 137 同 桂(29) 138 2七金打 139 4九玉(38) *先手玉は、はっきり詰まない。 140 3四金(33) *▲1二龍までの詰みを防いだ。 141 1二角打 *蛸島五段、「うーん」とつぶやきながら。 142 3三玉(23) 143 3四桂(46) 144 3七金(27) *今度は後手玉が詰むや詰まざるや。 145 2二銀打 146 4四玉(33) *7五飛が縦横によく利いている。 147 4五金打 148 5三玉(44) 149 7三飛成(75) 150 6三歩打 151 6五桂打 *以下は△5二玉▲7二龍△6二合▲6一龍までの詰み *終了時刻は12時35分。消費時間は両者ともに1時間。 *勝った蛸島五段は挑戦者決定戦に進出を決めた。 *準決勝第2局の石橋幸緒四段−渡部愛TJP戦は1月28日(土)16時からおこなわれる。 152 投了 まで151手で先手の勝ち